12月14日金曜日。
面談、会合、また面談。
今日は長い一日、長いブログ。
おつきあいのほど、よろしく。
朝、まず東京・人形町。
東京山喜株式会社、中村健一社長訪問。
ご存知、リサイクルきものショップ『たんす屋』を展開。
呉服屋業界の革命家。
2001年、ニュービジネス大賞優勝受賞。
昨年は、「着物セミナー」でご一緒した。
いつも話はぴたり合う。
「今、お客さんは、所有価値よりも、
体験価値にお金を払う」
「着物業界は、所有価値を刺激するのが上手な業界でした」
「着物が嫌われたのではなく、呉服屋が嫌われた」
「淘汰、統合の次に、寡占が進む。
その前に再編成が起こる」
これ、呉服業界だけのことではない。
「私は、どうやってサービス業に近づいていくかばかりを考えている」
すなわちノンコモディティの経営戦略。
最後に、
「若い女の子に
キャーッ、オシャレ!
と言ってもらった時、
その商売は再生する」
この言葉、この日の私の次の行動に関係していた。
すなわちパチンコ・ホール業界に対する警鐘となる。
午後、銀座。
パチンコ・チェーンストア協会本部。
私はこの協会の経営アドバイザーを務めている。
今日は、第5回会員フォーラム、12月拡大理事会、忘年会と会合が続く。
会員フォーラムは、ニラク社長谷口晶貴さんの講演。
とても感動した。
㈱ニラクは、福島県郡山に本社本部を置く。
パチンコホール・チェーンストア。
現在41店年商1919億円。
「暗黒の大陸から黄金の大陸づくりへ」
谷口さんの話は、そんな志を強く示していた。
若い頃、音楽にあこがれ、その道を目指し、
挫折して、簿記と税務の猛勉強。
そして家業を継ぐ。
業界の古い慣習に悩みながら、
ある日、チェーンストア理論と出会う。
さらに生涯の盟友ダイナムの佐藤洋司さんと巡り合い、
パチンコ・チェーンストア協会を設立。
谷口さんも、パチンコ・ホールの革命家の一人だ。
「50店規模のときが一番、危ない。
さなぎが蝶になるときが最も危険。
今、わが社がそれです」
「だから王道、正道を行く」
「理念、ビジョン、ロマンが50%。
それに社員が共鳴してくれることが30%。
スキルが20%。
これが会社経営だと思う。
だから、理念、ビジョン、ロマンが大事です」
素晴らしいでしょ? 谷口さん。
涙が出てくる。
そして、このたびつくってしまった。
『ニラク大学』
企業内大学。
アメリカの1950年代、ゼネラルエレクトリックが始めた企業内大学。
1960年、マクドナルドのハンバーガー大学、
1970年代、ディズニー大学インスティチュート。
その後の、モトローラー、リッツ・カールトン、ゴールドマン・サックス、
そして、ゼネラルモータース、IBM.。
それを、谷口さんは、会社につくろうとしている。
『ニラク大学』
時あたかも、私は、
業界内の自分で大学をつくることのできない企業のために、
その仕事に取り組もうとしている。
コーネル大学と組んで。
だから谷口さんは、私の同志。
「組織の成長に、人の成長が合わない。
組織の成長と人の成長を合わせなければならない。
もっといいのは人の成長に組織の成長をあわせることです」
「これまでは失敗の積み重ねでした。
利益は失敗料のようなものです」
「会社を変え、文化を変える。
しかしDNAは変えない」
良い講演だった。
谷口さんに、感謝。
その後、拡大理事会。
これにも参加。
濃密な論議、驚くほどまじめな議論。
そして私は思う。
「今、真っ裸になるときだ」
忘年会は、辞退して、後ろ髪ひかれつつ、千葉県舞浜へ。
シェラトン・グランデ・トーキョーベイ・ホテルなだ万へ。
CVSベイエリア社長・泉澤豊さんと、夕食。
こちらはコンビニ業界の革命家。
右が泉澤さんご夫妻、左は常務の上山富彦さん。
考えてみると今日は、革命家ばかりに会っている。
同社は、
東京都・千葉県で、コンビニ「サンクス」を132店舗直営展開、
総売上高226億円。
いわゆるエリアフランチャイズ本部で東証一部上場を果たした。
さらに日常生活の「便利さ」を提供する各種事業を展開中。
泉澤さんの経営者としての発想、感覚には、
驚くべき冴えがある。
着想がユニークで、
マーケティング感覚にあふれている。
「しかし、結城さん、
どんな商売も儲けなきゃ、駄目」
これ、泉澤用語で、「お客様の支持がなければだめだ」ということ。
この夜、私はもっぱら聞き手に回った。
私に新しい事業のご提案を、これでもか、これでもかと、
投げかけてくださった。
ありがたい。
そしてほぼ見解は一致。
おっしゃる通りです。
今日は、各界の革命家に会い続けた。
私は、そんな革命家たちの応援団長のつもりでいたが、
どうやら私も、フィールドに引きずり出されつつあるらしい。
<結城義晴>