結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2008年01月24日(木曜日)

全国セルコグループ新春賀詞交換会の発言集

1月は、様々な協会やグループの新年会・賀詞交換会が、
連日繰り広げられる。
23日は、新横浜ホテルで、
全国ゼルコグループの新春講演会と賀詞交換会。

全国セルコグループは、
小売主宰スーパーマーケットのボランタリーチェーン。
60社、693店舗、約6500億円の年商。

私は、このグループの機関誌「セルコレポート」に、
もう10数年も連載記事を書いている。
「スーパーマーケット経営と運営への進言」というタイトル。
ずっと続いているし、
メーカーの方からよく、
「セルコレポート読んでます」と
声をかけられるので、
好評なのだと思う。

さて、最初に昨年5月に新理事長に就任した佐伯行彦さんの、
元気なあいさつ。
佐伯行彦
「やるべきことがやられていない。
やるべきことをやれば、
十分に伸びるし、生き残れる」
力強い。
このグループは、
問題を自己に引き付けて解決しようとする。
そこが良い。

経済産業省、農林水産省からの挨拶の後、
お取引先企業からの連続スピーチ。
毎年、この会の、売り物(?)。
私、楽しみにしている。

一言ずつに集約して、お届けしよう。
まず、国分㈱代表取締役会長兼社長國分勘兵衛さん。
国分さん
「経営環境も激変の時代ですが、
みんなが協力しなければなりません」

㈱菱食
相談役廣田正さん。
そう、昨日のこのブログに登場いただいたあの廣田さん。
廣田さん
「結束が大事、1兆円の売り上げがあっても、
これがなければ駄目です」

日本アクセス代表取締役社長の吉野芳夫さん。
吉野芳夫さん
「製配販三層の連携で、
適正な価格での、
あるべき食品流通を成し遂げるとき」

三井食品㈱代表取締役水足眞一
さん。
水足さん
「老壮青三層の協力で、焦りは禁物」

日本の食品流通を代表する4人の皆さんの発言が、
すべて「協力、結束、連携、三層」。
背景にはイオンをはじめとする大手チェーンの動向がある。
とりわけてイオンの。
そして製品値上げ問題がある。

乾杯の音頭は、前理事長で、理事相談役に就任した平富郎さん。
平さん
「景気のせいにするのは、経営者にとって楽なこと。
自分自身の心の持ちようが一番大事です」

平さんの哲学が、今、全国セルコグループのポリシーとなっている。
それを実践、実行できるか否か、
結果として実現できるかどうか。
それが問われている。

乾杯の後、さまざまな方々と交流。
楽しかったし、充実した時間だった。

パーティの前に講演した㈱良品計画社長松井忠三さんには、
昨年の商業界ゼミナールのトリの講演を務めていただいた。
松井さん
勢いに乗っている会社が、失速し、
それをまた勢いに乗せるのは、
最初の勢いをつくるよりも労力がいる。
松井さんはその大仕事を成し遂げた。

國分さんとは、国際情勢について議論。
国分さんと
中国と大中華圏の動き、
インド・オーストラリア・シンガポール・イギリスの
ユニオンジャック・アローの話、
食品流通の革新に、世界的な視野は欠かせない。

最後に、平さん。
大変な読書家で、いつも勉強を怠らない平さんには、
頭が下がる。
平さんと
佐伯さんという良い後継者を得た全国セルコグループは、
しかし、まだまだ平さん抜きには語れない。

まだまだ平さんを休ませてはならない。
私見、お許しを。

<結城義晴>

 

2008年01月23日(水曜日)

菱食相談役・廣田正の「価格を決めるのはお客様」論

1月22日、東京・京橋。廣田正さんと、「ざくろ」で昼食。
廣田正さん
寒い日本の冬に、しゃぶしゃぶ。

廣田さんは、日本第一の食品卸売企業「菱食」相談役。
食品業界、流通業界で知らぬ者なし。

当然のこと。

私は、このブログでも、月刊『食品商業』の対談でも、
何の迷いもなく、書いた

「廣田の前に廣田なく、廣田の後に廣田なし」
あの廣田さん。

私が、㈱商業界を卒業し、独立したことに対して、
慰労し、祝福してくださった。

廣田さんに、励まされて、
私、向かうところ敵なし、の気分に舞い上がった。

廣田さんと菱食には、
かつて㈱商業界は大変に、お世話になった。
コラボレーションで、
社会的に意義のある事業をやったこともある。
だから商業界の社内外の事情についても、
廣田さんは詳しい。
私の気持ちを、実によく理解してくださっている。

本当に、ありがたい。

私は、廣田さんの前に出ると、心から素直な心境になる。

私の主張する「商業の現代化」。
新しい会社のネーミングとコンセプト。
その会社で展開する事業のこと。

しっかりと聞いてくださった。
廣田さんに話し、聞いていただいているだけで、
自信がみなぎってきた。

さて、その廣田語録。
「かつてない大きな変化の時代です」
廣田さんの口からこの言葉が出ると、
ズシンときて、納得させられる。

経団連の理事を長いこと務めていらっしゃる。
その経団連での情報交換からも、
「世界的視野を持つことが大切です」

「その意味で、中国はこれから大変です」

「今から、アメリカの中間流通に関する研究をしてみたい。
ブローカーの機能がどうなっているのか、など」
いまだに、好奇心旺盛。
意欲満々。

現在の、川上インフレ・川下デフレに関して。
「小売業さんが、自ら、
価格をお決めになる、
とおっしゃる。
それは正しい。
しかし、最後に、
価格をお決めになるのは、
お客さまです。

これはもう、はっきりしている」

正論。
反論の声なし。

私も、昨秋からの製品値上げに関して、
「最終的には顧客が売価を決める」
と考えている。
このブログでも書いた。

ここで、便乗値上げは許されない。
断じて。

さらに、正当な理由を、明らかにしつつ、
顧客の納得する値上げがなされたならば、
「本当の原価とコスト構造」が明確になる。
これは、小売業にとっても、卸売業にとっても、
意味のあることだと思う。

「私は平成元年に、
56歳で社長になりました。
それから14年、社長を務めました。
その後、会長職を。
都合、19年になります」

「会社を大きくすることは、大変難しい。
しかし大きくしなければできないことが、
たくさんありました」

これは、やったことのある人にしか、できない発言。

最後に日本の政治について。
「道州制が日本のマーケットにはふさわしいのではないか。
その意味でも、政治の役割が大切です」

卸売業の今後、
そして利益を上げ続ける卸売業の勘どころなど、
話は具体的に進んだ。

私は、豊かな気分になった。
心がホカホカしてきた。

なんだか、京橋から銀座あたりまで、
駆け出したい心持ちになった。

ありがとうございました。

でも、また明日も廣田さんにお会いする。
来月も。
なんだか以前より、
お会いする機会が増えそう。
そのたびにいただく「ズシンとホカホカ」
ありがたい。

<結城義晴拝>

2008年01月22日(火曜日)

新宿・伊藤園、神田・セル協、銀座・勇気会とフォーマット転換

大寒の21日、日中、東京に雪は降らず。
天気予報は、はずれ。
雪が降らないことに、
みな、少しがっかりした様子。

商人も、天気の神様が与えてくれるはずのご利益を失って、
がっかり。
しかし、商人は、すぐに立ち直って、
がっかりした模様のお客様の心理を捕らえて、
商売のチャンスに変える。

それが商人、それがビジネスマン。

さて、私は新宿へ。
『食品商業』誌の伊藤園大陳コンテスト審査委員会。
審査に励んだ。
伊藤園審査会1

審査委員は、本庄大介伊藤園代表取締役副社長、
江島祥仁副社長(写真右)、
本庄周介常務取締役。
それに山本恭広『食品商業』編集長(写真左)。
私は、ずっと審査委員長を務めている。
伊藤園審査会2
この大陳コンテスト、
私はレベル、スケール、賞金、
どれも日本一だと自負している。

応募店舗数8172店。
北海道から九州まで、全国からの参加。
米国カリフォルニアからの応募まである。

グランプリ賞金300万円。
皆さんも、次の機会(2008年春)には
どうぞご参加ください。

そして何より、
参加店舗、参加企業のプレゼンテーション技術が、
極めて高い。

これまで、伊藤園特製の「陳列技術ハンドブック」などつくって配布し、
技術向上に努めてきた甲斐があるというもの。

その陳列の基本。
お客様にとっては、
①近づきやすい
②見やすい
③選びやすい
④とりやすい
⑤戻しやすい

店にとっては、
⑥並べやすい
⑦積みやすい
⑧補充しやすい
⑨直しやすい

ただし、コンテストとなると、
ハレの陳列であるから、
これは大掛かりなものになる。
デフォルメが許される。

今回の、「2007年秋の大陳コンテスト」の結果は、
伊藤園から発表される。
お楽しみに。

ちなみに、2007年夏まつり大陳の「グランプリ」、
イズミゆめタウン浜田店の売り場づくり、ご覧ください。

その後、すぐに、神田へ。
日本セルフ・サービス協会へ。
三浦正樹専務理事とミーティング。
2008スーパーマーケットトレードショーへの準備、万端。

そして夕方、銀座。
パチンコ・チェーンストア協会で、
「勇気会」。
私の名前を取って「ユウキカイ」。

『パチンコホール・ビジネスレビュー』誌、
その編集委員会と新年会。
昨年秋の、新基準機への転換という危機から始まって、
この世界にも優勝劣敗の淘汰が訪れている。

昨年12月に成立した「貸金業法の改正」によって、
財務状態のよくない会社や店が、倒産の危機に瀕している。

これはパチンコホールにかかわりなく発生している現象。

もちろんだからこそ、
すべての企業、すべての店が、
自己資本比率を高め、
キャッシュフロー経営に持ってゆく必要がある。
根本問題に取り組まねばならない。

その前に、応急手当てが、
どうしても必要なところが出てきている。

昨夜集まってくれた編集委員の企業では、
まるで問題にもならない現象だが、
雑誌のテーマとしては重要。

「1円貸し玉営業問題」は既存店対策なのか、
はたまたフォーマット転換問題なのか。

私は、後者であると主張し続けている。

小売業もフードサービス業も、
アミューズメント業もホスピタリティ業も、
10年に一度、15年に一度、
あるいは7年に一度、
業態フォーマットの転換をしなければならない。
それは、お客様が変わるからだ。
産業構造も変わるし、
法律も変わる。
競争状況も変わる。

だから時流にあわせて、
店舗フォーマットと営業の根本政策を見直さねばならない。

パチンコホールにとって、
今こそ、そのフォーマット転換のときだと思う。

勇気を持って、フォーマットの転換を進めよう。

考えてみると、私自身、
今、フォーマット転換に取り組んでいる。
その意味で、私も同志だ。

<結城義晴>

 

2008年01月21日(月曜日)

第2弾・サミットストア権太坂スクエア店ビジュアルスタディ

Everybody Good Monday!

大寒の今日に向けて、
天気の神様がプランを練ったかのように、
昨夜から、東京や西日本に雪。
今日は、関東地方もこの冬一番の寒さとか。

交通機関がマヒするというところまではいっていないし、
私は、季節に応じた天候になることは、
きわめて望ましいと考えている。

だから、思い切り商売しよう。
天気の神様のプレゼントを、
お客様に差し上げよう。

お客様は、変化を求めている。
変化したがっている。
しかし、日々の生活に関しては、
楽に変化させたい、
変化を楽しみたい、
そう考えている。

だから、天候の変化は、
商売する側にとっては、
大チャンス。

目一杯、寒さをお客様に感じていただいて、
世界中の、地球の、暖冬、温暖化という薄気味悪い気分を、
払拭させてあげる。

天気は、人間の力ではどうにもならないけれど、
天気の変化を、お客様に感じてもらうことはできる。
天気の変化を、楽しんでもらうことはできる。
天気の変化を、日本に住む喜びとしてもらうことはできる。

それが、あなたの仕事です。
それがあなたの、役目です。

Everybody Good Monday!

さて、ここで、
「サミットストア権太坂スクエア店」
ビジュアルスタディ
ビジュアルスタディの後編。

サミットは、年商1947億7500万円(2007年3月末現在)。
今期は2000億円を超える。
日本でも有数のオーソドックスなスーパーマーケットチェーン。
その標準化が貫徹された企業が、
標準化をベースにしたうえで、
イーチストア(それぞれの店、個店)が地域に向けて、
徹底的に対応する。

権太坂スクエア店の年商目標は29億6000万円。
私は、この商圏、この競合状態、
この店の充実ぶりをを見ると、
30億円は超えると思う。

そのサミット権太坂スクエア店のバックヤード。
368坪に生鮮・惣菜の加工作業場、在庫ストック場、
販促作業場、事務所、休憩室などが、完備されている。

ドライグロサリーのストックスペース。
ストックスペース1
通路に、白線が引かれ、
その中に定位置管理。
管理の良さが、作業の無駄を省く。青果部門のバックヤード。
ストックスペース2
右奥に、蘇生庫がある。
写真左右に、壁に向かって作業台があり、
カートシステムで加工処理した商品が売り場に運ばれる。
作業とカートが連動している。
青果作業
作業は、できるだけペアシステムで行われる。
二人ひと組。
これが、能率的な仕事になる。

二人ひと組。これが、能率的な仕事になる。刑事の捜査から、漫才。
そして小売業の棚卸まで、
ペアシステムは、仕事を行う上での原則である。
早く、正確な作業ができる。

関西スーパーが開発したバックルームシステムが、
原則通りに採用されている。
鮮魚部門の作業場。
白線で作業スペースと動線スペースが仕分けされている。
ba
右側に、向かい合った調理台2台のセットが、2セット。
そして冷蔵庫。

最近は、鮮魚の調理もみな、パートタイマーの仕事。
調理作業
私など、隔世の感あり。
これもペアシステムの一種。
向かい合って仕事すると、競争心も芽生える。
技術の向上も進む。
たっぷりととられた作業しやすい空間と設備。
これがサミット権太坂スクエア店の心臓部である。

売り場はコの字型に主通路が設定され、
壁面沿いは青果、鮮魚、精肉、惣菜。

内側に、和洋日配品、
中央を冷凍食品をアイスクリーム。

あとは加工食品、日用雑貨、酒。
インストアベーカリー。

写真は、鍋調味料のゴンドラエンド。
鍋メニューエンド

飲料の箱売りエンド。
箱売りエンド

当然、定番売り場にも飲料の箱売りが陳列してある。
箱売り定番
サミットは、単品量販のスーパーマーケットなのである。

その飲料は、冷蔵ケースで、冷やして売るというサービスも行う。
飲料売り場
98円コーナーである。
「毎日うれしいこの価格」とある。
エブリデーロープライス。

売り場には様々な仕掛けがなされている。
メールプロモーション
その一つが、「メールチラシご案内商品」
チラシはもちろん、
メールチラシで顧客にお知らせした販促商品は、
必ず、売り場で目立つように、わかりやすく、
顧客へ訴求しなければならない。

売るためではない。
お客様とのお約束、なのである。

「サミットセレクション」のパネル。
セレクション
「おいしさ、原材料、製法などにこだわった厳選商品です」とある。

「厳選商品」という言葉を使ったならば、
これも、「必ず」「厳選」であることをお知らせし、
守らねばならない。

店舗右手は、惣菜コーナー。
サラダは、これからの惣菜の中核となる売り場。
サラダコーナー
この店では、惣菜部門の最後にあり、ベーカリーにつながっている。

弁当売り場には、「揚げ物入っていない弁当揃ってます」とPOPがある。
揚げ物抜き
もちろん同じシールのついた商品は、欠かせない。

その油を使った天ぷら・かき揚げコーナー。
キャノーラ油
「キャノーラ油を使っています」と表示してある。

「今週の揚げたて・作りたて商品」
予告
にぎり寿司、フライ・餃子、かつ、コロッケ。
最終の出来上がり時間をお知らせしている。

売り場の最後に、「私の喫茶室」と名付けられた飲食・喫茶コーナー。
フードコート

サミットストア権太坂スクエア店。
冷蔵ケース174台(6尺換算)、ゴンドラ412台(3尺換算)。
1万1929アイテム。
正社員26名、パートタイマー62人。

間違いなく、現在の日本を代表するスーパアマーケットである。
ますますマーチャンダイジング力がついてきている。
商品に関して、顧客は「もっともっと」と要求を高めてくる。
それに対応し続けるのが、スーパーマーケットの役目ではあるが。
ファサード
横浜まで来て、実際に、店の姿を見ることができない方は、
来年の正月、箱根駅伝花の2区と9区をご覧いただきたい。
外観だけは見ることができる。

<結城義晴>

2008年01月20日(日曜日)

ジジの追憶[日曜版]

ボクが生まれたのは、
2005年、3月。
横浜・保土ヶ谷のヤマダ家。

みつごでした。
ボクたちのばあい、
あたりまえ。
ジジ誕生8
みぎが、ミルキー。
まんなかが、ヘーゼル。
そして、
ひだりがボク。
ジジ。
ミルキーとヘーゼルは、
おんなのこ。
ボクだけ、
おとこのこ。
母さんのなまえはミント。
父さんは、
ジンジャー。
母さんはぼくを
ジジ誕生2
とても
かわいがってくれました。

ボクを、
だっこして、
ボクのかおや
ボクのからだを
なんどもなんども、
なめてくれました。

ジジ誕生5
きれいな母さんです。

母さんの右下に、
くっついて寝てるのがボクでした。
ミルキーやヘーゼルと
いつも一緒でした。

生まれてから2カ月して、
母さんや姉妹たちとはなれ、
ボクは、
おなじ横浜の北の方にある
ユウキ家にいきました。

そこに、ユウキヨシハルさんが、
いました。

いまやボク、
母さんやミルキーやヘーゼルと
ユウキヨシハルさんの
みわけ、つきません。

にんげんも、
ねこも、
みんなおんなじに見えるんです。

にんげんも、
ねこも、
みんなすきです。

そして、
ボク、
いまも、
とてもげんきです。

でもこのころは、
ジジ誕生6
ぼくだけもらわれていくこと、
しりませんでした。

<『ジジの気分』(未刊)より> 

2008年01月19日(土曜日)

日本チェーンストア協会賀詞交換会と学習院マネジメントスクール

本格的な寒さがやってきている。
受験シーズンも。
私の娘も、今日はセンター試験。
結果を恐れず頑張れ、と心の中で、祈る。

「頑張れ」と直接行ってしまうと、
逆にプレッシャーになってしまうことが多い。
「頑張れ」は、従って、使い方に気をつけねばならない言葉。
自戒を込めて、気軽に使いすぎるようだ。

さて、今日は2部構成の予定だった。
第1部は、昨日の行動日誌。
第2部は、昨日の連載の「サミットストア権太坂スクエア店」後篇。
しかし、予定量をはるかに超えてしまったので、
申し訳ないが、「サミット」は来週月曜日に飛ばすことに。
期待して待っていてくださった皆さんには、お詫びします。
ちなみに明日は、「ジジ」の登場なので。

昨1月18日、12時半から、東京・グランドプリンスホテル赤坂で、
日本チェーンストア協会新年賀詞交換会。
協会加盟企業トップ・幹部をはじめ、
日本の消費財産業の製・配・販のほとんどが集まる会合。
もちろん商工族の政治家も、官僚も、ジャーナリストも。
日本チェーンストア協会
林紀男協会会長(イズミヤ社長)は、
ドル安円高の国際経済から、
原材料の値上げ問題まで概括したうえで、
「経営努力」を強調した。

私もそう思う。
取り分けて2010年までの「経営努力」が、
とくに日本チェーンストア協会のメンバー企業には、
重要な意味を持つ。
重大な重みを持つ。
生死を分けるほどに。

乾杯の発声は、カゴメ社長の喜岡浩二さん。
カゴメは「ブランド価値経営」を推進しているが、
私は、グローバルマーケットに持って行って、
価値ある個性を主張できる日本メーカーの一つが、
カゴメだと見ている。
キッコーマン、伊藤園、カゴメか。

さて、懇親会では、たくさんの方々に、新会社設立のご報告。
例によって、チェーンストアトップには、
竜巻のように御挨拶の人の行列ができていて、
長話はご遠慮したが、
それでもちょっとお話させてもらったのは、
大高善興ヨークベニマル社長、
夏原平和平和堂社長、
清水信次ライフコーポレーション会長、
春日哲夫相鉄ローゼン社長、
大創産業矢野博丈社長といった面々。

矢野さんは「近頃めっきり酒が弱くなったが、行こうよ」
誘ってくれた。
お付き合いします。とことん。
会社設立したら。

イオン岡田元也社長には一番最後まで、
マスコミの、いわゆる「ぶら下がり」がついていたので、目礼程度。
セブン&アイ・ホールディングス鈴木敏文会長にも、
ジャーナリストの輪が出来上がっていた。
こちらも、目礼で恐縮。

そのほかにも、多くの方々とお話、ご挨拶。
多謝。

 

その足で、湯島天神へ。
娘の合格祈願。

 

すぐに、目白、学習院大学創立百周年記念会館へ。
学習院マネジメントスクール。
「DSCM基礎コース 2007年秋講座 成績発表会」。
学習院

4つのチームに分かれた受講生が、研究成果を発表する最終講座。

実に、確かな研究で、内容も面白かった。
チーム松「製版のコラボレーションを成功させるには」
チームうさぎちゃん「リアルとネットの複合型次世代売り場のありかた」
チームCS「ネット販売でのCS追求と成功パターン」
チームNCKK「ネットスーパー台頭による流通革命!(仮)」
という、研究テーマを掲げて、30分ずつの成果発表。

「ネットスーパー」に高い関心が寄せられ、
それが研究対象になっていることに、
私は、興味がわいた。
勉強にもなった。

シーコムス㈱代表取締役関口寿一さんが指導教員。
太陽システムテクノロジー取締役執行役員専務松川孝一さんが、
各チームごとの講評。
そして私が、全体講評。
私は、いつもの「辛口応援」。

しかし、ネット販売において、
専門店は成功事例を多く有する。
アマゾン・ドットコムのような。
スーパーと称される品揃え型総合店は、
イギリスのテスコの成功例を持つが、
それもリアルとネットの複合型。
「テスコ・ドット・コム」には、イギリスの全世帯の96%が加入している。
ウォルマートは、ネット販売で、アップグレード市場を探索した。
ネット販売は、リアルのための補完機能となるのか。
それとも水先案内人となるのか。
別次元の可能性を持つのか。

当然ながら、次元の違うご利益を提供してくれるものであることは、
間違いない。専門店が担当している領域では。
では、「総合品揃え業態の領域はではどうなのか」
時間軸・地域軸、さまざまな軸を設定してみるとよい。
ここには「リーチ」と「リッチネス」の概念も必要となるだろう。

「ネット」と「スーパーマーケット」との融合が、
面白いテーマ資源そのものとなる。

それは現代人のライフスタイルを読み取る行為となるからだ
一度、よく考えて、書いてみたいテーマだ。

最後は、学習院マネジメントスクール校長上田隆穂教授が、
講義風ご挨拶。
途中から黒板を使っての熱の入ったお話。
さすがの内容。

そして懇親会。
学習院生涯学習センター長湯沢威教授の御挨拶。
マネジメントスクール
製・配・販の若手が学習院マネジメントスクールという場で勉強しつつ、
コラボレーションを試みる。
日頃の仕事から飛躍し、自分の立場をわきまえつつ、
それを乗り越えようとする。

そこに、さらなる可能性が生まれる。

今年、5月から「2008DSCM基礎コース春講座」が始まる。
今回は、私は最初の講義「概論」の予定。
乞う、ご期待。

今日一日は、製・配・販の中に身を置いた。

私は、
三者のコラボレーションの次に、
ハーモニーが来る、
と言っている。
しかしその前に、淘汰がある。

美しいハーモニーは、
無駄なものをそぎ落とし、そぎ落としして、
やっと出来上がるからである。

そこまで行かねばならない。
2010年までに。
コラボレーションは、実は第一段階なのだ。
<結城義晴>

2008年01月18日(金曜日)

サミットストア権太坂スクエア店ビジュアルスタディ

1月11日、オール日本スーパーマーケット協会(AJS)の店舗クリニック。
舞台は、昨年7月21日オープンの、
サミットストア権太坂スクエア店。ファサード
横浜市保土ヶ谷区、国道1号線沿い。
箱根駅伝の花の2区で、死闘が繰り広げられるあの権太坂。
私には、1991年、早稲田大学の櫛部静二選手がこの坂を登りきったあと、
急に朦朧とし始めた光景が蘇る。

しかしサミットの店は、朦朧とはしていない。
くっきりとしている。

売場面積754坪、バックヤード面積368坪。
総敷地面積2339坪。
2階に、家電のコジマ、
1階、レジの前にはハックドラッグが入っている。

今日は、この上出来の店を、
ビジュアル紹介する。

「知恵の共同仕入れ」を旗印にするAJSの、
その「知恵」の結集がサミットストア権太坂店に表現されている。

まず、店舗入り口。
七草が終わると、節分をイメージさせて、
「劇激変」を試みる。
この入口のあたりの照度を抑えたところが、
とても良い。

入口から1
入口正面には、特売ボリューム陳列。
「安さ」を前面に出す。
入口から3

卵1パック90円。
サミットは、ハイカラなイメージをつくりあげ、
中の上あたりにスポットを当てたように見える店だが、
それが実は、地域一番のマスを相手にすることになる。
だから「低価格」を主張するところは、大胆に主張する。
卵

そして青果部門を望む。
このくらいの暗さがよい。
入口から2

商品が浮き立つ。
トマト売り場も御覧の通り。
トマト

キャベツ売り場もキャベツの芯がそろえて陳列されると、
商品が訴えてくる。
キャベツ
何かと、「言葉」の多いスーパーマーケットが増えたが、
何よりもまず商品自身が語りかけなくてはいけない。
そしてそれを補完するのが言葉による情報である。

ネギの平台陳列。
これも同様。
「商品が語る」
ネギ

この店では、「地場野菜」を充実させた。
神奈川は野菜の産地である。
地場野菜

 

鮮魚売り場は、アイランド方式で、「調理承り」。
名づけて「お魚キッチン」。
鮮魚
スペース効率、人件費効率など、
批判の向きもあろうが、
それを上回る顧客満足と粗利益高が生み出されれば、
むしろ効果は高い。
「効率より効果」である

鮮魚部門では、特にマグロ売り場を強化。
マグロ
顧客を吸引する力抜群。

お肉の下ごしらえコーナー。
この丁寧な説明の入ったコーナーがいい。
丁寧な説明は、それだけで「差異性」を表現している。
ハンバーグ
半調理品など。
コーナーをはっきりととって、
わかりやすい売り場づくりだ。

ステーキ半額セールを展開。
ステーキ
生鮮食品の圧倒的な売り込みの時には、
①価格を思い切って下げる。
②品質・グレードを普段より落とさない。
③デモンストレーターをつけて積極試食販売にかける。
この三つ。
そして食べてもらう、
買ってもらう。

ハム
地場の相模ハムの平台展開も同様。
デモンストレーターをつける。

店舗中央を走る冷凍食品売り場。
冷凍食品
床の「ウェット・ルック」はアメリカの優秀スーパーマーケット並み。
床がぬれたように輝くこと。

いかが?
サミットストア。

<前編はここまで、後編は結局月曜日に続くことに。お許しを。結城義晴>

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