1月22日、東京・京橋。廣田正さんと、「ざくろ」で昼食。
寒い日本の冬に、しゃぶしゃぶ。
廣田さんは、日本第一の食品卸売企業「菱食」相談役。
食品業界、流通業界で知らぬ者なし。
当然のこと。
私は、このブログでも、月刊『食品商業』の対談でも、
何の迷いもなく、書いた。
「廣田の前に廣田なく、廣田の後に廣田なし」
あの廣田さん。
私が、㈱商業界を卒業し、独立したことに対して、
慰労し、祝福してくださった。
廣田さんに、励まされて、
私、向かうところ敵なし、の気分に舞い上がった。
廣田さんと菱食には、
かつて㈱商業界は大変に、お世話になった。
コラボレーションで、
社会的に意義のある事業をやったこともある。
だから商業界の社内外の事情についても、
廣田さんは詳しい。
私の気持ちを、実によく理解してくださっている。
本当に、ありがたい。
私は、廣田さんの前に出ると、心から素直な心境になる。
私の主張する「商業の現代化」。
新しい会社のネーミングとコンセプト。
その会社で展開する事業のこと。
しっかりと聞いてくださった。
廣田さんに話し、聞いていただいているだけで、
自信がみなぎってきた。
さて、その廣田語録。
「かつてない大きな変化の時代です」
廣田さんの口からこの言葉が出ると、
ズシンときて、納得させられる。
経団連の理事を長いこと務めていらっしゃる。
その経団連での情報交換からも、
「世界的視野を持つことが大切です」
「その意味で、中国はこれから大変です」
「今から、アメリカの中間流通に関する研究をしてみたい。
ブローカーの機能がどうなっているのか、など」
いまだに、好奇心旺盛。
意欲満々。
現在の、川上インフレ・川下デフレに関して。
「小売業さんが、自ら、
価格をお決めになる、
とおっしゃる。
それは正しい。
しかし、最後に、
価格をお決めになるのは、
お客さまです。
これはもう、はっきりしている」
正論。
反論の声なし。
私も、昨秋からの製品値上げに関して、
「最終的には顧客が売価を決める」
と考えている。
このブログでも書いた。
ここで、便乗値上げは許されない。
断じて。
さらに、正当な理由を、明らかにしつつ、
顧客の納得する値上げがなされたならば、
「本当の原価とコスト構造」が明確になる。
これは、小売業にとっても、卸売業にとっても、
意味のあることだと思う。
「私は平成元年に、
56歳で社長になりました。
それから14年、社長を務めました。
その後、会長職を。
都合、19年になります」
「会社を大きくすることは、大変難しい。
しかし大きくしなければできないことが、
たくさんありました」
これは、やったことのある人にしか、できない発言。
最後に日本の政治について。
「道州制が日本のマーケットにはふさわしいのではないか。
その意味でも、政治の役割が大切です」
卸売業の今後、
そして利益を上げ続ける卸売業の勘どころなど、
話は具体的に進んだ。
私は、豊かな気分になった。
心がホカホカしてきた。
なんだか、京橋から銀座あたりまで、
駆け出したい心持ちになった。
ありがとうございました。
でも、また明日も廣田さんにお会いする。
来月も。
なんだか以前より、
お会いする機会が増えそう。
そのたびにいただく「ズシンとホカホカ」。
ありがたい。
<結城義晴拝>