1月10日 パンパシフィック横浜 ベイホテル東急。
オール日本スーパーマーケット協会(AJS)新年トップ経営研修会。
私はかれこれ、25年、
この研修会には、ほぼ欠席なしで、
ご招待いただき、出席している。
今年の参加者545人。
「知恵の共同仕入れ」を趣旨にして、
トップが毎月集まって研修をするグループ。
店長研修をはじめとして、数々の研修も展開。
いわば、スーパーマーケット学校のような存在。
さて、荒井伸也会長のご挨拶。
現状報告と、秀逸の持論の展開。
「昨年年末1週間の実績は、
AJS加盟スーパーマーケット企業トータルで、
100.3%だった。
天候が崩れたという条件を考えると、
結果は、良かった。
昨年通算で見ると、2月、6月のみ前年割れ。
あとは前年をクリア」
なかなかの健闘ぶり。
「現在、AJS のグランドデザインを描いている。
私たちの目指すものは、
第1に、良いマネジメント体制を確立すること。
第2は、良いお店、良いスーパーマーケットをつくること」
「商品面では、
小売業が仕様書発注でPBをつくると、
安くできるといった量に対する間違った信仰がある。
小売業の競争とメーカーの競争は、根本的に違う。
小売業の競争は半径2キロの範囲内において起こる。
その中で一番のシェアを取ることが、何よりも大切。
すなわち、地域一番店をつくること。
だから、強い生鮮食品と惣菜の店をつくる。
私たちは、その状態をつくりたい」
私が最近使う「イーチストア」の強さと同様の考え方。
賛成。
次は岡島正明農林水産省総合食料局局長の講演。
タイトルは『我が国の食料事情をめぐる状況について』
国際的な食糧事情の変化を、
専門家のデータ、専門家の視点から展開。
世界人口の変化と農業生産の不安定化。
地球温暖化が世界の食糧生産に大きな影響を与えている。
バイオ燃料拡大が、これも食糧生産に影響を与えている。
世界の穀物の需要量と生産量はほぼ対応しているが、
期末在庫率は、「食糧危機」と言われた1970年代前半を下回る水準。
そこでわが日本、輸入食料の確保が難しくなる可能性あり。
食料調達に支障が生じるケースも出ている。
我が国の食料自給率は、主要先進国の中で最低水準。
「この国としてどうしていくのか」という問題提起。
さて、どうしたものか。
最後は、寺島実郎(財)日本総合研究所理事長の特別講演。
『2008年 世界の潮流と日本経済の行方』
私には、刺激的で、示唆に富んで、おもしろかった。
大中華圏の経済力は、4兆3000億ドルで、既に、
日本に肩並べ、追い抜くところまで来ている。
さらに、イギリス・インド・シンガポール、そして豪州の
ユニオンジャックアロウが力を持っている。
そこに中東・ロシアのオイルマネー。
21世紀に入ってから、地球全体のGDPの成長率は3.5%だった。
世界は人類の歴史始まって以来の高成長、
世界でマイナス成長ゾーンはない。
世界貿易、すなわち物量経済は7%伸びた。
しかし、
金融経済は何と14%も伸びた。
「実態経済をはるかに上回る金融経済」
何か変だ
原油は99年2000円、07年8826円。
なぜ、日本でパニックになっていないのか。
1 通貨為替で半分は吸収
2 エネルギー利用効率の37%改善でパニック吸収
3 ガソリン税格差で吸収。
日本では、今、リッター100円のとき50.9%が税金。
アメリカの税率18.3%で、ガソリン税率低いから、値上がりが直撃。
ちなみに、ドイツ72.4%。
2008年に、パラダイム転換の予兆あり。
国内では、川上インフレ・川下デフレ。
その他、現在の世界経済の動向の謎ときが、
ふんだんに盛り込まれた講演。
残念ながら、時間切れ模様で、結論まで至らず。
最後の提案の一つは、
「日本では、定住人口は、減る。
しかし移動人口を、増やせばよい」という政策。
「国際間・国内間の移動によって、金融資産の在り方を変える」
というもの。
さて講演会の後は、懇親会。
私は、荒井会長と並んで、上座。
恐縮。
夜は、部屋で、いつものように、大議論大会。
夜は更けて、
私は、明朝の、ブログ書きのことを心配していた。
皆さんに、感謝。
<結城義晴>