結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2007年09月22日(土曜日)

『スーパーの女』と闘おう 再現

油座栄
9月21日、大阪は暑かった。
全国的に菓子が売れない夏だった。
菓子卸NSグループの勉強会で講演。
テーマは、
「自己革新なくして、サバイバルなし!」

白石製菓社長・白石純一郎さんには、特にお世話になった。
若い経営者の熱気ある研究会、
応援します。

今、私自身、
自分がさまざまな人たちに応援していただいている。
だから、よく分かる。
応援してもらうことの有り難さ。

私も、若い経営者、若い実務家を応援したい。
一緒に苦しみたいし、一緒に喜びたい。

その後、オール日本スーパーマーケット協会を訪問。
油座栄専務理事にご挨拶、そして懇談。

温かいおもてなし、心より感謝。
そして、同協会の応接室の『スーパーの女』のパネルの前で、
油座さんと並んでポーズ。

油座さんこそ、まさに、スーパーな女。
私が尊敬する女性経営者でもある。
油座さんなくして、この協会もない。

そして、思い出した。

伊丹十三さんの映画『スーパーの女』のことを。
1996年、6月までの数カ月のことを。
私が編集長をしていた『食品商業』は、この映画を応援した。
そして、脚本・監督の伊丹十三さんと、
アドバイザーの安土敏(荒井伸也)さんに、
誌上対談してもらった。
安土さんは、この映画の原案となった『小説スーパーマーケット』の著者。

私は、ただただ伊丹十三が、
大きな顔をしていることに圧倒された。

そして、当時の『食品商業』名物の巻頭メッセージを書いた。
今日は、その再現。

『スーパーの女』と闘おう  結城義晴

映画『スーパーの女』が生まれた。

生まれるべくして生まれた。

「価格破壊」の、あの熱病のごとき風潮への反動のように生まれた。

日本商業の歴史にとっても、

スーパーマーケットに一段の進化を促すという面でも、

とても重い意味をもつ。

なぜなら、多くの主婦たち、日本中の客たちが、

この映画を見て、

舞台となった「正直屋」の、

商品と鮮度とサービスと、

公明正大さとエンターテインメントとを、

知ることになるからだ。

その裏側をのぞいてしまうからだ。

日本中の店が、『スーパーの女』の「正直屋」と競合することになる。

日本中の経営者は、監督・伊丹十三と競争することになる。

日本中の店長は、宮本信子扮する井上花子と力量を競うことになる。

こんなことがあっただろうか。

なんと楽しい競争だろう。

なんとやり甲斐のある競争だろう。

なんと誇らしい競争だろう。

ふるい立て、立ち上がれ。

全国の「スーパーの人びと」よ。

『スーパーの女』と闘おう。

正々堂々と闘い続けよう。

この巻頭言によって始まる『食品商業1996年7月号』は、
それまでの(株)商業界48年の歴史上、
最高部数を記録した。

<結城義晴>

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