正規軍は勝たなければ、負けである。
ゲリラは負けなければ、勝ちになる。
現実はもっと、厳しい。
正規軍指揮官は勝たなければ、死に至る。
ゲリラ隊長は負けなければ、生を得る。
しかし、ビジネス社会は面白い。
死んだはずの正規軍指揮官は、
すぐにゲリラ隊長として、復活する。
まことに将棋の駒のようで、面白い。
会社や店舗、仕事や能力は、
物理的、肉体的、決定的な死が訪れない限り、
必ず復活する。
だが、正規軍指揮官がゲリラ隊長として、
勝利を獲得し、生を得るとは限らない。
ゲリラ隊長が正規軍指揮官として勝利し、
栄華を誇ることの確率もごくわずかだろう。
ただし、どちらにも、いえることがある。
死の覚悟。
生への執着。
死の苦しみ。
生の喜び。
どちらも知ってみたい気がする。
両者を体験したうえで、
何かを見てみたいとも思う。
ビジネス社会では、それが可能だ。
正規軍指揮官として死に、
ゲリラ隊長として生きる。
「死に対面する以外の生はないのだ」(岡本太郎)
<結城義晴>
【私の著書『メッセージ』第4章ストラテジーを下敷きにした文章です】