昨5月21日は、昼前からずっと、
東京・虎ノ門のホテルオークラ。
夕方、4時には、オークラ本館で、
ヤオコー常務・大塚明さんと熱談。
大塚さんは、日本の流通業界でも、
その見識の高さ、人脈の広さ、
研究熱心さ、キャリア、
すべてに一流。
私が、一目も二目も置く人物。
ちょうど、この日の日本経済新聞・会社人事欄に
大塚さんの名前が載った。
会っている間にも、そのことで、
何度も大塚さんの携帯電話が鳴った。
このたび、㈱ヤオコーの顧問にご就任。
40歳から20年間も、ヤオコーの取締役を務められ、
同社の、まさに躍進を支えた。
19期連続増収増益は、
大塚さんが取締役に就任した2年目から、
始まった。
これ、大塚さん自身は絶対に口に出さない。
私が勝手に、ずっと認識していること。
大塚さんは、本当に謙虚な人だ。
ヤオコーという会社や、
川野幸夫会長、川野清己社長も、
実に謙虚だけれど。
私と大塚さんとの付き合いは、
ますます濃くなるし、頻度は高くなる。
業界の話、人物評、食料問題、行政のこと、
コーネル・リテール・マネジメント・アカデミーのこと。
話題は多岐に及んだ。
「本当にご苦労様でした」
まだヤオコーの顧問という職責は残っているけれど、
私はそう思った。
「一心を見れば、佛なり」
大塚さんの、一心さが、私の心に残った。
さて、大塚さんにお会いする前、
菓子卸NS研究会第24期経営方針発表会に、
来賓として参加。
こちらはホテルオークラ別館。
NSには、北(North)から南(South)からという意味が込められ、
New Needs Support Systemの頭文字をとってつけられた。
菓子卸売業の協業組織であるが「メーカー卸」を標榜している。
現在、会員年商約1300億円。
今期のスローガンは『英知結集・厳状変革』。
下里勝彦会長の基本方針挨拶から始まって、
5つの部会長の経営方針説明、
そして来賓の挨拶。
森永製菓㈱・矢田雅之社長、カルビー㈱中田康雄社長、
そして私、㈱商人舎社長・結城義晴。
私のスピーチは、
①潮目が変わったこと、
②原油高騰は、農産物価格の上昇と連動していること、
③アメリカでは原油価格が現在も、
1バーレル129ドルの最高値をつけていること
③だから製品値上げは止まらないこと。
④しかし2010年まで頑張ろうということ。
⑤そこまでいけば、次の地平が見えてくるということ。
そして3つの提案。
①川上インフレ・川下コモディティデフレに対応せよ。
そのためにコモディティとノンコモディティを区別せよ。
②グローカルに対応せよ。
NSはその中で、ローカルを重視せよ。
③心は燃やせ、頭は冷やせ。
第2部は、懇親会。
亀田製菓㈱田中通泰社長の来賓挨拶、
ロッテ商事㈱山内正典取締役の乾杯の音頭。
アトラクションは、NSグループ・ニューリーダーによる檄。
拳を振り上げて、スローガンを唱和。
これ、若い組織NSの意志を、一番よく表明していた。
最後に江崎グリコ㈱門奈俊夫取締役の万歳三唱で、
会は無事終了。
一般に卸売業は、極めて厳しい状況の中にあるとされる。
しかし、産業構造的な問題点を切り抜ければ、
そこには新しい社会的機能が生まれると、私は思っている。
「自ら、変われ!」
イノベーションのニーズは、卸売業にこそ切迫している。
逆説的な言い方だが、だからこそ、
卸売業にイノベーションが起こりやすいのである。
イノベーションに向かって、
「一心を見れば、佛なり」
<結城義晴>