毎日書いている。
私たちの会社設立への
カウントダウン。あと1日。今日で、2008年1月が終わる。ウォルマートの決算も、
あと1日。
ウォルマートは、株式会社として、
最後の追い上げに強い会社である。
伝統的に。
日本のスーパーマーケットでは、
ヤオコーがこれにあたる。
10年連続、20年連続、30年連続で、
増収増益を果たす会社などがある。
こういった会社は、
第1に、リスク志向ではなく、
チャンス志向。
一発逆転を狙うのでなく、
常に機会損失のない行動をとる。
第2に、危機が訪れても、
全員一致で
窮地に立ち向かう。
だから最後の1カ月、1週間が強い。
あるいは第4四半期に強い。
突発的な事件に強い。
「リスクマネジメント」ができ上がる。
この二つがあるから、
何年も増収増益といった難しいことを可能にする。
伊那食品工業㈱。
塚越寛会長の言葉。
「企業とは、年輪のようなもの」
環境が良ければ、樹木の年輪は大きく輪を描く。
環境が小さければ、締まった細い輪を描く。
年輪を見るとそれがよくわかる。
しかし毎年毎年、年輪は必ず外側に描かれる。
これが、会社です。
私も、こんな会社がつくりたい。
良い仕事のできる良い会社にしたい。
明るくて、小さくて、生き生きした会社にしたい。
「小さく、狭く、濃く、深く」
私の持論。
英語では、“Deep & Narrow”という。
これは専門性のあり方を言っている。
スペシャルティを表現している。
小さい店、小さい会社は、とりわけ、
専門性をもたねばならない。
この分野のこれにかけては、ナンバーワン。
会社には、それが必要だ。
工業やインターネット事業であるならば、少なくとも日本一、
今では世界一でなくてはいけない。
小売業やサービス業では、地域一番。
コンビニのような小さな商圏の店舗ならば、
500メートル圏内で一番。
百貨店のような広域商圏の店ならば、
100万人のエリアで一番。
スーパーマーケットならば、
5万人から3万人の商圏内で一番。
さて、私の会社は、どんな商圏設定で一番がいいのか。
それが、私たちのスペシャルティ。
私は、いったい何の一番なのか。
それが私のスペシャルティ。
あなたは、何の一番なのか。
それがあなたのスペシャルティ。
私の「小さく、狭く、濃く、深く」
あなたの「小さく、狭く、濃く、深く」
「企業年輪説」を唱える伊那食品工業は、
寒天の生産で、日本の80%を占める。
だから、「企業年輪説」を断じることができる。
しかし、個人でいえば、
何かの一番を過剰に意識することもない。
私は、私でしかないし、
あなたは、あなたでしかない。
私とあなたの違い、私たちのそれぞれの差異性こそ、尊いものだ。
だが、会社となると、利益を上げ続けなければ、
存続できない。
永続するために、
何かの一番、あるいは二番くらいに、
ならねばいけない。
会社とは、面白いことに、
個性ある一人ひとりの人間が、
一致協力して、
何らかの一番を目指すものなのだ。
さて、それなのに、
中国の食品会社「天洋食品廠公司」製造の冷凍ギョーザ事件。
日本たばこ産業の子会社「ジェイティフーズ」の商品から中毒が発生。
しかし、この「天洋食品」とは、
味の素、日本ハム、加ト吉、江崎グリコなど、
名だたるメーカーが取引をしていた。
「安い」と評判になると、殺到する。
「品質管理」をさておいて。
ものみな上がる「値上げ」潮流の中で、
コモディティグッズは、価格を抑える作戦。
冷凍食品はその代表選手。
3割引、4割引が日常化している。
だから世界中に安さを求めて、取引の網を広げる。
しかしそこにも、「安全管理」は必須である。
「安全管理」の一番を目指す。
これは、大いにあり。
人々から信頼される。
そして、毎度繰り返される事件発生後の、処理。
この面の「リスクマネジメント」も、
会社として、一番を目指す価値があるテーマではある。
いま、「中国製品」に対するわが社、わが店なりの姿勢は、
明白にしておかねばならないし、
ここは、「自社の品質基準」を鮮明にする機会
ととらえるべきだろう。
<結城義晴>