2月末決算の企業は、
もう締め切って集計・調整に入っている。
3月末決算の企業は、
営業の追い込みに入っている。
決算は、会社の成績表。
みんな、いい成績で、
気持ちよく年度を終了してほしいものだ。
今年度をいい成績で卒業してほしいものだ。
しかし、その事業の成績や収益は、
経営層の仕事ぶりの成果によって決まるものではない。
事業総体の成果によって確定されるものだ。
そして、事業の成果とは、
その期間に行われた事業を、
意思決定したマネジメント層の仕事ぶりに左右される。
もちろんこれは大事なことだが、
経営は責任を持って継続されるべきである。
従って、意思決定が、
着実に現実に移されるという原則が守られない場合、
意志決定した経営層の仕事ぶりが無に帰することは起こりうる。
私の経験からすると、
かなり頻繁に起こる。
一つの重要な意思決定は、
確実に実行されなければならない。
実行されないのならば、
それに代わる有力な意思決定がなされなければならない。
代替案がなく、重要な意思決定が否定されていると、
そこには混沌しか訪れない。
さて、事業の成果は、
多くの場合、前任の経営層の仕事ぶりによって決まる。
本来、トップマネジメントの仕事とは、
明日のためになされるものである。
トップマネジメントの仕事ぶりとは、
いかに明日に備えた意思決定をするかということである。
ピーター・ドラッカー先生は言う。
「事業の将来は、
マネジメントの今日の仕事ぶりによって決まる」
そしてここには、4つの分野があるという。
「第1に投資である」
「第2に人事である」
「第3にイノベーションである」
「第4に(経営)戦略である」
トップマネジメントは、
4つの分野ごとに評価される。
それが決算であり、株主総会であり、
株式公開している企業では、
あるべき株価である。
第1に、マネジメント層は、
ROI(投下資本収益率)によって、評価される。
これは、数値の問題であるから、確実に把握することができる。
第2に、人事の成果は、実は評価不能事項ではない。
「かなり容易に評価できる」とドラッカーは言う。
第3に、イノベーションによる研究開発の成果は、
目に見えた評価も、数値による評価もできる。
そして第4に、経営戦略の評価は、
目標管理によって可能となる。
マネジメント層の目標管理である。
「期待したことは起こったか、
目標は正しかったか、
目標は達成されたか」
前任を否定するばかりのトップマネジメントからは、
破滅しか生まれない。
目標を設定しないトップマネジメントからは、
混沌しか生じない。
日本の社会にも、
日本の会社にも、
本物のマネジメントが
求められている。
<結城義晴>