1958年日本セルフ・サービス協会は発足した。
日本チェーンストア協会よりも、
ボランタリーチェーン協会や、
フランチャイズチェーン協会よりも早かった。
したがって日本では、
チェーンストアよりもセルフサービスの方が、
早く導入されたと認識することが出来る。
その日本セルフ・サービス協会50周年記念式典が、
ハイアットリージェンシー東京で開催された。
式典開催の前、朝10時から、
私たちは、ミーティングを持った。
コーネル大学名誉教授のジーン・ジャーマン先生、
オール日本スーパーマーケット協会会長の荒井伸也さん。
ご存知、荒井さんは、作家・安土敏としてご活躍。
このたび、我がコーネル大学ジャパンの主席講師として、
またまたご活躍いただく。
その名誉学長のジャーマン先生と、
主席講師・荒井さん(私は「ミスター・チーフ」と呼びたいが)、
そして日本側の代表として副学長を務める私の、
三人のミーティング。
もちろん事務局長の大高愛一郎さん、
FMIジャパンの中間徳子さんは、いつも一緒。
心から理解しあうことが出来た。
これで、コーネル大学と、
日本のスーパーマーケット大学構想は、一致を見た。
嬉しい。
さて、リハーサルを済ませてから、
記念式典の開演。
冒頭に記念ビデオの上映。
日本の小売業の歴史をおさらいするにふさわしい上出来の内容。
このビデオ、機会があれば、一度ご覧ください。
さて、最初のご挨拶は、協会副会長の中島元一郎さん。
50周年記念事業推進委員長。
来賓挨拶のあと、
50周年記念事業の発表。
協会会長の増井徳太郎さん。
次の50年に向けて、4つの事業が発表された。
そのひとつが、日本の産業内大学構想。
すなわちコーネル大学リテールマネジメントプログラム・オブ・ジャパンの発足。
6月から募集します。
今年のスタートは、10月3日。
1年間、70時限105時間のカリキュラム。
事務局長・大高愛一郎さんが発表。
続いて、記念パネルディスカッション。
主婦のパネラーの意見を存分に聞いて、
そこから次の50年に向けたビジョンの一端を導き出そうという趣向。
良品工房代表の白田典子さんがオブザーバー。
二本木智代さん、内田千栄さん、繁桝登喜子さん、
三人の主婦の本音を徐々に引き出す。
鋭い指摘、面白い発想、リアリティのある注文。
私がコーディネーターで、様々な意見をまとめていく。
1時間のパネルディスカッションは、
まさしく実のあるディスカッションが展開されて、終了。
大好評だった。
私は、パネラーの意見の数々が、
私の理論のボックスにすっぽりはまっていく快感に酔いしれた。
感謝。
そして式典の終わりは、
「新セルフサービス宣言」
和服姿の中村洋子副会長。
5つの新しいセルフサービス宣言は、
「セルフサービスをベストサービスにする」
そして「創ニッポン」
つまり新しい日本の消費社会を創り出していくことの決意表明だった。
休憩中に、アメリカFMIから寄贈された記念カップを、
抱いて、増井会長が記念写真。
まずは、協会名誉会長・横山清さんのご挨拶。
「悲観的に考え、楽観的に行動する」
それが未来を切り拓く。
いつもながら、ユーモアに飛んでいて、
それでいて胸を打つお話。
日本スーパーマーケット協会会長・清水信次さんのご挨拶。
日本の政治社会、産業社会を憂う話。
でも、そこから意志を持って改革しなければならないぞ、
という激励の心が溢れかえっている。
自ら行動する人の話には、説得力がある。
乾杯のご発声は、50周年記念事業推進委員会副委員長の国分勘兵衛さん。
推進委員会の皆さんが、全員壇上に上がってくださった。
和やかな宴会。
その途中で、伊藤雅俊さんが一言、ご挨拶。
セブン&アイ・ホールディングス名誉会長。
イトーヨーカ堂は日本セルフ・サービス協会会員である。
そしてあっという間に、中締め。
協会副会長・小苅米淳一さん。
「業界は新しい局面を迎える」
中締めは、意外にも大胆なご発言。
さて、いかに。
フィナーレは、協会会長・名誉会長・副会長の握手。
ありがたい式典と宴会だった。
次の50年に向けて、日本のスーパーマーケット産業が、
旅立った記念すべき日だった。
<結城義晴>