結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2007年08月24日(金曜日)

パラドックス「朝令暮改の法則」

[結城義晴のBlog 毎日更新宣言]をしたら、
お蔭様で、アクセス件数とともに書き込みが増えてきました。

感謝します。

書き込み、そしてそれへの返答。
読んでみてください。

田坂広志著『これから何が起こるのか』(PHP研究所)

尊敬する中央化学㈱の川勝利一さんから贈っていただいて、
同感、同感、と声を上げながら、読んだ本。

目から鱗。

「ある共通のテーマで多数の人が集まったコミュニティに問題を投げかけ、
そのコミュニティに集う人々の知恵を集めて解決策を見出す方法を
『コミュニティ・ソリューション』と呼ぶこともあります」

私は、このブログを、
やがて「コミュニティ・ソリューション」の苗床にしていきたい。
そう、考えています。

まだ、[毎日更新宣言]を始めたばかりですが。
だから、書き込み、問題提起、問題解決の提案。
何でも受けます。
真剣勝負で。

よろしく。

さて、今日は。

優れた経営者の「朝令暮改の法則」。

2007823ダイナム佐藤会長と
写真は、
昨8月23日、
千葉・舞浜のホテルオークラ東京ベイ。
パチンコホール「ダイナム」佐藤洋治会長と私。
ダイナムは、287店、年商1兆1000億円の全国チェーン。
佐藤さんも良い意味での「朝令暮改」の経営者のひとりです。

 

「昨日まで言ってたことと違うじゃないか!」
それどころか、
「昨日と反対じゃないか!」
思わず口走りたくなる。
そんなトップマネジメントを、私は長年、見てきました。

しかし、優れた経営者ほど、
ギャップの激しい「朝令暮改」をするものです。
手のひらを返すほどの「方針転換」をするものです。

それが優れた経営感覚なのです。
鋭い時代感覚なのです。
「朝令暮改」が出来なくなった経営者こそ、ご退場願わねばならない。
こんなことすら考える私です。
(さらに…)

2007年08月23日(木曜日)

凡事徹底・有事活躍で[毎日更新宣言]を発します

第75回商業界ゼミナール

私は、30年間、㈱商業界に在籍してきた。
[結城義晴のBlog 毎日更新宣言]に当たって、思うことがある。
それは2005年の地方ゼミナールのことだ。

㈱商業界には全国に商業界同友会という組織がある。
毎月のように集まって、互いに研鑚し、
勉強する小さな商人の集まりである。

彼ら同友の合言葉は「友情」。
一生の友となる仲間の存在が、
いわゆる「商業界精神」を高めつづけることに大きな勇気をもたらす。

そんな各地の同友会は、地域ごとに連合同友会を形成している。
そして地域ごとの連合同友会が主体となって、毎秋、
7カ所で「商業界地方ゼミナール」が開催される。

九州ゼミナール、
中四国ゼミゼミナール
近畿ゼミナール、
中部ゼミナール、
北陸ゼミナール、
関東山静ゼミナール、
東北ゼミナール。

私は㈱商業界の社長として、
これら地方ゼミナールの応援団長のような役回りを演じる。
すべてに参加し、
基調や訣別の講演、開講式や閉講式のスピーチ、
懇親会の挨拶などをする。

同友会は随分高齢化してしまったが、
それでも若い同友がいる。
彼らを励まし、その悩みの相談に乗るのが私の役目。

商業界の同友会活動は、明らかにひとつの運動体である。
その運動体が選んでいく方向を模索するとき、
ともに悩みながら指針を示すのが、これまでの私の仕事であった。

第40回九州ゼミナールの成果

さて数々の地方ゼミナールの中で、私には、思い出深いものがある。
2005年の第40回九州佐賀ゼミナールである。
福岡生まれの私も少々お手伝いして、
2004年9月に発足したばかりの佐賀同友会が主管したものだ。
なぜか、九州の地で、これまで佐賀には同友会が誕生しなかったのだが、
この生まれたてのグループが、
40年の空白を埋めるような快挙を成し遂げた。

それは参加したメンバー全員の心が一体となって、
終了した閉講式に象徴された。

商業界のゼミナールは、どれをとっても、
通常の経営研究会や経営セミナーとは異なっている。

それはある種の精神的な昇華現象が、参加者の中に湧き上がり、
学んだことを「実行しよう」という強い意思の表明とともに、
次につながっていく点である。

この時の九州ゼミナールは、特に著しい波動のようなものを発した。

その理由は「凡時を徹底する」という考え方が、
すべての講座に貫かれ、
それこそが「有事に活きる」という結論に至ったからである。

第40回九州ゼミナールの講座と講師を順番にご紹介しよう。

①佐賀県知事・古川康「新地方の時代の改革」
②商業界主幹・倉本初夫「21世紀商業への出発」
③アシックス会長・鬼塚喜八郎「転んだら起きればいい」
④[パネルディスカッション]結城義晴、イズミ執行役員・脇坂徳男、イオン九州SC
事業部長・宅島祥夫「激変する流通業界とイズミ、イオンの九州戦略」
⑤イエローハット相談役・鍵山秀三郎「心あるところに宝あり」
⑥熊本県公立菊池養生園名誉園長・竹熊宣孝「もう!そろそろ命一番」
⑦CASジャパンCEO・小林敬「集客の虎 勝ち残りの秘訣」
⑧南蔵院第二十三世住職・林覚乗「心ゆたかに生きる」
⑨ニチイ創業者夫人・西端春枝「縁により縁に生きる」
⑩熊本県立第一高校校長・大畑誠也「21世紀の人づくり」
⑪長崎県立国見高校校長・小嶺忠敏「指導力」
⑫日本旅行西日本営業部課長・平田進也「なにわのカリスマ添乗員、サービスの極
意」
⑬志ネットワーク代表・上甲晃「人間松下幸之助翁に学ぶ」
⑭訣別講演・結城義晴「第三の場所になろう」

14講座15人の講師全員が強調したことがある。
それは、「現場の重要さ」と「当たり前のことの徹底」である。

政治家である知事、教育者、宗教家、経営者・経営幹部、指導家、
そしてジャーナリスト。
全員が全員、「現場重視」「当たり前の徹底」を訴え、
そのための忍耐力と使命感の必要性を唱えたのである。

「凡時徹底」と「悪戦苦闘能力」

イエローハット創業者で、
「日本を美しくする会」の主催者として名高い鍵山秀三郎さんは、
実に淡々と語り続けた。
「大きな努力で小さな成果に耐えることが必要です。
小さな努力で大きな成果を上げようとする人は、
他人の努力を奪っているのです。
最後には何にもならないことに努力する。
だから人間として成長する。
努力は無駄にならない。
必ず報われるようにできている。
ただし、自分が望んだようには報われないけれど」

鍵山さんはさらに続けた。
「幸せは自由の中に存在するのではない。
甘んじて受ける義務の中にこそ幸せは存在する」

鍵山さんは、信条の「凡事徹底」を切々と唱えて、
壇を降りた。

熊本県内のいくつもの荒れた高校を蘇えらせた大畑誠也校長は、
「悪戦苦闘能力」をいかに生み出したかを、
教育現場からの成果として報告した。

何よりもまず、全員に「挨拶を徹底させる」。
「挨拶が徹底されるように、悪戦苦闘する」。
次に「朝飯を食べることを徹底させる」。
仕舞いには、校内でごはんと具沢山の味噌汁を作って、
学校で朝食を食べさせてしまう。
これで100%となる。
さらに「家の手伝いをすることを徹底させる」。
そして「思いをもたせる」。
最後に「本を読ませる」。

この5つの改革の中から次々に高校が蘇えっていった。
これ、現在の若い社員を教育する経営に通ずる。

大畑校長は、偶然にも、鍵山さんと同じく、
「凡事徹底」と大きく書かれた紙を、
高だかと掲げて感動の講義を終了させた。

訣別講演で私は、
イトーヨーカ堂グループの「基本の徹底と変化への対応」を引きながら、
「小さく始め、ゆっくり進め、常に改善せよ」と訴えた。

最後に私は、新潟県中越地震と阪神大震災の時の文章を読んだ―――。

小さな店も、大きな企業も、
皆が、この時こそと、日ごろの仕事の腕を発揮した。
いつもよりも素早く、力強く、黙々と。
   

店は客のために、
是が非にも開けておかねばならない。
有事の時にこそ、頭を柔らかくし、
冷静に活躍せねばならない。
人びとが立ちあがる礎にならねばならない。
商業人はどんな時にも、
明日を見つめていなければならない―――

私は「凡事徹底」と「有事活躍」を訴えかけたかった。
それが、この第40回九州ゼミナールと現在の日本の商業を、
キーンと貫く主題だったからである。

[結城義晴のBlog 毎日更新宣言]の今日。
私の心の中にあるのは、
「凡時徹底」と「有事活躍」である。
「悪戦苦闘能力」である。

ご愛読のほどを。

<㈱商業界社長 結城義晴>

追伸
今回も長文のご精読、感謝。
明日は、短くて、読みやすくて、楽しい話題を。
乞う、ご期待。

2007年08月22日(水曜日)

『岡田卓也の十章』(㈱商業界 発行者・結城義晴)発刊の内幕

日本最大の流通企業「イオン」を創始した人物の信念は凄い!

『岡田卓也の十章』
この本には、著者名がありません。
イオンの創始者であり、
名誉会長の岡田卓也さんが、
商業界ゼミナールで語った数々の講演録を、
通称「工藤出版事務所」の工藤澄人が、
まことにすっきりとまとめ、
それに私がちょいちょいと手を入れたもの。
(偉そうな言い回しで恐縮!
しかし私は、彼の最初の上司で、
いわばサンダース軍曹役を務めたのだから、
許してください)
それにイオン常務取締役の堤唯見さんが、
さらに入念に入念にチェックを入れてくれて、
完成しました。

もちろん岡田さんご自身も何度も目を通してくださって、
たとえてみれば「岡田卓也の実印」がしっかりと押された本となりました。

メインボーカリストと、
バックの3人囃子、トリオによって、出来上がった本といえます。
すべての皆様に感謝いたします。

紛れもなく、日本商業史に燦然と輝く本です。

8月2日の日本チェーンストア協会40周年記念パーティで、
岡田さんに、最後のご報告をしたときの会話。
岡田「あの本の著者名は、勘弁してほしいよ。自分で書いたものではないから」
結城「了解しています」
岡田「君の名前にしてもいいよ」
結城「とんでもありません。発行者名に私の名前が入ります」

こんな経緯がありました。

そして、岡田さんは印税を、ユニセフを通して、
ラオスの学校設立に寄付することにしてくださいました。
(さらに…)

2007年08月21日(火曜日)

トップマネジメントリレー対談【6】ライフコーポレーション会長・清水信次さん

『ポリティカル・マーチャント』の真骨頂

年商4000億円、196店舗。
日本最大の食品スーパーマーケット。
それがライフコーポレーションである。
そしてこの企業は、
清水信次という稀代の創業者の血と肉によって出来上がっている。

まず、日本チェーンストア協会40周年記念シンポジウムでの、
直近の清水発言から。
この8月2日に、東京赤坂プリンスホテル五色館で開催されたものである。

「私は第6代目の会長だ。
もともと軍人か剣道師範になりたかった。
敗戦で、どちらもやれなくなったから、闇商人になった。
そしてスーパー業界へ入ってきた」

「その後、売上税闘争で中曽根内閣と戦った。
大平内閣とも闘った。
大店法の矛盾を突いて、大店法訴訟でも闘った。
7回法廷に立って、出店規制の法律を変えろ、と闘った。
結局、大店法は改正された。
容器リサイクル法では、訴訟して2年争っている。
いまも、闘いの最中だ」

「私は侍の道を志して、政府行政と闘っている。
剣道をやっていたから、怖いものはない。
ずっと闘い続けてきた。
棺おけに入るまで闘うつもりだ」
(さらに…)

2007年08月20日(月曜日)

「グッド・マンデー!」 元気を出そう

皆さん、
「グッド・モーニング!」
あるいは、
「グッド・アフタヌーン」の人もいるかもしれない。

こんな挨拶があるのだから、
「グッド・マンデー」があってもよいでしょう。

だからあらためて、「グッド・マンデー!」

今日は、8月20日、月曜日。
区切りの日です。

20日〆の店や会社も多いことでしょう。

ユニクロのファーストリテイリングや
アメリカのコストコは、
8月決算で、
私は、いつもその決算を楽しみにしているのですが、
8月というのは、キリのいい月です。

(さらに…)

2007年08月19日(日曜日)

「三越伊勢丹企業統合」にクリティカルマスはない!

結城義晴の「百貨店の現代化論」

「三越伊勢丹ホールディングス」と仮称のついた企業統合。
単純に、両社の年商を足し算すると、
1兆5800億円、33店舗、日本最大の百貨店グループとなります。

まだ誕生していないグループの、推定順位ですが、
第2位が、J・フロントリテイリング。26店舗。
⇒ここも今年9月に、大丸と松坂屋ホールディングスが統合予定。
第3位が高島屋。20店舗。
⇒こちらは今のところ、単独行動。
第4位がミレニアムリテイリング。28店舗。
⇒セブン&アイホールディングス傘下に入った、西武百貨店とそごうの連合体。

最新の商業統計による日本の百貨店の年間総販売額は、8兆0212億円。
これは5年前の平成14年調査ですから、
現在ではもう1兆円ばかり減っていると推測できます。

すると三越伊勢丹は、
日本の百貨店の20%を越えるシェアを有することになります。
これをもって、「クリティカルマス」といえるのか。

それが、今日の命題。

日本で「百貨店」。
英語で「デパートメントストア」。

この業態の起源は、
1852年、アリステッド・プシコー「ボン・マルシェ」にあるといわれています。
フランス・パリに生まれたマザガン・ド・ヌヴォテという革新的な業態でした。

アメリカでは、1876年、ジョン・ワナメーカーが、
フィラデルフィアにデパートメントストアを開店しました。

日本では、1904年の「三越呉服店」が、百貨店の起源といわれます。

何が言いたいのか。

百貨店は、世界的には150年以上、
日本でも100年を超える古い業態である、ということです。

だから、当然のこととして、淘汰が進む。
アメリカでは、淘汰がもっともっと激しく進んでいて、
シンシナティに本部を置く「フェデレーテッド」1社に統合された観すらあります。

かつてのメイシーもメイも、
マーシャルフィールドもブルーミングデールも、
ロビンソンもブロードウェイも、
みんなフェデレーテッドです。

全米小売業ランキング13位。
年商269億7000万ドル(3兆2364億円)ですが、
何と、1360店の店舗を展開するチェーストアなのです。

名前の通った企業は、他には、39位のノードストローム、100位のサックスくらい。
23位コールズや41位ディラードなど、
新興のまったく新しいタイプの百貨店はあるけれど。

日本の百貨店が、アメリカのようになるとは言いません。
しかし「4強+H2Oの阪急・阪神に収斂される」
などという予測は、本当に目先しか見ていないのだと思います。

私は、ずっと、こう言っています。
「寡占」から「複占」へ。

寡占は、数社によって、同一のマーケットの大半が占有されること。
複占は、2社によって、そのマーケットの大半が占有せされること。

この「複占」への過程で、最初に17%のシェアを突破することを、
「クリティカルマス」と言います。

では、三越伊勢丹は、日本の百貨店のクリティカルマスを突破したのか。

残念ながら、これは、論証できません。

私は、今のところ、
「クリティカルマス」は「コモディティグッズ」の領域で発生しやすい現象、
と考えています。

本来の百貨店のマーチャンダイジングやサービスは、
誰が見ても、「ノンコモディティ」の領域にあります。
つまり、「クリティカルマス」という、
量の領域のロジックでは説明できないのが百貨店なのです。

これが、家電量販店のエディオンとビックカメラならば、
ジャストミートで「クリティカルマス」といえます。
しかしこの事例は、両社の意思一致が図れず、
頓挫してしまいました。

したがって、今回の三越伊勢丹ホールディングスは、
何を、目指すか。

第1に、M&Aや企業買収・合併の本来の目的は、人材の大量採用です。
とりわけて、小売業の場合には、
さらに2007年から2008年にかけては、
優秀な人材を大量に抱えることが、
企業力そのものになります。

企業力とは、人間力だからです。

三越と伊勢丹のその意味で、単純に足し算すると、
従業員数が約1万8000人となり、
日本の百貨店業界トップとなります。
この人材を、融和させ、プラスアルファを生み出すパワーとなすことが出来るか。
ここにかかっています。

持ち株会社の名前は、「三越伊勢丹ホールディングス」はよくない。
「伊勢丹三越ホールディングス」も同様。
何か、人心が、融和されるようなネーミングが必需です。
「ナントカ・リテイリング」はもうやめてほしい。

各店の店名は、それぞれ「三越」と「伊勢丹」でよいでしょうが。

持ち株会社による企業統合は第2に、
資金力、資本力の安定をもたらします。

第3のメリットは、システムの統合と管理部門のコスト削減です。
これも当然のこと。

ただし、両社の客層が異なるから補完関係になって、メリットが出る、
というのは嘘です。

マーチャンダイジング上も、補完関係は成立しません。

伊勢丹には伊勢丹のカスタマーが存在します。
三越にも三越のお客様があります。

両者がカバーしあったら、両社の顧客は喜ぶかといえば、
逆です。
がっかりします。

私は、両社の優秀な人材が、
調査や討論を重ねて、
潤沢な資金力と信用を元に、
まったく新しいビジネスモデルを創り出すことに期待をかけます。

100年以上も続いた百貨店を自己否定し、
新しい業態やフォーマットを創造する。
そのための企業統合なのです。

だから、異質な歴史と企業風土を持つ者同士の統合に、
意味が出てくるのです。

それでも、企業統合や合併は、
完全な融合のために、最低10年を要するでしょう。

これだけは、確かなことです。

生き残りのための統合では、
たとえ「ノンコモディティ」領域に
「クリティカルマス」が適用されるとしても、
マーケットは永きの存在を許さないでしょうから。

ここでも『ゴールデンルール』が必要とされるに違いありません。

長文のご愛読、感謝。

<㈱商業界社長 結城義晴>

2007年08月18日(土曜日)

一神教による『ゴールデンルール』とカスタマーの謎

「さらば、すべて、人にせられんと思うことは、
人にもまた、そのごとくせよ」

昨日の続き。
あらためて、この『ゴールデンルール』の意味は、
「自分が、そうしてもらいたいと思うことは、すべて、
同じように、お客様にしてあげなさい。
自分が、そうありたいと思うことは、すべて、
同じように、店員にしてあげなさい」

だからこの言葉を徹底していくと、
顧客満足のカスタマーサティスファクションと、
従業員満足のエンプロイーサティスファクションが、
両立してくる。

しかし、ジェームズ・キャッシュ・ペニーは、まもなく、
「頑固な、人使いの荒い経営者だ」
というのが、評判になり、
それが、ペニーの特長となった。

ペニーは、ストイックな商人だった。
彼についてくることの出来る店員は、
数少なかったのである。 

倉本長治はこう言っている。
「バイブルや論語には、商売のことは書かれていない。
しかしそのバイブルや論語にこそ、
商人にとって最も重要なことが書かれている」

キリスト教をはじめとする一神教には、
商売に通ずる貴重な教えが多数、ある。

イスラム教も、ユダヤ教も、一神教である。
みな、神との契約と、汝の隣人を愛せよ、と教える。

しかし、彼らの愛は、
同じ宗教を信じる者に対しては無限であるが、
異教徒に対しては、無慈悲でよいとする。
無慈悲というよりも、異教徒には逆に、すこぶる攻撃的でさえある。

だから、中世のキリスト教徒による十字軍があったし、
現在のイスラム教徒によるジハードがある。

ペニーの、
「さらば、すべて、人にせられんと思うことは、
人にもまた、そのごとくせよ」
もまた、同様である。

私の商売に共感してくれる顧客には、無限の愛を。
これが特定の、常連の顧客、
すなわち、私の言う「カスタマー」である。
「店は客のためにある」という言葉によって表現されるものである。

私の経営に賛同してくれる店員にも、無限の愛を。
これが、「店員とともに栄える」の意味である。
社員や店員を、野放しで甘やかすことでは、
断じて、ない。

このポイントを間違えると、
とんでもない店や企業が生まれてくるのである。
 

今日は、「伊勢丹と三越の統合の意味」に関して書こうと考えていたが、
なぜか、昨日の続きとなってしまった。
お許しいただきたい。

しかし、いいだろう。
『ゴールデンルール』は、
きわめて重要なことだから。
絶対に、誤解しては、ほしくないことだから。

「三越・伊勢丹、来春に統合」というニュースを、
来週に統合」と報道したおっちょこちょいのテレビ局もあったほどだから、
急ぐことではない。
来週ならば、私も急遽、コメントしなければならないが、
来春であるだろうことは間違いないのだから。

明日こそ、「クリティカルマスと百貨店の統合」を解き明かそう。

『ゴールデンルール』にも深くかかわるテーマなのである。

乞うご期待。

<㈱商業界社長 結城義晴>

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