FMIショー2008は、エキジビター600社。
米国最大の食品展示会といううたい文句。
ざっと、会場内を巡ってみる。
ホテルのコンベンション会場を使っているため、
全体に高級感がある。
床には絨毯が敷かれ、
それが色分けされて、
分りやすく、心地よい。
今回の話題のひとつ、
「ブルーマン」登場。
ハーシーのブース。
展示には、楽しさと工夫が必須。
コカコーラは、入口のベストポジッションを得ている。
出入り口が一つのため、絶好の位置取りということになる。
クーポンは、アメリカのスーパーマーケットの
強力な販促手段だった。
ダブルクーポンが乱発された。
しかしいま、見直しの時期に入っている。
その提案。
日本の㈱イシダからの展示。
吉岡典生常務とばったりお会いして、記念写真。
FMIジャパンの中間徳子さんと。
私たち、吉岡さんから、夫婦に間違えられた。
この会場で、ジャーナリストの金子哲雄さんご夫妻に遭遇した。
そのせいもあるかもしれない。
続いて、OKI。
生音楽入りのデモンストレーションで、
人を集めている。
ディマンドテック。
ソフトウェアの展示が多いのが特徴のひとつ。
商品は、ナショナルブランドメーカーが、
きちんと出展している。
コンテッサも、立派なブースをつくっている。
ひとめぐりしての感想。
食品展示会は、主に商品の現物をプロのバイヤーに提示する。
だから新製品、珍しい商品、変わった商品、
知られていない商品、地方の商品などが、
無数に集まってこなければ、
魅力がない。
プロのバイヤーにとっての魅力。
それが必要だ。
ヨーロッパの展示会には、それがある。
世界最大のドイツ・ケルンのアヌーガ。
フランス・パリのシアル。
珍しい商品、変わった商品、
知られていない商品、地方の商品などは、
誰がつくるか。
中小メーカーや産地である。
すなわち、食品展示会は、
中小零細生産者が、
最もコスト安く、
効果高く、
自分の商品を多くの人にお披露目する場でなければならない。
アヌーガやシアルには、それがある。
最近の日本のスーパーマーケット・トレードショーにも、
それがある。
FMIは、来年、ダラスで開催されるが、
「教育」のためにセミナー中心の展開である。
それは、食品産業、スーパーマーケットにとって、
「ひと」が何よりも大切であり、
だから人の教育に力を入れるためである。
しかし、アメリカでは、
巨大メーカーのナショナルブランドが強い。
そして巨大小売業のプライベートブランドも強い。
そうなると、展示会の意味が薄れる。
中小零細メーカーの商品は、埋没しがちだからだ。
中小メーカーの商品を、
こまめに、コツコツと集めるバイヤーが、
中小スーパーマーケットに存在すれば、
その店やその企業は役割を果たし、
個性をつくることができる。
巨大小売業の真似をして、
ナショナルブランドの安さ競争と、
プライベートブランド作りに明け暮れていると、
中小という存在価値がなくなる。
FMIショーから、私はそんな感想を抱いた。
さて、これからアメリカのスーパーマーケット、
どうなっていくのか。
私は、中小スーパーマーケットによる
ノンコモディティ経営戦略を信じている。
それはアメリカではもはや、
展示会に依存できないものなのかもしれない。
それがヨーロッパや日本との違いなのかもしれない。
<結城義晴>