3月4日、東京・音羽。
地下鉄有楽町線護国寺駅を上がって、
㈱大木を訪問。
松井秀夫社長にご面会。
「大木の精神」の下で。
松井さん、医薬品業界の論客として知られる。
ズバリ、ズバリとものを言い、
バサリ、バサリと切ってゆく。
大木は、医薬品を中心に、
衛生雑貨、乳製品、健康食品などを扱う卸売業。
いわゆる中間流通を担う。
一般に中間流通の人たちは、食品でも衣料品でも、
川上と川下に挟まれて、
発言が慎重になる。
松井さんは、その中で、例外中の例外の人物。
食品業界では、菱食相談役の廣田正さんのような人。
といっても、松井さんには、廣田さん同様に、
豊富な情報量に裏打ちされた冷静な判断力がある。
だからこその、
ズバリ、ズバリであり、
バサリ、バサリなのである。
大木の発祥は、1658年(万治元年)、
江戸両国に創業した家庭薬製造販売業「大木五蔵圓本舗」に遡る。
歴史のある会社である。
食品で言えば、国分のような生い立ちを持つ。
1979年に株式店頭公開。
現在、約1000億円の年商。
「大木の精神」素晴らしい。
松井さんとの話は、㈱商人舎のビジョンとロマン。
私が一方的に話した。
そのうちに、話題は「クリティカル・マス」になり、
「範囲の経済」にスライドし、
「コモディティとノン・コモディティ」へと移行した。
松井さんは、日本では、
「コモディティ」は
価格力を発揮していないという意見。
私は、「範囲の経済圏では、コモディティは価格力を持つ」という見解。
「クリティカル・マスの概念は、
小売業・卸売業の統合を急がせることになる」(松井)
「それは納得」(結城)
「さまざまなメーカーのつくった素晴らしい商品がある。
今、店頭で顧客は、そのほんの一部しか見ることができない。
ほんの一部しか体験できない。
中間流通が、さまざまな小売業態に合わせて、
メーカーの商品をアソートメントすることで、
顧客はもっと豊かな暮らしができる。
それが中間流通の本来の機能です」(松井)
「中間流通の品揃えと調達の機能は、
世界に冠たるもの」(松井)
「賛成です。この議論がもっともっと、
表舞台で論じられなければならないと思います」(結城)
今度、㈱商人舎で、「中間流通の機能を問うセミナー」やりましょう。
松井さん、協力してください。
帰り際、松井さんの描かれた水彩画をいただいた。
心より感謝。
商人舎のオフィスに飾ります。
ありがとうございました。
<結城義晴>