12月6日。東京。
トヨタ自動車池袋ビル14階スターライトラウンジ。
恒例のムラカミ研究室年次大会。
村上忍さんは日本のレイバースケジューリング啓蒙と指導の第一人者。
私は、村上さんの実質的な処女作『レイバースケジューリング原理』を、
担当させていただいた。
私の商業界時代の重要な仕事のひとつであったと思う。
村上さんは次に『チェーンオペレーションバイブル』を、
続編として書かれた。
この時も『食品商業』誌上での連載が、単行本につながった。
さてこの年末恒例の同志・同窓懇親・交流の集いには、
60人くらいの人々が集まった。
冒頭の村上さんのご挨拶は、
チェーンオペレーションに対する見識を、見事に表明していた。
アメリカのスーパーマーケットには、
それぞれ独自のチェーンオペレーションがある。
セーフウェイ、ボンズ、パブリックス、アルバートソン、
そしてHEバット。
それらを村上さんとそのグループは、
徹底したフィールドワークで、究明してきた。
この功績は多大である。
日本のチェーンストアに、
独自のオペレーションシステムの確立が望まれている。
私もまったく同感。
チェーンオペレーションの特長が、企業の特長である。
チェーンオペレーションの差異性が、企業の差異性を表す。
さて冒頭のご挨拶は、ヤオコー会長の川野幸夫さん。
川野さん、このたびの株主総会で、
社長の座を譲り、会長にご就任。
「これまでは、男性をマネジメントして来ましたが、
これからはパートナーさんをはじめとする女性とお付き合いする」
うらやましい。
「競争は激しくなるばかり。
世の中の変化も著しい。
そこで変化に対応する。
変化対応こそが、競争対策となる」
このロジック、見事。
これにもまったく同感。
「私たちは、ライフスタイルアソートメントを、
標榜してきた。
しかし優しくいえば、
それはおいしいものをたくさんつくって、
売るということ」
ライフスタイルアソートメントが、
きわめて分かりやすくなってきた。
「変えてはいけないものがある。
企業の精神や理念。
変わるものがある
商品構成や売場づくりなどなど」
「私たちは、第1に全員参加の商売をしようと考えている。
そして第2に、『ブルーオーシャン戦略』で商売する。
出来るだけ、競争しない、という戦略だ」
この『ブルーオーシャン戦略』――
大海原には青い海が広がっている。
そのブルーオーシャンに乗り出せば、
誰も競争相手はいない。
そんなブルーオーシャンを目指す戦略。
今後のヤオコーの鍵を握るものとなりそう。
いい会だった。
川野幸夫さん(中)、村上篤三郎さん(右)
多くの人と、話をした。
終会後、池袋で、たいらや社長の村上篤三郎さんと一献。
こちらの村上さんは、今年5月の私のアメリカ視察セミナーの団長さん。
いつもお世話になりっぱなし。
エコスのグループの重鎮。
北関東のあの激しい競争の中で、
川野さんのブルーオーシャン戦略につながる作戦を実施。
詳しくは、言えないが、それが功を奏して、好調。
村上さんのキャリア、ご経験とお人柄が、それを可能にしている。
たいらやも全員参加の経営である。
「全員参加」と『ブルーオーシャン戦略』。
この夜の収穫。
川野さんと、お二人の村上さんに感謝。
<結城義晴>