1月11日、オール日本スーパーマーケット協会(AJS)の店舗クリニック。
舞台は、昨年7月21日オープンの、
サミットストア権太坂スクエア店。
横浜市保土ヶ谷区、国道1号線沿い。
箱根駅伝の花の2区で、死闘が繰り広げられるあの権太坂。
私には、1991年、早稲田大学の櫛部静二選手がこの坂を登りきったあと、
急に朦朧とし始めた光景が蘇る。
しかしサミットの店は、朦朧とはしていない。
くっきりとしている。
売場面積754坪、バックヤード面積368坪。
総敷地面積2339坪。
2階に、家電のコジマ、
1階、レジの前にはハックドラッグが入っている。
今日は、この上出来の店を、
ビジュアル紹介する。
「知恵の共同仕入れ」を旗印にするAJSの、
その「知恵」の結集がサミットストア権太坂店に表現されている。
まず、店舗入り口。
七草が終わると、節分をイメージさせて、
「劇激変」を試みる。
この入口のあたりの照度を抑えたところが、
とても良い。
入口正面には、特売ボリューム陳列。
「安さ」を前面に出す。
卵1パック90円。
サミットは、ハイカラなイメージをつくりあげ、
中の上あたりにスポットを当てたように見える店だが、
それが実は、地域一番のマスを相手にすることになる。
だから「低価格」を主張するところは、大胆に主張する。
そして青果部門を望む。
このくらいの暗さがよい。
商品が浮き立つ。
トマト売り場も御覧の通り。
キャベツ売り場もキャベツの芯がそろえて陳列されると、
商品が訴えてくる。
何かと、「言葉」の多いスーパーマーケットが増えたが、
何よりもまず商品自身が語りかけなくてはいけない。
そしてそれを補完するのが言葉による情報である。
ネギの平台陳列。
これも同様。
「商品が語る」
この店では、「地場野菜」を充実させた。
神奈川は野菜の産地である。
鮮魚売り場は、アイランド方式で、「調理承り」。
名づけて「お魚キッチン」。
スペース効率、人件費効率など、
批判の向きもあろうが、
それを上回る顧客満足と粗利益高が生み出されれば、
むしろ効果は高い。
「効率より効果」である。
鮮魚部門では、特にマグロ売り場を強化。
顧客を吸引する力抜群。
お肉の下ごしらえコーナー。
この丁寧な説明の入ったコーナーがいい。
丁寧な説明は、それだけで「差異性」を表現している。
半調理品など。
コーナーをはっきりととって、
わかりやすい売り場づくりだ。
ステーキ半額セールを展開。
生鮮食品の圧倒的な売り込みの時には、
①価格を思い切って下げる。
②品質・グレードを普段より落とさない。
③デモンストレーターをつけて積極試食販売にかける。
この三つ。
そして食べてもらう、
買ってもらう。
地場の相模ハムの平台展開も同様。
デモンストレーターをつける。
店舗中央を走る冷凍食品売り場。
床の「ウェット・ルック」はアメリカの優秀スーパーマーケット並み。
床がぬれたように輝くこと。
いかが?
サミットストア。
<前編はここまで、後編は結局月曜日に続くことに。お許しを。結城義晴>