勝利とは、
自ら、
勝ち取るものではない。
たいていの場合、
相手から、
恵んでもらうものである。
だから、人はみな、
自ら出来ることに、
専念する。
自らの役目に、
献身する。
自分の出来ることに、
専念できない敵が、
地雷を踏む。
自らの役目に献身できない敵が、
自滅してくれる。
アメリカ商業を見続けて、
改めて、
そう、思う。
だから理念が、
重要なのである。
理念なき経営が、
滅びるのである。
理念とは、
謙虚にいえば、
自ら出来ることが昇華したものである。
自らの役目が純化したものである。
ご存知、
エブリデー・ロー・プライス。
ウォルマートが貫く経営理念。
現在、
[オールウェーズ・ロー・プライス]と称する。
主要品目に関して、
売価をギリギリのところに抑えて、
上げ下げしない経営戦略。
この経営戦略を、
テキサスのローカルチェーンHEバットが、
採用した。
成功した。
グルメスーパーマーケットウェグマンズも、
取り入れた。
苦労して定着させた。
そして、
アメリカ最大のスーパーマーケット企業クローガーも、
追随しはじめた。
はてさて、いかに。
ここで、考える。
どの企業のエブリデー・ロー・プライスが、
敵にお恵みを与えてしまうものなのか。
それともエブリデー・ロー・プライスは、
すべての小売業にお恵みをもたらすものなのか。
たいていの場合、
勝利とは、
敵から恵んでもらうものである。
〈明け方のダラスより、結城義晴〉