結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2007年09月06日(木曜日)

「ドラッグストアは本籍地を得た」JACDS宗像守事務総長

宗像写真

9月4日、新横浜に宗像守さんを訪問。
宗像さんは、
日本チェーンドラッグストア協会(JACDS) 事務総長。
日本リテイル研究所所長として、
コンサルタント軍団を率いる
超一流のコンサルタントでもある。

日本チェーンドラッグストア協会は、平成11年6月16日創立。
8年を経過した平成19年6月1日現在、
合計すると、487の企業、団体、個人が加盟する協会。
正会員(ドラッグストア、他小売業)187社、
賛助会員(メーカー、卸、ストアサポート企業他)230社。
さらに個人会員54名と学校会員16団体が、その趣旨に賛同して加盟。
個人と学校の加盟が特徴的だが、
その賛同した趣旨は、以下のようなもの。

チェーン化を指向するドラッグストアの社会的な役割を果すために、
①健康産業としてのわが国のドラッグストア業態の産業化の推進
②ドラッグストア産業の具体的な発展、育成に必要な情報の収集・提供
③ドラッグストアを取り巻く生活者、産業界、行政に対する建議、提言
を行い、国民の健康と豊かな暮らしに寄与することを目的とする。

宗像さんは、この協会創設時の縁の下の力持ちとして、尽力。
私も、10年ほど前から、微力ながら、
わずかに、お手伝いさせてもらった。

現在、その正会員の総売上高は3兆7055億円、
店数は1万2619店舗となった。

私にとっても、とてもうれしいことだ。

この協会には、追い風が吹いている。
日本の「少子高齢化」という現象である。
宗像さんは、これに対して、
「セルフ・メディケーション」というコンセプトを提言し、
強力に推進している。

   セルフ・メディケーションとは、
患者、生活者(ドラッグストアにとっては顧客)が、
自ら(セルフ)責任を持って、医薬治療する(メディケート)こと。

そんな社会が、必ず訪れる。
ドラッグストアは重要な社会的使命を持っている。

宗像さんは、ドラッグストアの社会的地位向上のために、
自ら、二つのアプローチを展開している。
それを持論として、行動している。
そして、それが着実に、大きな成果を上げている。

   「産業化のためには、二つの軸が必要です。
社会は、モンテスキューの三権分立で出来上がっています。
司法は、アンタッチャブルでなければならない。
だから、立法と行政に働きかけることです」

この考え方は、残念ながら、例えば、
日本チェーンストア協会には不足していた。
スーパーマーケットに関連する多くの協会にも欠落していた。
わずかに、清水信次という「ポリティカル・マーチャント」を会長に頂く
日本スーパマーケット協会がこの動きをしているくらい。

私は、スーパーマーケットの協会・団体は、今、
立法と行政に働きかけることにおいては、
小異を捨てて大同につくべきだと考えている。

さまざまな働きかけをする中で、
宗像さんはまず、2002年の経済産業省「商業統計」に、
「ドラッグストア」の業態区分を作らせた。

このとき、彼は、

「ドラッグストアは永住権を手に入れた」

と発言。

そして、このたび、
総務省の「日本標準産業分類」に、
「ドラッグストア」が新設されることとなった。

「日本標準産業分類」は、日本国内の産業分類の基礎をなすものだ。
私も、「5つの企業転換のススメ」を講義するときに、
必ず、基本認識として、この「日本標準産業分類」を使う。

総務省の総計審議会の下部組織「産業分類部会」で承認を得て、
9月中の審議会で正式承認となる決定がされている。

「日本標準産業分類」は、
19の大分類、
97の中分類、
420の小分類、
さらに1269の細分類で構成されている。

大分類「J 卸売・小売業」の中の、
中分類「その他の小売業」の中の、
小分類「医薬品小売業」の中の、
細分類の筆頭に「ドラッグストア」が位置づけられることになる。

定義は、以下のようになる。
「医薬品、化粧品を中心とした
健康および美容に関する各種の商品を中心として、
家庭用品、加工食品などの最寄品を
セルフサービス方式によって小売する事業所」

これによって、今後、
「ドラッグストア」という言葉が、
政令や省令などの公用文書に登用される可能性が出てきた。
予算措置を筆頭にした行政施策にも登場することとなる。
このことが重要なのである。

比較してみると、現在の分類では、スーパーマーケットは、
中分類「55 各種商品小売業」
小分類「551 百貨店,総合スーパー」
細分類「5511 百貨店,総合スーパー」
としか区分けされていない。
食品スーパーも総合スーパーも十把ひとからげである。
スーパーマーケットは、18兆円もありながら、
「日本標準産業分類」にその名称すら入っていないのだ。

これをもって、宗像さんは再び、発言した。

「ドラッグストアが本籍地を得た」

私は、商業を、日本の『基幹産業』にしたいと思っている。
さまざまな局面で、そう発言してきた。
心の底から、そう、願っているし、
そのことに一生を掛けたいと考えている。

宗像さんは、まず「ドラッグストア」に、
「永住権」をもたらし、
次に「本籍地」を獲得させた。

   これは、ドラッグストアが確実に、
『基幹産業』への階段を、ひとつ、
登ったことを意味する。

宗像さんは、
私の良きライバルであるとともに、
心をひとつにする同志なのである。

握手、そして合掌。

<結城義晴>

【みたびの予告】
今週中にこのブログ、
リニューアルとアドレスの移動をします。
乞う、ご期待。

ただいま、最後の、仕上げ工事中。

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