予告どおり11月3日に成田を発って、
ラスベガスに到着。
ラスベガスは、砂漠の街。
ネバダ州の中心都市。
ネバダ州全体で人口224万人、
ラスベガス市内は54万人、
周辺を含めると164万人。
そのラスベガス、全米でもっとも成長している都市。
1931年に、ギャンブルが合法化され、
ギャンブリングの街としてスタートし、
やがて1970年代から、ゲーミングの街となり、
さらに1990年代からエンターテインメントの街へと変身を遂げ、
いままた、コンベンションの街の要素も加わり始めた。
成長都市には、最先端の産業が集まる。
最先端の流通業も誕生する。
だから、小売業視察に適している。
来年から、FMIも、ここ、ラスベガスで開催される。
さて、私は、空港から、直接、ブルーバードモールへ。
典型的なリージョナルショッピングセンター。
4つの核店が鎮座ましまして、
その間を、約150の専門店がつなぐ。
日本でも、やっとつくられ始めた「モール」。
ブルーバードモールは、
シアーズとJ・C・ペニーのいわゆるGMS2強。
それに百貨店のメイシーズとディラードが核となっている。
その後、ボカパークセンターでボンズ、ターゲット。
レインボースプリングスショッピングセンターで、
99セントオンリーワンショップ、サムズ、ウォルマートスーパーセンター。
最後の、レインボースプリングスの道路を隔てた一角に、
つい最近まで営業していたKマートの閉鎖された店舗が、
残骸を残していた。
へとへとになってホテルに戻って、
バスタブに湯を張り、
いつものように本を読みながら、体を休める。
本が面白くて、ベッドに雪崩れ込んで読みふけると、
いつの間にか、うたた寝、熟睡。
そしてふと気がついて、目を覚ます。
時計を確かめると、不思議なことに、
ほんの一瞬だった。
その一瞬に見た夢のような強い印象。
かつて全米第1位の小売業で、
ディスカウントストアの寵児であったKマート。
ウォルマートやターゲットは、元気に客を集めている。
同じようにシアーズやペニーは、店内が薄暗く、
ひと目、在庫が過多と映る。
昔日の面影なし。
なぜなのか。
ウォルマートは、年商3487億ドル、その伸び率11.7、純利益113億ドル。
店舗数は6779店で、全米第1位。
ターゲットは595億ドル、13.1、28億ドル。1487店で5位。
Sears Holdingsが、6位で、530億ドル、7.9、9億ドル。3835店。
ペニーは15位で、199億ドル、6.0増、12億ドル。1033店。
1位のウォルマートには、サムズもスーパーセンターも含まれる。
6位には、いまやシアーズとKマートが含まれる。
シアーズ、Kマート、ペニーは、
ウォルマート、ターゲットに抜かれた。
ただそれだけなのか。
駄目になっていく店は、
なぜか薄暗く、
なぜか店員の姿が少なく、
なぜか在庫が多くなってくる。
それが客に伝わる。
ますます、暗くなり、
動きがなくなり、
不良な在庫商品とセールの札ばかりが目立つ。
それに加速度がつく。
恐ろしや、恐ろしや。
ここから結城義晴の「17日間あめりか漂流記」が、
始まった。
<続く、結城義晴>