物価の優等生といわれ続けた鶏卵。
まず、ブランド卵から値上げされます。
全農たまごの「しんたまご」、
イセ食品の「森のたまご」等々。
ほぼ30円の値上げで、12%ほど。
最初にノンコモディティ・グッズが上がる。
コモディティの普通の鶏卵は、上げにくい。
鶏卵はまさに、工業型商品の典型。
しかし当然ながら農業型商品の要素も強く持つ。
しかしベーシック商品の鶏卵、
すなわちコモディティの値上げが、
次の段階として待っている。
ここで、「コモディティ寡占化説」によって、
いわゆるGPセンターの統廃合がさらに進むことになる。
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さて、7月22日、23日と、
東京・赤坂プリンスホテル五色館で、
恒例のペガサスクラブ政策セミナー。
706人の有料参加者。
凄いことだ。
渥美俊一先生は、私の両親と同年。
すなわち今年、8月に82歳を迎えられる。
お元気。
なんだか、原則に戻っていかれる気がする。
先日の商人舎特別研修会での講義でも、
それを感じた。
渥美先生が、理念を語る。
それが商人舎特別研修会だった。
今回は、「まさにリターン・トゥ・ベーシック」
それが「潮目の変わる時の対処の仕方」と、
渥美先生が語っているのだと、
私は受け止めた。
講義は、朝、10時から。
渥美先生は、初日4時間、
二日目、3時間。
都合7時間の講義時間。
癌を克服され、
完全復活である。
最初の講義は、311社の上場小売業・外食業・サービス業の、
2007年度決算評価。
先生は、総資本対経常利益率を重視される。
そのために、今回も、強調されたのが、利潤分配率。
すなわち粗利益に占める営業利益の比率。
利潤分配率は20%を目標として、15%以上を上げたい。
少なくとも10%は欲しい。
しかし20%を超える企業は35社、
15%を超え、20%未満の企業が32社。
フォーマット別に上場企業の平均経営効率を把握する。
最大と最小を把握する。
マークすべき企業の経営効率を把握する。
それを10年の時系列で把握する。
わが社の経営効率と比較する。
わが社の長所・短所が見えてくる。
経営は数字で把握する。
それを現場で確認する。
改善する。
時には手術する。
このくり返し。
潮目が変わるときこそ、
経営効率が変わる。
その数値を、あるべき方向に修正していく。
それが経営である。
現場で確認するときに、
部門別総括表をつくる。
部門別に、坪当たり営業利益を算出する。
これがすべての基本。
ウォルマートは、現在、
スーパーセンターの店舗を80に細分化して、
部門別管理を徹底しようとしている。
渥美先生の講義の根幹は、
この経営効率と現場把握にある。
潮目が変わる今こそ、
それが大切である。
私はそう感じ取った。
さて、夕方6時55分にセミナー終了後、
東京大手町の新丸の内ビルへ、急行。
ライフコーポレーション社長の岩崎高治さん、
しまむら専務の福真昭彦さん、
同取締役の森義夫さん、
そしてコンサルタントの高野保男さんと懇親会。
私の横から、岩崎さん、福真さん、森さん。
皆さんの会合に、私が割り込んだ形。
ここでも、しまむらに関する様々な話で盛り上がった。
しかし、当たり前のことをこつこつとやり遂げるのが、
しまむらの社風であることを、みな、再確認。
「細かいことの積み重ねなのです」
福真さん。
福真さんも森さんも、
しまむらが6店のときに同社に入社。
現在、1500店。
一桁から4桁まで、店舗数が増えていく経過を、
見続けてきた。
その上で、細かなことを、
こつこつとやり遂げていく。
それが大事という。
この言葉は重い。
私は、Retail is Detailの
サム・ウォルトンの言葉で結んだ。
本当は、「小さく、狭く、濃く、深く」の
結城義晴の言葉で結びたかったが。
感謝。
合掌。
<結城義晴>