視察最後の日。
どんな旅も、
終わりは物悲しい。
「祭りの後の寂しさ」と、
吉田拓郎が歌った気分は、
よく分かる。
しかし、最後にこそ、
真打が登場する。
スチューレオナード。
1969年、牛乳工場の直営の店として創業。
スーパーマーケットのディズニーランド。
見えてきました。
第3号店は、マンハッタンの北。
紅葉の山の上。
創業のミルク工場のイメージ。
フリーウェイから車が次々に上っていく。
丘の頂に、あの「私たちのポリシー」を持つ店が、
登場する。
土曜日昼前だが、平日も、いつも、駐車場はいっぱい。
店に近づくだけで、ワクワクしてくる。
そして、店舗入り口。
あの、あまりにも有名な“Our Policy”が掘り込まれた岩がある。
思わず擦り寄って、写真を一枚。
Rule1
The Customer is Always Right!
Rule2
If the Customer is Ever Wrong,
Reread Rule1.
原則1
顧客はいつも正しい。
原則2
万一、顧客が間違っていると思っても、
原則1に戻れ。
私は、この「われわれの理念」の中で、
最も重要な言葉は“Customer”であると考えている。
Customerを「親友のようなお客様」と置き換えてみよう。
あるいは「恩師のようなお客様」と言い換えてみよう。
「両親のようなお客様」
「家族のようなお客様」
「恋人のようなお客様」
すると、Customerは、いつも、
私の店を応援してくれている。
Customerは、ずっと、
私たちの店を支援し続けてくれている。
そう思うことが出来る。
そして、Customerの言う言葉に、
耳を傾けることが出来る。
スチューレオナードの店内は、
ワンウエイコントロールで、
全売り場をめぐるように設計されている。
品種ごとのアイテムは絞り込まれている。
しかし、一つ一つの商品が、
吟味されている。
商品によって、Customerに「愛」を訴えている。
そして、カテゴリーごとに、
ディズニーランドのようなパフォーマンスが用意されている。
一つ一つのパフォーマンスが、
楽しさを訴えている。
この店に来ているCustomerたちの顔を見る。
姿を観察する。
彼らは、生きる喜びを確かめるために、
この店にやってくるのである。
私も無性に、この店に感謝したくなる。合掌。
<つづく、結城義晴>