12月17日、夕方、東京、日本セルフ・サービス協会。
JR山手線・京浜東北線・中央線・および地下鉄銀座線神田駅直近。
それで、人が絶えない。
こういった協会や会社にも、
立地の良さは大切なのである。
そのセル協で、待ち合わせて、
近くのフランス料理店「万惣」へ。
左から井口、齊藤、三浦、杉各氏。
全日本食品社長の齋藤充弘さん。
ご存知、食品スーパーマーケットのボランタリーチェーンとして、
全品供給を成し遂げる全日食チェーンのトップ。
現在、1703店、本部年商803億円。
全国展開するボランタリーチェーンであるから、
有力ナショナルブランドメーカーとも、
イオン、セブン&アイ・ホールディングスなどと並んで、
広域流通本部と取引関係を持つ。
私は、㈱商業界時代、「全日食チェーン」の別冊号をつくったりして、
旧知の仲。
尊敬する流通業界人の一人。
もうおひと方は、食品流通研究会代表の杉伸一郎さん。
杉さんは元イトーヨーカ堂取締役食品事業部長・販売事業部長、
ヨークマート社長などを歴任された。
イトーヨーカ堂の食品部門の超のつく専門家。
私は、20数年前からのお付き合い。
鮮魚の専門家としての杉さんから、様々の教えを乞うてきた。
食品流通研究会会長の井口征昭さんも加わって、
有意義な食事会。
井口さんは、元西友及びミレニアムリテイリング食品部長。
もちろんセル協から、三浦正樹専務理事。
全日食チェーンのPOSシステムは、優れもの。
齋藤さんによると、以下のようになる。
「POSはコンピュータの付いた現金箱。
ストアコントローラーは、サーバー。
だから、コンピュータと現金箱のハードウエアと、
ソフトウエアは別々に購入すると、ものすごくコストダウンになる。
欧米のチェーンストアは皆、この方式。
全日食チェーンもこの方式をとっている」
なるほど。
プラネット社長の玉生弘昌さんが言っていた「レガシー問題」につながる。
齋藤さん、ここから、商品データ分析を、自ら展開。
バイヤーよりも、よく知っている。
杉さんとのコンビで、
「売れ筋・死に筋問題」を解決し、
全体効果は前年対比20%アップだとか。
「店頭にある商品の3割は死に筋。
売れ筋の3割は売っていない。
売れ筋は特売のときにしか売っていない。
売れ筋の定義が難しいのだけれど。
しかし、これを確実に問題解決したら、
60%は伸びる。
そう、シミュレーションしている」
杉さんの持論。
「今、経営理念の違う小売業態が必要。
利益が出ないビジネスは、意味がない。
過疎地で成り立つ業態がある。
それには日常にこだわること。
非日常を排除すること」
「今、バレンタインデー対策を一生懸命やっている。
しかし、バレンタインデーはスーパーマーケットでは利益が出ない。
だから奥さんが買って旦那や息子に贈るチョコ、
あるいは職場の義理チョコに徹しろ、と言っている。
若い女性が、若い男性に贈るチョコレートを品揃えして、
たとえ買ってもらったとしても、
うちの店で買ったチョコレートで、若い二人は幸せになれるか?」
杉さん、凄い。
齋藤さんが言う。
「私は、杉さんから、自分のお客を見るということを教わった」
お二人とも今、自信に満ちている。
最後に、
「商業の現代化を目指しているんです」
と、私。
齋藤さん、すかさず、
「私たちは、未来化です」
一本、取られた。
<結城義晴>