入院、10日目となりました。
第1回手術から、1週間。
散歩する目黒川の桜も散り始めた。
この東邦大学大橋病院にお世話になって、
心より感謝しています。
満開の桜も楽しみました。
昨日書いたこと。
「知識社会と知識経営者、知識専門家」。
ちょっと難しく聞こえるかと、
心配になってきました。
先ごろ、あるところで講演をしました。
分かってくださる方も勿論、いらっしゃったのですが、
「あんな難しいこと知ってたら、商売なんかしていない」
という率直な声もありました。
私が、「クリティカル・マス」や「コモディティ」に関して、
時間が短かったにもかかわらず、
説明しようとしたことが原因でした。
私、大いに反省しました。
「知識経営者」「知識労働者」「知識専門家」
これも難しいのかもしれません。
どう説明しようか、よく考えてみます。
4月17日の「商人舎発足記念講演会」は4時間ありますので、
十分に解説できると、楽しみにしています。
ピーター・ドラッカー先生は、「知識社会」の知識に関して、
『ポスト資本主義社会』のなかに、このように書いています。
「夕食に招く客には教養のある人がよい。
だが、砂漠では教養のある人はいらない。
何かのやり方を知っている人がよい」
「マーク・トウェインが1889年に書いた小説の主人公、
コネティカット出身のヤンキーは教養ある人間ではなかった。
ラテン語もギリシャ語も知らず、
シェイクスピアを読んだこともなく、
『聖書』もほとんど読まなかった。
しかし彼は、機械のことなら、
電気を起こすことから電話機をつくることまで
すべて知っていた」
商売のこと、
商品のこと、
お客様のこと、
これらをよく知っている専門家。
それが、
知識社会の「知識商人」
です。
そして、
その専門知識に応じて、
体を動かして、
お客様のために動くことができる。
実行することができる。
それが「知識商人」です。
いかがでしょうか。
私の主治医は、
東邦大学医学部教授の富田剛司先生です。
プロフェッサーと言います。
執刀してくれたのが、北善幸先生。
こちらはドクターと呼ばれます。
日本を代表する眼科の専門家。
緑内障や白内障、網膜剥離のスペシャリスト。
知識だけでなく、手術の腕も、確かなもの。
こういった先生方は、
もちろん医学全般の知識はある。
しかし、その面だけでは、
普通の医学人。
先生方が、社会貢献しているのは、
専門知識と専門技術によって、なのです。
これが今、偏見なく、どんな分野でも、
それぞれに高く評価されようとしている。
「商売の世界」
「お客様のために奉仕する世界」でも。
そのために、私たち自身が、
自分の専門性を高め続けなければならない。
自分の専門性に誇りを持たねばならない。
これを「志」と呼びます。
「志定まれば、気盛んなり」
今年の私の標語ですが、それが、
「知識社会」のなかの「知識商人」に、
つながっています。
私は、強くそう考えています。
もうすぐ、退院の日がやってきそうです。
<結城義晴>