結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2008年07月31日(木曜日)

コーネル大学RMPジャパン会議と山田邦弘さん来社で、故大高善二郎さんを思い出した

ニューヨークの原油先物取引価格が、
1バレル120ドルを割り込むところまで急落。
ドバイ原油は119円台に落ちた。
2カ月ぶり。

なのに日本のガソリンスタンドは、明日8月から値上げ。

後手後手に回る政策と対策。

ツケはみな、消費者に回ってくる。

その消費者を支えるのが商業、小売業、フードサービス業。
そして知識商人。

昨日は、東京神田の日本セルフ・サービス協会で、
コーネル大学RMPジャパンの打ち合わせ。
RMPは、リテール・マネジメント・プログラムの略。

10月3日、開校式。
10月3日は、栄えある「開校記念セミナー」
アメリカからジーン・ジャーマン先生が来日して講義をしてくださる。
さらにフリードマン・スーパーマーケットCEOの
ドクター・キャロル・ビッター女史も、
ウェグマンズ・カテゴリーマーチャントの吉野邦夫さんも、
貴重なレクチャーをしてくださる。

そして、極めつけは、
「日米ベスト店長のパネルディスカッション」
私が、コーディネーター。

来週、正式に発表します。

皆さん、聴講に来てください。
オープンセミナーです。

この会議でも、大高愛一郎さんが仕切ってくれて、大助かり。
大高さんは、コーネル大学RMPジャパン事務局長。
FMIジャパン事務局の中間徳子さんも丁寧なサポート。
もちろん、協会事務局の村尾芳久さんも頑張った。
協会事務局長の島原康浩さんの判断で、
ことがどんどん決まった。

このスピード感が、よいですね。

もっともっとスピードアップしましょう。

昼は、協会会長の増井徳太郎さんと五目中華そば。
青山店の世紀の大リニューアル真っ最中で、
超多忙のところ、協会の仕事に余念がない。

午後、急ぎ帰社して、横浜商人舎オフィス。

郡山から、山田邦弘さん来社。
1961年生まれの47歳。
どっしりとしていて、いい仕事が出来る人。

ヨークベニマルで、
経営企画総括マネジャーや店舗開発調査担当マネジャー、
商品本部コントローラー、店長などを歴任して、
現在、ミツヤマ コンセプト&プランニング代表。
つまり店舗プランニングのコンサルタント。

このブログの愛読者で、投稿者。

初めて合った気がしない。
山田さん
互いにそんな感じで、
2時間以上も語り合った。

そこで出てきたのが、
ヨークベニマル前社長の故大高善二郎さんの思い出。

コーネル大学RMPジャパン事務局長大高愛一郎さんの父上。

私は、善二郎さんからたくさんのことを教わった。
触発された。

そんな経営者だった。

現在のヨークベニマルの軌道を築いた人。

その大高善二郎さんの言葉の一つ。

「何とかしよう、なんとかしなければ」が
ないところでは、改革は進まない。
ギリギリに追い込まれて、
どうしようもない状況にならなければ、
人は変らない。
 

仕事のやり方を変えて、
成果につながった体験をさせる。
仕事の面白さを体験させる。

一人ひとりに力を付けさせることが、
リーダーの責任。
それが相手のためになる。
それが本当の優しさなのです。

「自ら、変われ」は、
ギリギリに追い込まれなければ、
起こりにくい。
だからギリギリに追い込む。
自分を、部下を。
それが優しさなのだ、と、
善二郎さんは言った。
こんな言葉遣いをする経営者を、私は知らない。

それが優しさなのです。

「日々の仕事が、自分を成長させてくれる」
善二郎さんはこうも言った。

仕事を通じて、自ら、変わる。

それが、成長なのです。

山田さん、ありがとう。

山田さんは、商人舎ファミリーで、
東北特派員となってくれました。
文章も達者、分析力もある。
立派な特派員です。

皆さんよろしく。

<結城義晴>

2008年07月30日(水曜日)

7月の終わりに6月の商業販売統計を見る<百貨店×、スーパー△、コンビニはタバコで○>

首都圏では、すごい雷と激しい雨。
社会が洗い清められるような印象。

我が家の愛猫ジジは、
ベッドの下の奥のほうに入り込んで、
震えていた。

街はすっきりとしていて、
さあ、新しい出発という感じ。

その昨29日、6月の「商業販売統計速報」が発表された。
経済産業省の商業動態統計調査の6月分速報値である。

卸売業全体の6月1カ月間の販売額は、
42兆1250億円で前年同月比5.1%増加。
小売業は、10兆9860億円で、0.3%増。

卸売業が好調で、
小売業はとんとん。

私がいつも問題にする卸売業と小売業の比率は、
3.83対1。
すなわち日本全体の卸売業の販売額が、
小売業の3.83倍であったということ。

小売業の既存店の前年同月比は、
「百貨店」が、7.3%マイナス。
「スーパー」が1.3%マイナス。
「コンビ二」は、4.0%のプラス。

これも何度も書くが、コンビニは、
タバコの売上げが6月も大きく貢献した。
弁当・惣菜など中食は、下降線をたどり続けている。

既存店ではなく、総売上げで見ると、
百貨店は、7.5%マイナス、
スーパーが、0.6%プラス。
コンビニは、5.7%のプラス。

コンビニ○、スーパー△、百貨店×。
これが6月の販売額のトレンド。

最大の理由は、衣料品の売れ行き動向。
百貨店は、12.9%減(既存店12.8%減)、
スーパーは、8.9%減(同9.8%減)。
コンビ二は衣料品を殆ど扱っていない。

飲食料品は、
百貨店が、0.2%増(0.5%増)、
スーパーが、3.8%増(1.5%増)。

そしてコンビニでは、
ファストフードと日配品が1.2%増、
加工食品は0.9%減、
非食品が、20.1%増。
この非食品の異常値は、タバコ。
コンビニのサービス商品は、0.2%の減少。

ちょっと面白い傾向。
百貨店は既存店がよく、
スーパーは新店がよいこと。

よいといっても、どちらも落ち込みが少ない、ということだが。

百貨店は新しい店よりも、
古い店に固定客がつき、
スーパーは新しい店に、
顧客が集まっている。

ピーター・ドラッカーのいう「既に起こった未来」それが6月の商業販売統計速報。

これを来る8月にどう活かすか。

それには6月、7月と違う展開を図ることだ。まさしく知識商人の知恵比べとなる。

思い浮かべるだけで、
楽しくなる。

さあ、いざ、8月へ。

<結城義晴>

 

 

2008年07月29日(火曜日)

コンピュータ・リテラシー研究会8月21日に商業経営問題研究会と共催でプレオープン

セブン&アイ・ホールディングスのプライベートブランド。
セブン・プレミアム。
このラインナップに、「あらびきウインナー」が加わる。
そのメーカーが、日本ハムと伊藤ハム。
加工肉メーカーの両雄が、
協力してセブン・プレミアムを製造する。
昨日の日本経済新聞で報道された。

一方、ニトリは、8月に追加値下げする。
全品揃え商品の5%にあたる360品目。
値下げ幅は約20%。

間違わないで欲しい。
「追加値下げ」である。

5月には、「暮らし応援価格」
「値下げ宣言」を発して、
「ベストアイテム268品目」を、
平均で19.6%値下げした。

こちらは、売れている商品の売上げを、
さらにアップさせるときに断行する手法。
「マス化特売」といわれるもの。

この時期の、総値上げ潮流に逆行して、
ひときわ目立つ。

何度でも言いましょう。

商売の五つの大原則。

①利は「元」にあり[調達説]
②利は「売り」にあり[薄利多売説]
③利は「内」にあり[経費削減説]
④利は「この品」にあり[商品開発説]
⑤利は「他の品」にあり[プロフィット・ミックス法]

セブン・プレミアムは、の商品開発説。
の調達説にも近い行為。
両メーカーにはの薄利多売説への協力を要請したはず。

ニトリの「値下げ宣言」。
五大原則をすべてフル回転しなければ、不可能だ。

長い間、こつこつとソーシング活動を繰り返してきた成果。
それが今、唯一といってよい「世間への逆行」となって、
顧客から拍手喝采を受ける。

さて、7月28日、一日中、横浜の商人舎オフィス。
午前中に松見浩希さん来社。
ロジスティクス・パートナー社長。
㈱プラネット社長の玉生弘昌さんのご紹介。
私、玉生さんの仰ることは、すべてお聞きする。
そのくらい尊敬している。

そして玉生さんのご紹介の松見浩希さん。
この人は、凄い。
松見氏と
すぐに意気投合。

物流の専門家で、
LNEWSというインターネットサイトを主催・展開中。

1日に20数件のニュースを配信する最大・最高のサイト。
1カ月14万アクセスにも及ぶという。
もちろんロジスティックス分野に特化している。

もともと日刊紙の記者で、
資料に当たること、記事を書くことに、
無類の喜びを感じるタイプの人物。

その意味で私の同類。

その松見さん、
流通のインターネットサイトを企画中。

私も大賛成。
全面協力をいたします。
商人舎が、ささやかながら、
このサイトの品質保障をさせていただきます。

頑張ってください。

世のため、人のため、
商業現代化のため、
そして自分の生きがいのために。

同志として長いおつきあいのほどを願っておきます。

夕方には、當仲寛哲さん来社。
お供が一人。

ユニバーサル・シェル・プログラミング研究所所長にして、
商人舎コンピュータリテラシー研究会リーダー。

モンゴルから帰国し、
成田からそのままトランクを引っ張って、
商人舎へ来てくださった。
オフィスで

現在、八面六臂の活躍だが、
ご本人は、涼しい顔。

情報システムの会社をいくつも立ち上げて、
それぞれに成果を収めている。

この秋から始まるコーネル大学ジャパンでも、
講師の一翼を担ってもらう。

モンゴルでは、かの地に、
スーパーマーケットをつくるというプロジェクトを進めている。

こちらは、様々な難題を抱えているが、
来月、モンゴルの若者を日本に招いて、
教育がスタートする。

事業を展開するには、まず教育。
社会のインフラを構築するのだから、
まず教育。

この発想、素晴らしい。

さて、コンピュータ・リテラシー研究会だが、
会員のお許しを得て、
私が座長を務める商業経営問題研究会[通称RMLC]の、
8月度例会と合同で、開催したいと思う。

これから3回のRMLCの世話人が當仲さんで、
當仲さんとは、
コンピュータ・リテラシー研究会の立ち上げも相談していたので、
合同開催とさせていただくことになった。

8月21日金曜日です。

多くの皆さんの、ご参加を要請します。

「リテラシー」とは、「読み書きのような基本的な能力」のこと。
この研究会は、コンピュータに関する基本認識・基礎知識を正しくして、
この有益なツールを組織の中で上手に使いこなすために研鑽する。

當仲さんの、言葉。
「会社にコンピュータ・オタクがいるとすれば、
それはその会社のトップから幹部まで、
コンピュータに無知・無関心の証拠。
そういう会社にコンピュータ・オタクが生存する。
コンピュータを正しく認識し、
使いきっている会社には、
コンピュータ・オタクは存在しません」

私もまったく同意見。

ということで、同志、集まれ。
商人舎まで、お申し込みください。

コンピュータやネットの専門家との、
同志的繋がりを深めた一日だった。

<結城義晴>

2008年07月28日(月曜日)

2008年7月最終週、今週のテレビ観戦ウィークが8月スポーツ観戦月間につながる!

Ladies and Gentlemen! Good Monday!

2008年7月最終週となりました。
今年に入ってから、7カ月。
1月末決算のウォルマートのような会社ならば、上期の終了。
2月末決算の企業は、第2四半期の最後の月を迎える助走期。

40日間の夏休みという観点から見ると、
4分の1が終わるとき。

そして私にとっては、
この結城義晴のBlog[毎日更新宣言]の毎日更新を始めてから、
記念すべき1年を迎える最後のとき。

「行動する結城義晴」を支え続けてくれたこのブログに感謝しつつ、
充実の7月最終週を過ごしたいと思います。

さて、今週火曜日には、
6月の様々な統計が政府から発表されます。

その中で、
二つの調査には注目しておいてよいでしょう。
6月商業販売統計速報と6月家計調査。

そして31日木曜日と8月1日金曜日。
プロ野球オールスターゲーム。
野球ファンには見逃せない。

ゴルフファンには、
全英女子オープンと
全米シニアオープン選手権。

タイガー・ウッズが膝の故障でしばらく出場しない男子ゴルフより、
いまや日本人のゴルフファンにとって、
女子とシニアの方が馴染みが深い。

だから今週後半は、テレビ観戦ウィークとなります。

その上、今、全国都道府県ごとに、
高校野球県代表が決定しています。
今年は90回記念大会で、参加校数も増えています。
これもいつになく盛り上がっています。

そういったものが8月の北京オリンピックと、
恒例の甲子園の全国高等学校公式野球選手権に、
つながってゆくことは、
間違いありません。

8月は、実は、
スポーツ応援・テレビ観戦月間となるのです。

ガソリンは上がっている。
モノは値上げされて、高いと感じている。
でも時間はある。
夏休み気分だから。

そこで家庭での消費が最大となる。

フードサービス業の皆さんは、
それでもこの店は楽しい、
それでもこの店はおいしい、
それでもこの店は値ごろだ、
そう思っていただくための7月最終週。

アミューズメント・サービスの皆さんも同じ。
コンサルタントの宮本正暉さんが、
PCSAの理事会で言っていました。
「4円パチンコは4倍面白い。
しかし1円パチンコは4倍楽しい」

大切なのは、
面白いことよりも、楽しいこと。

さて、そんな8月を控えたこの1カ月。
皆さんの職場のチームワークは、
どのくらい上がったでしょうか。

8月に最も大切なのは、
「チームワーク」です。

だから6月30日のこのブログで言いました。
7月は、8月のために「チームワーク」を高めよう、と。

「集団ではあっても、
チームになっていない」

楽天球団監督の野村克也さんの言葉。

私は、何度も言います。
「まだ、遅くはない」

特にチームワークをつくるには。

会社は大きなチーム。
店は中くらいのチーム。
店の中の部門は、小さなチーム。

大きなチームも中くらいのチームも、
最も小さなチームの、
チームワークに支えられている。

まだ、遅くはない。
今週が8月への助走のための
最後のチームワーク確認の週。

Ladies and Gentlemen! Good Monday!

<結城義晴>

 

2008年07月27日(日曜日)

ジジの暑中見舞い[日曜版]

暑中、お見舞い申し上げます
jiji1

暑さ、真っ盛りです。
みなさま、おかわりありませんか。

ボクは、ごらんのように、
体中の毛をイノベーションしました。
すっきりして、すこぶる元気です。

ユウキヨシハルさんも、
仕事がひと段落して、
落ち着いてきたようです。

いま、単行本の原稿執筆に、
とりかかり始めました。
この夏は、勉強とこのブログと本づくりに、
集中すると言っています。

おかげさまで、
ボクたちは、
幸せです。

みなさんにも、
この小さな幸せを、
おすそわけしたいと思います。

それは、
シンプルライフのおススメです。

ボクは、変えません。
変える必要のないものは。

変える必要のあることは、
思い切って変えます。

それがボクとユウキヨシハルさんの、
シンプルライフです。

ユウキヨシハルさんは、
毎日、行動しています。
それがユウキヨシハルのシンプルライフ。

ずっとずっと、
そうやって生きてきました。
55年ほど。

ボクは、
毎日、寝て、食べて、寝て。
それがジジのシンプルライフ。

ずっと、
そうやって生きてきました。
3年とちょっとですが。

ユウキヨシハル流とジジ流。

両方とも、
小さな幸せを、
もたらしてくれました。

だからボクたちは、
心から感謝しています。
生かされていることに。
jiji2

暑中、お見舞い申し上げます。    平成20年盛夏

<『ジジの気分』(未刊)より>

2008年07月26日(土曜日)

10年ぶりに消費者物価上昇、エコストア研究会とPCSA理事会の論議「パチンコのEDLPかハイ&ローか」

消費者物価が上がっている。
6月の全国消費者物価指数は、
10年5カ月ぶりに前年同月比で1.9%上昇。

まあ、10年間、消費面はデフレだったが、
それがインフレに変ったということ。

消費実態からするともうずっと、
上がり続けているように感じられるが、
やっと数字がそれに伴ってきた。

日本経済新聞に値上がり、値下がりの、
上位10アイテムが掲載されているが、
それが面白い。

値上がりは、
①灯油
②自動車バッテリー
⑤ガソリン

そのほかは、
③スパゲティ
④チーズ
⑥チョコレート
⑦即席めん
⑧食用油
⑨食パン
⑩落花生

値上げされたのは石油・自動車関連と、
コモディティの食品。

おりしも、パン業界最大手メーカーの山崎製パンの中間決算は、
経常利益120億円で前年比11%の増加。
「低価格品」が貢献したと発表されているが、
コモディティ・グッズが値上がりすると、
メーカーには利益が上がってくる。

日経記事の値下がり品目。
①ノート型パソコン
②デジタルカメラ
③自賠責保険
④デスクトップ型パソコン
⑤薄型テレビ
⑥DVDレコーダー
⑦ビデオカメラ
⑧ステレオセット
⑨電子レンジ
⑩電気冷蔵庫

家電・パソコンメーカーは、
新製品がすぐにコモディティ化してしまう。

辛いところだが、
彼らの、はじめから見込んだ利益は巨大だ。

工業製品は、たっぷりと利益を取ってから、
すぐにコモディティとなってくる。

食品コモディティには、
値上げ現象が起こって、
ナンバー1メーカーに利益がもたらされる。

ただし、全体の問題としては、
消費者物価が上昇しても、
給与・ボーナスが伸びないのだから、
購買量が増える見込みはない。
ここにアンバランスな状況が生まれる。

今月の商人舎標語「Save Money! Live Better!」
先月の標語は「節約、倹約。もったいない」だった。

このトーンは、変らない。

さて、一昨日24日には、午後1時から、
「第一回エコストア研究会」が開催された。
場所は東京麻布台の商業界会館。

田村洋三会長のもと、今回は、
環境対応製品を製造しているメーカーを中心とした研究会となった。

商人舎もオブザーバーとして参加。

流通業に対する国や地方自治体の法整備が進む。
その中で、何よりも、
「CO2削減の数値目標を短期間で効率よく達成するために、
皆が知恵を出し合い、協働し、
エコストア製品・システムの
開発や普及を行うことが重要」(田村氏)

この研究会は、まず、
エコストア製品とエコストアシステムの、
開発を優先させるという主旨でスタート。

だからこの日の参加者は、エコストア開発機器メーカー7社11名。

三洋電機㈱からは営業本部の大崎公司取締役と泉宏行部長、
大型ショーケース開発担当の渋沢作巳部長の3名。
「ショーケースは店の電気代の半分を占めるだけに、
ユーザーは真剣にエコ製品を考えている」(泉氏)。

㈱ヤマト西村貞生常務は、
「エネルギーをどのように使うべきかの『使い方』が大切であり、
コンポーネント機器開発ではなく、
システムという視点が必要」と指摘。
同社からは営業開発の小板橋良男部長代理も参加。

エネルギーマネジメント企業㈱イープラネット西郷從節社長は、
「POSレジ導入初期には、
レジスターがあればPOSはいらないだろうと多くの小売業が言った。
現状、省エネ製品への認識はその頃の認識と一緒ではないか」。

㈱アースクリーン東北・東京事業部、小寺大輔本部長は
「だからこそ、小売業のトップの認識や決断こそが大事」。

中山エンジニアリング㈱原秀幸氏は、
「温暖化抑制のためにはCO2排出量を総合的に評価する指標(TEWI)で評価しなければならない」。

LED照明機器の品質保証で普及に努める㈱プロフェスからは、
田崎政憲社長と松谷憲之氏が参加。
「LEDは低温帯での利用に適している。
海外に比べて日本はまだハイコストだが、
今後はショーケースなどへの普及が進むだろう」(田崎社長)。

㈱岡村製作所商環境事業本部・山本文雄取締役本部長は、
京都のコンビニ深夜規制問題をあげ、
「営業時間の短縮により、商品在庫、オペレーションなど、
さまざまな課題が生じる」。

田村リーダーの環境問題の現状報告と合わせ、
活発なディスカッションが5時過ぎまで続いた。

エコストア研究会なのに、
ストアをつくる主体者がいない会議。

だからこそ、率直で活発な議論が展開された。
これはこれで面白い。

徐々にストアづくりの主体者の参加を要請していく。

次回は岡村製作所と三洋電機のショーケースの取り組みを中心に、
エコ、省エネの課題が語られる予定。

★エコストア研究会に興味のある方はinfo@shoninsha.co.jpまで。

さて、もうひとつ重要なご報告。
昨日、午後3時から東京・銀座で、
パチンコチェーンストア協会
7月度理事会と懇親会が開催された。

この秋までの予定や様々な問題が語り合われたが、
いちばんの焦点は、
「1円パチンコ営業の問題」
通常の4分の1の売価の1円パチンコ専門店展開でいくのか、
1円と4円の2レート営業でいくのか。

極めて面白い議論が展開された。

小売業に例えると、
エブリデー・ロープライスなのか、
それともハイ&ローなのか。

私の持論は、当然、前者。
後者を否定するものではないが。

そして、すべての企業が、
ウォルマートやコストコのような経営を、
貫くことができるものではないと思うが。

しかし、1930年にアメリカで、
マイケル・カレンのスーパーマーケットの登場後、
既存のグロサーズチェーンはことごとく敗れた。

1960年、ハリー・カニンガムによって、
クレスゲというバラエティストア企業は、
Kマートへの歴史的な業態転換を図った。
そのあと、ほとんどのバラエティストアは、
ウールワースというダントツの1社を残して、
業態転換するか消滅するかの道を歩んだ。
サム・ウォルトんも、ベンフランクリンというバラエティストアを、
ウォルマートというディスカウントストアに業態転換させて、
現在の世界最大企業への基礎をつくった。
ディスカウントストアが、
バラエティストアを駆逐していったのである。

一方、バラエティストアが復活したのは、
本当にしばらくしてから。
まったく新しいタイプ・オブ・オペレーションを確立してからであった。

今、パチンコホールの1円新業態と2レート営業店舗には、
米国の1930年時点の食品業界のような、
はたまた1960年時点の非食品業界ような、
劇的な転換が迫られている。
私は、そう見るし、
そう言い続けているが、
いかがだろうか。

賢者は、歴史に学び、
愚者は、経験に学ぶ。
(オットー・フォン・ビスマルク)

<結城義晴>

 

2008年07月25日(金曜日)

PB値上げラッシュの中、八社会社長会で講演「グローカル時代の流通業の課題と対策」

毎日のように、
値上げの記事が新聞紙上を賑わす。

値上げはまず、ノンコモディティから始まる。
そしてコモディティへ。

コモディティの典型のプライベートブランド[PB]へ。

まずイオンが、「トップバリュ」を。
トップバリュは、
3400アイテムで年間販売額2700億円。

これを2010年に7500億円に躍進させる構想。
この間のメーカー製品の値上げの反動で、
PBの食パンは5倍、
カップラーメンは3倍、
醤油は2倍と売上高を伸ばした。
1アイテム20億円から30億円の販売額の商品が50ほどに育った。

100億円の商品をつくらねばならない。

そうすれば、その商品はナショナルブランドになる。

そのトップバリュの値上げに踏み切った。

ユニーも400アイテムのPBのうち、
食パン、即席ラーメンなどコモディティグッズを値上げ。

CGCジャパンのPBは、
1500品目年間販売額2181億円。

こちらもマーガリンやホットケーキミックスの値上げ。

穀物を中心とする食品原価の高騰が、
その主要因であることは、消費者も世論も承知している。

しかしまず、わが社は、我がグループは、
「これだけの内部努力をしております」
という自分の顧客へのアピールが必須であると思う。
その上で、これこれの理由で値上げしますという姿勢。
1品1品丁寧に説明する。

この姿勢、企業や店が1品1品をいかに大事にしているかを、
顧客に示すよいチャンスだ。
だから一括値上げなど、もっての外。
理屈が通らない。

一方、セブン&アイホールディングスと西友は、
PBの値上げを今のところ、控えている。

セブン&アイは「セブンプレミアム」が
380アイテムで800億円。

ライバルのイオン「トップバリュ」に比べると、
遅れて出発したブランド。
だから「最近の発売商品が多いため値上げせず」としている。
しかしこれは、PB比率を高める作戦であることは確か。

西友も、しかり。
ウォルマートは、こんなときにもロールバックしたりする。

さてそんな値上げの季節に、
昨日、東京・目黒雅叙園で、
㈱八社会の社長会が開催された。
現在の八社会社長は、
東武ストア社長の玉置富貴雄さん

首都圏の電鉄系スーパーマーケット8社を核としたグループ。

「Vマーク」というPBを改革推進中。

この社長会で講演と懇親。

講演テーマは、事務局のご注文で、
「グローカル時代の流通業の課題と対策」
まさに、現時点の緊急テーマ。

潮目が変わるという話から初めて、
持論を大展開させていただいた。

先の玉置さんをはじめ、
東急ストア社長の高橋一郎さん、
相鉄ローゼン社長の春日徹夫さん、

(春日さんは横浜・北幸の隣組で、商人舎ファミリーです)、
小田急商事社長の雪竹正英さん、
京王ストア社長の内藤雅浩さん、
京成ストア社長の高田和生さん、
京急ストア社長の今井守さん、
アップルランド社長の小磯恵司さん、
そして広電ストア社長の尾崎義昭さんと、
よこまち社長の横町俊明さん。

八社会加盟のトップがズラリとそろった会合での講演。

やりがいがあるし、実は、やりやすい。
提案もしやすい。

だから私、言いたいことを、全部言った。
気分もよかった。

4時半から、100分の講義。
その後、懇親会。
ご挨拶される玉置社長。
81
東武ストアは玉置さんの手腕で、すこぶる業績がよい。
総資本回転2.6で営業収益対比経常利益率3.1。
だから総資本経常利益率8.2。
利潤分配率も11.5。

前任の春日さんに続いて、玉置さんのもと、
八社会の意志一致がさらに強化され、
PB競争の時代を乗り切ろうとする意欲にあふれた会合だった。
なんだか皆に自信が生まれたように、私には感じられた。

アップルランドの小磯さんは、松本に帰られるので、
先に写真。
西友、ダイエーと要職を歴任され、
現在、アップルランド社長。
私は30年ほど前の、西友課長研修の同期生。
82
小磯さんとは長いお付き合いです。
ご活躍、嬉しい限り。
同社の成績も良好とのこと。

最後に全員で、記念写真。
目黒雅叙園の有名な屏風の前。
83

皆さんの自信のようなもの、感じられないだろうか。

<結城義晴>

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結城義晴・著


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結城義晴・著


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新装版 店長のためのやさしい《ドラッカー講座》

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