藪下雅治先生とお会いした。
流通業界の大御所。
マネジメントおよび計数管理の巨匠。
東京・六本木。
藪下先生は、私にとって、
特別の師匠である。
お生まれは、1928年、昭和3年。
9月1日。
私が、1952年、昭和27年、
9月2日。
先生とはふたまわり、24年と1日の違い。
だから辰年、乙女座。
そして血液型はO型と同じ。
糖尿病の家系も一緒。
占いをすると、
藪下先生と私はみな同じとなってしまう。
私が、駆け出しのころ、
商業界で怖い先生三人衆というのがいらっしゃった。
城功先生、
渥美俊一先生、
そして藪下雅治先生。
これらの先生方、
実は私、みな、得意としていた。
得意というのは変な表現だが、
普通にお話しし、
質問をし、
質問され、
コミュニケートすることに、
支障がなかった。
だからたくさんのことを教わった。
ありがたいことだと、考えている。
心より。
その藪下先生が、名古屋で、
「コントローラー・セミナー」を主催されていた。
2泊3日で、6カ月間、6回のコース。
私は、それに通った。
本当に良い勉強をした。
私の計数の基礎が、このときできた。
同窓生には、
亀岡に本部を置くスーパーマーケット「マツモト」の松本隆文現社長や、
九州西友の元社長古江博さんらがいた。
もう、28年ほども前のこと。
その藪下先生、
79歳で、お元気。
何より、頭が冴えていらっしゃる。
今宵は、娘さんの藪下万紀子さんとご一緒。
現在、㈱藪下研究室の代表取締役は万紀子さん。
「新人のコツ」(㈱商業界刊)という単行本も出していて、
事業は立派に継いでいらっしゃる。
万紀子さんも、辰年。
ちなみに私の娘・冴子も辰年。
現在のチェーンストアの状況や、
かつての盟友・渥美先生のこと、
島田陽介先生、高山那輔先生らの話題、
ダイエー創業者の中内功さんらのエピソード。
世界旅行のこと、
読書のこと、
病気のこと、
落語のこと、
講演の仕方、
仕事の持ち方、
会社づくりのこと、
そして私自身のこれからのことなど、
テーマは多岐に及んだ。
本当にありがたい。
「結城さん、講演は、間(ま)です」
その通り。
「誰もが専門を持たねばならない」
その通り。
「戦略コンサルタントは、勉強し続けねばならない」
「技術コンサルタントは、少し楽ですね」
「ここへきて、流通業は大きく変わる」
「だからいつも、営業利益が出る経営をすべきなのだ」
考えてみると、私はこういった先生方に、
支えていただいてここまで来たのだ。
私の中でわだかまっていたいくつかのことが、
藪下先生のおかげで、氷解した。
42年間糖尿病と付き合っていながら、
この夜、藪下先生、
生ビールと熱燗の清酒をずいぶん飲まれた。
串焼きもコースメニューをぺろり。
またひとり、仙人のような「化け物級」を前にして、
私は、酔いしれた。
心より感謝。
頑張ります。
<結城義晴>