5月5日、午後6時、成田空港を発つ。
ユナイテッド航空852便。
約9時間後、サンフランシスコ国際空港。
さらにユナイテッド1590便に乗り換え。
サンフランシスコから、1時間40分。
ラスベガスに到着。
到着ロビーには、待ち構えたようにスロットマシーン。
昨年の11月以来の米国ネバダ州・ラスベガス。
今回は、日本セルフ・サービス協会のツアーに、
エグゼクティブ・アドバイザーとして同行。
総勢44名。
私の仕事は、
コーネル大学リテール・マネジメント・アカデミーの打ち合わせ、
ツアー最終日の講演、視察レクチャー、取材といった内容。
こちらの時間で、午後4時、
協会会長の増井徳太郎さんとフラミンゴ・ラスベガスで落ち合う。
ご存じ、紀ノ国屋社長の増井さんは、
FMIのアジアでたった一人の理事。
昨日から、FMIの理事会に参加された。
FMIとは、フード・マーケティング・インスティテュートの略。
かつては、スーパーマーケット・インスティテュート(SMI)と言った。
スーパーマーケットの唯一最大の集合体だった。
それが外食産業を加えることで発展してFMIとなった。
米国最大で、ウォルマートからターゲットまで入会しているから、
世界最大の食品小売業の組織ともいえる。
日本でいえば、
日本セルフ・サービス協会と、
日本スーパーマーケット協会と、
全国スーパーマーケット協会と、
オール日本スーパーマーケット協会を、
一つにしたような組織。
そこに日本チェーンストア協会のメンバーも、
わき役的に参加している組織とでも表現したらよいのだろうか。
とにかく食品を扱う企業が、大同団結して集合した組織。
そのFMI最大のイベントが、毎年5月に開催されるFMIショー。
米国最大の食品フェアであると同時に、
世界中の食品産業、とりわけて食品スーパーマーケットに、
インパクトのあるトレンドを提案し、
国際会議でさまざまな問題解決を図ってきた。
しかし、FMIも大きく変わってきた。
会長のティモシー・ハモンズさんが今年で勇退。
従来、シカゴで開催されていた食品フェアも、
今年ラスベガスに移転したが、今回で終了。
来年はダラスで行われるFMIはコンベンションのみ。
それも、「教育」のコンベンション。
すなわち食品産業にかかわる人材を、
三層に分けて教育するセミナーが中心となる。
世界最大のsupermarket組織が、
商品から人に軸足を移そうとしているのか。
それは商品を公開するというイベントが、
あまり意味をもたなくなってきたからか。
コモディティグッズは、
改めてフェアで公開するまでもなく、
ノンコモディティグッズは、
公開されると意味をなさない。
アメリカのようにコモディティが明確になってしまった国では、
食品フェアは成り立たなくなっているのか。
それを確かめるのが、今回の私の目的のひとつ。
私たちが、コーネル・リテイル・マネジメント・アカデミーを樹立し、
「21世紀に人を残す」としたコンセプトは、
アメリカのFMIでも、同じ認識でとらえられているのか。
アメリカ食品小売業の
「現代化」の鍵を握るものは、
やはり人なのか。
実に興味深い、日本との同期ではある。
10日間にわたって、
米国FMIとスーパーマーケットの動向をレポートする。
乞う、ご期待。
<結城義晴>