今日は、みどりの日。
おやすみの日。
いちにち、のんびり。
ボクにとって、
のんびりというのは、
ねるということ。
だからボクは、
年がら年中、のんびり。
今日は、チェンバロのしたで、
すわったまま、のんびりしてた。
そしたら、ユウキヨシハルさん、
帰ってきて、ボクをおこした。
背中をまるめて、
のーび、伸び。
そして、ごはん。
おいしい。
「ねえ、ねえ、おとうさん。
今朝、どこ行ったの?」
「自由が丘だよ。
フェスティバル、やってた」
「スプリング・フェスティバル。
バザーみたいなのが、たくさん出てたよ.
路地に赤いじゅうたん敷いて」
「あしたは、どこ行くの?」
「ゴールデン・ウィークだけど、出張。
アメリカだよ」
「そうか、だから昨日の夜は、
一緒にいたんだ」
ボクが、ねてるのに、
帰ってきたら、
そばにきて、
横で、ねようとしました。
だから、ボク、おきた。
でも、あしたからまた、いなくなる。
さみしくはないけれど、
今日は、ずっと一緒にいましょう。
ボクは、マイペースで、
のんびりします。
今度は、チェンバロの上。
おとうさんも、
明日からにそなえて、
どうぞ、のんびりしてください。
ボクたちは、同志です。
のんびりライフをめざす同志なのです。
<『ジジの気分』(未刊)より>