11月29日、木曜日、小雨。
鎌倉・長谷寺。
故・磯見精祐さんの四十九日の法要が行われた。
親族とごく親しい人たちだけの、
ひっそりとした法要だったが、
私には、涙があふれて止まらないほどの、
なんというか、感動があった。
磯見さんは、東宝、グリーンスタンプから、
小売業に転進され、
西友、ユニーで仕事をされた。
最近は、評論家として、
その知性と見識に基づいた論評をされていた。
私は、磯見さんから、常に、
商業に関する根本的な問題提起を受け、
私の理論構築に大きく影響をいただいていた。
欧米の、そして日本の、
最先端の理論に関心を寄せる磯見さんの博識に、
頼っていたところもある。
その磯見さんから、
「結城義晴さんに贈る一文」を、
この日、いただいたのだ。
奥様のたま子さんに託された手紙を、私は、
この四十九日の日に、手にした。
便箋2枚に、最後の力を振り絞って書かれたと思われる字が、
並んでいる。
死を覚悟した磯見さんの、
亡くなられる2日前の手紙である。
奥様によると、
何度も書き直しされた。
この一文も、
最後まで書ききれず、
絶筆となった。
私が、㈱商業界を退任し、
その私を励ます会を、
磯見さんは企画し、推進してくださっていた。
その間のことが、
丁寧に書かれている。
次に、ご自分の病気のことが簡略に記されている。
そして、
さて、「結城さんに贈る一文」ですが、
これは私の結城さんに対する期待です。
ここで終わっている。
私は、ここまで読んで、
胸に突き上げるものがあり、
便箋を閉じた。
納骨は、長谷寺の、
一番高いところにある墓地。
磯見累代の墓。
鎌倉の市街と海を見下ろす景勝の地。
紅葉が雨に濡れて、鮮やかだった。
四十九日は、故人の来世の行き先が決まる日。
心よりご冥福を祈りたい。
そして、磯見さんの期待を、
私は、考え続け、
背負っていくことになる。
合掌。
納骨の後、
鎌倉の華正楼で精進落し。
その後、横須賀線で品川へ戻り、
笹川記念会館で講演会。
パチンコチェーンストア協会第23回経営勉強会。
私のテーマは「パチンコチェーンストアのEDLP」。
いつも以上に、気持ちが張って、
頭は空っぽなのに、
次から、次から、
言葉があふれるように出てきた。
夕方の懇親会では、
ダイナムの佐藤洋治会長が、
気合のこもった話をされた。
この話にも、私は、感動した。
そして、心の中で、合掌。
<結城義晴>