結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2008年07月24日(木曜日)

「本日土用丑の日」今日のウナギ販売は「利は他の品にあり」でご奉仕を!

昨夜0時26分、岩手県で、
マグニチュード6.8の地震が発生しました。
横浜の私の家も、揺れました。

お見舞い申し上げます。

先の6月14日にも、
マグニチュード7.2の地震が起こったばかり。

不安が広がります。

自分の力の及ばないことが起こる。
それには、自分の力の及ぶことを、
最大限に努力して備えておくこと。

残念ながらこれしかありません。

元気を出そうよ。
それがあなたの仕事です。
元気を売ろうよ。
それがあなたの役目です。

すべての商人の使命です。
すべてのリーダーのミッションです。

さて、事故のお知らせです。
このブログの7月22日のページに原因不明の事故発生。
記事が途中で切れています。

バックアップの原稿がありませんので、
書き直ししなければなりません。

私が、思い出して書き直すしかありません。
少し時間をください。

今後、バックアップをとる体制をつくります。
申し訳ありません。
どなたか、コピーをとった方がいらっしゃったら、
すみませんがお送りください。
本当に助かります。

22日に書いた「本日土用丑の日」が今日です。

22日の記事を読んだ方は、
覚えていらっしゃるかもしれませんが、
土用は、陰陽五行説から考え出された期間。
年に4回あって、春夏秋冬をつなぐ18日間。
春夏秋冬の前始末と後始末の期間。

丑の日は、12進法の二番目の日。
子、丑、寅、兎、辰、巳、午、未、申、酉、戌、亥と、
つながっている、その二番目。

この土用と丑が重なるのが、今日、土用の丑。

江戸時代、平賀源内がアイデアを出して、
土用の丑の日にウナギを食べると体によいと、
プロモーションした。

そのときの看板が、
「本日土用丑の日」
それが大ヒット。

今日は、日本伝統の土用丑の日です。
今夏はもう一回、土用丑の日があります。
12日後の8月5日。

そしてご承知の、ウナギの高騰。
ウナギに限りません。
なんでも高騰、何でも値上げが、
現在の潮流。
u1
しかもウナギは、
表示偽装や中国産への品質疑惑が、
マスコミ、世論や消費者の中に起こっています。

疑念のあるものは、食べなければよい。
これが消費者の大義です。

しかし、一方で、日本の旬を味わいたい。
味わってもらいたい。

だから私は提案します。

経営は苦しいだろう。
でも、
できるだけお値打ちで提供して、
安全でおいしいウナギを食べていただく。
今日は、そんな日にしましょう。
それが店の安心を生み出す。
この安心こそが、一番大切です。

必ず、お客様は喜んでくださる。

原価を切って販売するのはいけません。

しかし、限りなく原価に近い値段をつけて、
大盤振る舞いでご提供することは出来ます。

日本のウナギ産業全体のためにも、
今日は、「本日土用丑の日」。
平賀源内に戻って、
お客様の安心と歓喜を呼び戻す日ではないでしょうか。
u2
ただし、経営の原則「五つの法」。
一 利は元にあり[仕入れ調達説]
二 利は売りにあり[薄利多売説]
三 利は内にあり[経費削減説]
四 利はこの品にあり[製品開発説]
五 利は他の品にあり[プロフィット・ミックス説]

今日のウナギは、大抵の店の場合「利は他の品にあり」です。

「利は元にあり」や「利はこの品にあり」の、
準備が整っている会社は少ない。

「利は売りにあり」するほどに、
量を確保できる会社も少ない。
ならば最後の手段、「利は他の品にあり」

ただし、この五つの言葉には、
続きがあります。
「品質は維持・向上させよ」

そもそも現在の、ウナギマーチャンダイジングの問題は、
一部で「品質の維持・向上」が崩れたから発生したものです。

一部で壊れたものは、全体で直すしかない。

私は、今日を、そんな日にしていただきたい。

そして私たちすべてに、もう一回チャンスが与えられています。
8月5日の「二の丑」の日です。

岩手県の地震。
このブログの事故。
ウナギの問題。

トラブルに遭遇したときに必要なのは、
自分の力の及ぶことを、
最大限に努力して備えておくこと。

これです。

実は、再度訪れるトラブルに対応できないことこそ、
泥沼への転落の、最大の原因となるものなのです。

<結城義晴>

2008年07月23日(水曜日)

ペガサスクラブ政策セミナーでの渥美俊一先生の潮目の読み方と新丸ビルでの熱き懇親

物価の優等生といわれ続けた鶏卵。

まず、ブランド卵から値上げされます。
全農たまごの「しんたまご」、
イセ食品の「森のたまご」等々。
ほぼ30円の値上げで、12%ほど。

最初にノンコモディティ・グッズが上がる。
コモディティの普通の鶏卵は、上げにくい。
鶏卵はまさに、工業型商品の典型。
しかし当然ながら農業型商品の要素も強く持つ。

しかしベーシック商品の鶏卵、
すなわちコモディティの値上げが、
次の段階として待っている。

ここで、「コモディティ寡占化説」によって、
いわゆるGPセンターの統廃合がさらに進むことになる。

*** *** *** *** *** *** *** ***

さて、7月22日、23日と、
東京・赤坂プリンスホテル五色館で、
恒例のペガサスクラブ政策セミナー。
706人の有料参加者。
p1
凄いことだ。
渥美俊一先生は、私の両親と同年。
すなわち今年、8月に82歳を迎えられる。

お元気。

なんだか、原則に戻っていかれる気がする。
先日の商人舎特別研修会での講義でも、
それを感じた。

渥美先生が、理念を語る。
それが商人舎特別研修会だった。

今回は、「まさにリターン・トゥ・ベーシック」
それが「潮目の変わる時の対処の仕方」と、
渥美先生が語っているのだと、
私は受け止めた。
p2

講義は、朝、10時から。
渥美先生は、初日4時間、
二日目、3時間。
都合7時間の講義時間。

癌を克服され、
完全復活である。

最初の講義は、311社の上場小売業・外食業・サービス業の、
2007年度決算評価。

先生は、総資本対経常利益率を重視される。
そのために、今回も、強調されたのが、利潤分配率。
すなわち粗利益に占める営業利益の比率。
利潤分配率は20%を目標として、15%以上を上げたい。
少なくとも10%は欲しい。
しかし20%を超える企業は35社、
15%を超え、20%未満の企業が32社。

フォーマット別に上場企業の平均経営効率を把握する。
最大と最小を把握する。
マークすべき企業の経営効率を把握する。
それを10年の時系列で把握する。
わが社の経営効率と比較する。

わが社の長所・短所が見えてくる。

経営は数字で把握する。
それを現場で確認する。
改善する。
時には手術する。

このくり返し。

潮目が変わるときこそ、
経営効率が変わる。

その数値を、あるべき方向に修正していく。
それが経営である。

現場で確認するときに、
部門別総括表をつくる。

部門別に、坪当たり営業利益を算出する。
これがすべての基本。

ウォルマートは、現在、
スーパーセンターの店舗を80に細分化して、
部門別管理を徹底しようとしている。

渥美先生の講義の根幹は、
この経営効率と現場把握にある。

潮目が変わる今こそ、
それが大切である。

私はそう感じ取った。

p3
会場後方には、POPや新聞広告などの資料が展示されている。

さて、夕方6時55分にセミナー終了後、
東京大手町の新丸の内ビルへ、急行。

ライフコーポレーション社長の岩崎高治さん、
しまむら専務の福真昭彦さん、
同取締役の森義夫さん、
そしてコンサルタントの高野保男さんと懇親会。
ih4
私の横から、岩崎さん、福真さん、森さん。

皆さんの会合に、私が割り込んだ形。

ここでも、しまむらに関する様々な話で盛り上がった。
しかし、当たり前のことをこつこつとやり遂げるのが、
しまむらの社風であることを、みな、再確認。

「細かいことの積み重ねなのです」
福真さん。

福真さんも森さんも、
しまむらが6店のときに同社に入社。
現在、1500店。
一桁から4桁まで、店舗数が増えていく経過を、
見続けてきた。
その上で、細かなことを、
こつこつとやり遂げていく。
それが大事という。

この言葉は重い。

私は、Retail is Detail
サム・ウォルトンの言葉で結んだ。

本当は、「小さく、狭く、濃く、深く」
結城義晴の言葉で結びたかったが。

感謝。
合掌。

<結城義晴>

2008年07月22日(火曜日)

「本日土用丑の日」ウナギ販売の由来と今年の対策

Everybody! Good Tuesday!

連休の成果、いかがだったでしょうか。

2008年7月の最後の追い込みです。

しかし同時に、
夏休みのスタートだということを、
忘れてはなりません。

子供の頃を思い浮かべてみましょう。

梅雨が明けて、40日間のお休み。
毎日、朝起きして学校に行く必要がない。
遊ぶことがたくさんある。
のんびり過ごすこともできる。
空1

海やプールに泳ぎに行く。
山にハイキングに行く。
田舎に行く。
旅行する。
空2

おいしいものをたくさん食べる。
スイカを食べる。
かき氷を食べる。
バーベキューをする。
焼きそば、焼きとうもろこし。
かき氷

何よりも自由。

それが夏休みです。

そう、何よりも自由。
それが夏休みの最大の魅力です。

「それ~でも、まあ~ってる、
なつやす~み~♪」

吉田拓郎は歌いました。

お父さんの夏休みは、短い。
けれど、子供たちの夏休みは長い。
だから家族は、子供たちのテンポで動く。
お母さんは、お昼ご飯作りに頭を悩ませる。
中学・高校で部活をやっている子供を持つお母さんは、
そのお弁当作りに知恵を絞らねばならない。

子供が巣立ったファミリーや子供のいない家庭にも、
夏休みの気分だけは、充満しています。

さて今週7月24日は、土用の丑の日。
鰻かば焼き
日本の小売企業のホームページでは、
ダイエーの歳時記カレンダーがよく出来ています。

土用の丑を説明すると、少し長くなります。
陰陽五行説という古代中国の思想から始めねばなりません。

陰陽説は物事はみな「陰と陽」との、
二つの気で成り立っていると考える。
五行説とは、森羅万象すべて
「木火土金水(もっかどこんすい)」の五つに
分類できると考える。
この二つの思想が、なぜか結びついた。

五行説は、季節を五つに割る。
すると春夏秋冬の四つの季節と矛盾する。
だから
この春夏秋冬のつなぎの期間を考え出し、
それを「土用」と名づけました。
土用は18日間と決められました。
春夏秋冬+土用で五行説は、完成する。
土用は、だから1年間に4回ある。
土用は、それぞれのシーズンの、
それこそ前始末と後始末の期間と位置づけられた。

この夏の土用が、
今年の場合、7月19日から始まった。
「土用の入り」といいます。

丑は、十二支の二番目。
子、丑、寅の丑。
一般に十二支は、その年のことだと思われていますが、
それだけではありません。
日付、時刻、方角も、
12に割って、使われた。
だから毎日、今日は子の日、丑の日、寅の日と連なっています。
時刻も、子の刻、丑の刻と時代劇や落語に出てきます。

土用の丑とは、五行説の「土用」と、
十二支の丑の日が重なった日
ということになります。

当然ながら年間に4回ありますし、
「土用」というつなぎ期間は18日間あるのだから、
十二支の巡りと合わせると、
土用の間に丑の日が2回訪れることがあります。

今年はまさにそれで、
7月24日と8月5日ということになります。
二度目の丑の日を「二の丑」と呼びます。

さて、この「土用の丑」とウナギとの関係性。

いちばんポピュラーなのが、
「平賀源内」説。
江戸時代の発明家にしてアイデアマンの源内が、
知人の鰻屋にプロモーションを依頼され、
「土用の丑」の日にウナギを食べると体によいのだから、
これを売りにしようと提案しました。
早速、店頭に「本日土用丑の日」という看板を出して、
売り出したところ、それが大繁盛をもたらした。

これが由来です。

だから、由緒正しい看板は、「本日土用丑の日」です。

実際、うな丼は、一般的なカロリーは約650kcalで、
カツ丼の約900kcalや天丼の約750kcalよりもヘルシー。
さらにウナギの脂は不飽和脂肪酸だから、
中性脂肪を減らす役割を果たしてくれる。

ビタミンA、ビタミンB1、 ビタミンB2、ビタミンD、ビタミンE
カルシウムDHA(ドコサヘキサエン酸、コラーゲン、鉄、亜鉛。

栄養の宝庫です。

是非、食べるべき。

ただしご承知の相場高。
安い中国産は、信用されていない。

だから私は、提案します。
お客さんは、国産ウナギを食べたがっている。
国産ウナギを、原価近くまで値下げして、
ご提供する。

利益は、他で取る。

五つの法。
一 利は元にあり。
二 利は売りにあり。
三 利は内にあり。
四 利はこの品にあり。
五 利は他の品にあり。

この品がないときには、
利益は他の品に求める。

プロフィット・ミックスの考え方です。

ただしすべて、「品質は維持・向上させよ」です。

中国産、海外産は、
それがお客様の信頼を得られるならば、
品質が保障できる情報を提供しつつ販売する。

今年は、店の、企業の、
信頼をかけた「土用の丑」のウナギ販売です。

チャンスは2回あります。
一の丑と二の丑。

さあ、お客さんを、喜ばそう。

Everybody! Good Tuesday!

<結城義晴>

[追伸]
竹内さま、ウォル様より、
22日のブログのコピー、
お送りいただき、
修復、再現することができました。
心より、感謝します。

2008年07月21日(月曜日)

期待をこめた8月への最後の助走。「ああ、そうそう!そうなんだ!」お客様の暮らしの変化に同調せよ!

Everybody! Good Monday!

「海の日」をはさんだ3連休最終日です。

20世紀は、石油の100年。
21世紀は、水の100年。

多摩川
伊藤忠商事会長の丹羽宇一郎さんの言葉。
先週土曜日のこのブログに掲載。

しかし、水というと、
ペットボトルの500ミリリットルしか、
思い浮かべられないとしたら、
あまりに貧弱。

とうとうたる水量。
あふれ出る水量。

そんなものをイメージしたい。

2000年以上も前の地中海の王者ローマ。
現在のヨーロッパのグランドデザインをつくったローマ人。
彼らの都市は、水と小麦を常時補給することに、
全機能をかけていたといってよい。
だから現在も、各地にローマ水道とローマ街道が残る。
ローマ水道は水を、
ローマ街道は小麦と軍団を、
それぞれに補給し続けた。

2000年も経過して、
現在の世界は、
人口の50%が都市に暮らす。
先進国では75%が都市生活者である。

そしてローマ人と同じく、
水と穀物がライフラインとなっている。

2000年前は地球上の人口1億人。
現在は、67億人。

もしかしたら、ローマ人以上に私たちに、
水と穀物の危機が迫っているのかもしれない。

そんなことも連想させる海の日。
3連休の最終日。
だから今年の8月は小さな爆発。
それがこの3連休に表れる。

全国的に梅雨も明け、
児童・生徒・学生は夏休みに突入。

家庭全体のライフスタイルが、大きく変わる。
《ちなみに小学生は児童、
中学生・高校生が生徒、
大学生・専門学校生・大学院生が学生。
幼稚園・保育園に通う子供は園児という》

生活が大きく変わるときは、チャンス。
暮らしの変化に、いち早く、
どこよりもぴったりと、
同調する。

お客様から「ああ、そうそう!」
「そんなんだ!」と、
共感される売場づくりをすれば、
8月へのまたとない助走となる。

だから、生活を知る必要がある。
生活を見る視点がいる。
生活を変える力が求められる。

ヤオコー会長・川野幸夫さんが言う。
「変化対応業であると同時に
変化指導業である」

「潮目が変わる」とき、
自分の力の及ばない大変化のとき、
変化への対応を指導的に提案できる店に、
多くのお客様の支持が集まる。

その提案は、残念ながら、
提案する知識商人のレベルに規定されてしまう。

付け焼刃のアイデアや、
思いつきの提案では、
受け入れられない。

本当のマーケティング力。

マーケティングとは、
「市場(Market)を動かす(ing)行為」

ここで言う市場とは、お客様のこと。
そのお客様の群れのこと。

お客様の暮らしを知り、
お客様のご要望を読み取り、
お客様の喜びを我が喜びとする。

私は、いつも言います。
「まだ、遅くはない」

本当のマーケティング力をつけることが、
知識商人としてのレベルを上げることにつながる。

だから今週は、
8月に向かって、
マーケティング力を養成する週にしよう。

とはいってもそんなに難しいことではない。
お客様の行動をウォッチする週にしよう。
自分自身と家族の梅雨明けの暮らしを、
自己観察する週にしよう。

それを期待をこめた8月の爆発への助走にしよう。

少ないとはいえ、サラリーマンのお客様は、
ボーナスをもらった。
今週は給料日もやってくる。

今週末の金曜日25日からの週末。
まず第一弾の打ち上げ花火。

繰り返すけれど、その兆候は、
この海の日をはさんだ3連休に、
表れていたはず。
何が売れたか、
いくらの商品が売れたか。

8月への小さな爆発は、
小さいながらも始まっている。

小さな小さな「ああ、そうそう!」
「そんなんだ!」
このお客様の共感を得られるか否か。

今週も、元気を出して。
Everybody! Good Monday!

<結城義晴>

 

2008年07月20日(日曜日)

ジジの変身[日曜版]

《結城義晴のBlog[毎日更新宣言]の日曜版は、ジジという名の猫が主人公となっています。今回は、新しいご報告です。よろしくお願いします》

ごほうこくがあります。
とつぜんですが、
ボク、変身しました。

前は、こうでした。
デブ猫みたいな感じ。
jiji1
毛がふさふさ。
ボクたち、チンチラという種類の猫の特徴です。

生まれたばかりのころ。
小さかった。ジジ誕生6

でも、日本の夏はあつい。
それに、体中に毛玉ができて、
それがこすれて、とても、いたい。

だから先週の火曜日、病院にいきました。
麻酔の注射を打ってもらって、
寝ているあいだに、
毛をカットしてもらった。
生まれてはじめてのことです。

「トリミング」というそうです。

だから、すっきりしました。

顔は、こんな感じ。
顔

背中はこんな感じ。
jiji5
両耳のまわりをのこして、
頭のところまで、ずっと、
かりあげてもらった。

からだが、すごくかるくなって、
首もまわりやすい感じ。
背中

シッポだけ、
ちょっとシャレてみました。
あいかわらず、猫背だけど。
jiji2

あとは体中、ほんとに、
すっきりしました。
ふりむくときも、するどい感じ。
jiji3

なんだか、
自分ではないみたい。

ユウキヨシハルさん、
いつも言ってます。
「自ら、変れ!」
「それがイノベーションなんだ」

もしかしたら、ボクも、
イノベーションなのかもしれません。
jiji6
イノベーション。
ボクもできた。

とてもうれしいです。

梅雨があけました。
イノベーションのボクは、
元気に、夏をのりきります。

よろしく。

それにしても
イノベーション。

うれしい。

<『ジジの気分』(未刊)より>

2008年07月19日(土曜日)

伊藤忠・丹羽宇一郎「ドル妖怪世界徘徊説」[日本食糧新聞講演採録]

2008年7月18日。
東京・パレスホテル。
日本食糧新聞1万号・創刊65周年記念
感謝の集いが開催された。

日本の食品産業のトップが、
ほとんどすべて参集するというすごい会合。

日本食糧新聞社長の今野正義さんのご挨拶。
NSS1
「昭和18年創刊で、紙齢10000号を数えます。
私たちは世論紙、指針紙、擁護誌を旗印にやってきました。
いま、紙の新聞がネットで見られるし、
携帯電話でも読むことができる。
多機能サービスの提供を図りつつ、
食の総合メディア機能を果たしたい」

その後パーティでは、そうそうたる顔触れによる鏡割り。
かがみ割り

この式典とパーティに先立って、
伊藤忠商事会長の丹羽宇一郎さんの記念講演があった。
丹羽さんは、国際連合世界食糧計画WFP協会会長。
この講演が素晴らしかったので、私のメモから採録。
タイトルは「食資源と環境――明日へのシナリオ」丹羽
[現状分析]
現在、穀物相場も小康状態を保ちつつあります。
小麦を中心に、やや安定してくる。
昨年から、世界中の人々の不安を呼び起こしたが、
今年はそれほどではない。

人類生存の三大要素は、
食と水とエネルギーです。

振り返ってみると、
20世紀は石油の100年でした。
21世紀は水の100年といえます。

農業や食資源にかかわる水の時代です。

この間の、サイレント津波は、世界のトップリーダーに、
温暖化よりも食と水が大事ということを認知させた。
食と水に対する危機感が、相当に刻まれた。

もちろん、石油も大切です。

しかし20世紀は
ドルと石油にどっぷりとつけられた時代だった。

大規模農業の穀物生産は、
すべてが石油ベースとなっている。

大量生産農業は、すべての科学や技術の結集です。
気象学、種子学、インフラ、倉庫・港・道路。

だから農業は本来、全産業の成長と歩調を合わせて進んでいく。

商社もかつて、ブラジルなどの土地を賃借して、
大規模農業をやろうとした。
しかしすべて失敗した。
私は「お天道様と勝負するな」と言った。
農業とは、食とは、そういうものです。

食料資源の問題に関しては、
10年前、ローマクラブから、
たんぱく質が足りなくなるという指摘があった。

ローマクラブが、10年後12~13ドルという指摘をしたが、
当時は、「何を考えているのか」という見方が強かった。

しかし、10年遅れでやってきた。
大豆がブッシェッル16ドルまで上がった。
間違いではないか?と思われたが、
考えて見れば、まとめて上がったというだけのこと。
ローマクラブの指摘は正しかった。

かつて石油は100年で40ドル上がった。
1年ごとに75セント上がるという計算だった。

しかし4年間で100ドル上がった。
かつてのテンポからすると、
4年で250年分上がったことになる。

大きな価格の流れは合理的な要因で上がるはずです。
食料資源の高騰の背景に、何があるのか。

ベースになるのは需給関係の逼迫という問題。
牛肉1キロ作るのに8キロの穀物が必要。
これもある。

中国も大豆を買う。
中国は、米、トウモロコシ、小麦は買わない。
しかし大豆は輸入する。
食物油が足りないから。

ここに、静かな地殻変動が起こっている。

あらゆる資産がアジアに動いてきている。
21世紀は着実にアジアの時代です。
アジアの人口は増える。
アジアを中心に動く。
鉄鋼の生産は、中国の動向に世界が動かされている。
それにインドやインドネシアがつづく。

需給の急速な拡大が起こっているのです。
ただし、50年かけて動くのならばいいが、
あまりにも急速です。
だから世の中に変調が起こっている。
地球に対する負荷がかかりすぎている。

これには、1990年代のグローバリゼーションが影響を及ぼした。

中国もあちこちで暴動が起こっている。
急速な変化にどう対処するか。

それが問題です。

[ドルという妖怪が世界を徘徊している]
食料資源高騰の本当の理由は、ドル漬けにあります。
1992年、WTOで、アメリカは
「国益を損なうことは一切しない」と発言しました。

かつて、『空想から科学へ』という本の中で、
エンゲルスは言いました。
「共産主義という妖怪が世界を闊歩している」

しかしいま、
「ドルという妖怪が世界を徘徊している」

10年前の世界のGDPは30兆ドルでした。
日本は5兆ドルで、16%を占めていた。
アメリカは28% でした。
この2国で50%近くを寡占していた。

GDPは、実体経済ですが、
これに対して貨幣経済がある。
それが10年前は60兆ドル。

現在、世界の実体経済は50兆ドルで、
貨幣経済は、なんと150兆ドル。

(厳密には178兆ドルという統計もある)

実体経済と貨幣経済には、100兆ドルの乖離がある。
10年前も30兆ドルかけ離れていた。
しかし今は100兆ドルの妖怪貨幣が動き回っている。

すなわち30兆ドルだった妖怪が100兆ドルに膨れた。
3.3倍になった。

このドルはどこへいったか。
サブプライムです。

小さなリスクで大きな利益を得ようとした。
だから詐欺にあった。

大きなリスクで大きな利益、
あるいは中くらいのリスクで中の利益が当たり前です。

サブプライム問題は慾深い連中が、
小さなリスクで大きな利益と、欲を搔いたことで起こった。

サブプライムを格付け機関が格付けした。
いま、壮大なる国際的詐欺事件といってよい。

すなわち、ドルはこの10年で、100年分くらい増えた。

そのドルが徘徊している。

貨幣経済の膨張とは、三つの膨張を言う。

第一は、株式時価総額。
これは、この10年高騰し、現在40%を占める。
簡単に言えば、株価が上がったということ。
誰が得たか、それは欧米金融機関。
日本の失われた10年とは、
株式時価総額で得る利益を、日本が得られなかったということ。
だから日本はドル漬けではない。
良かったのだと思う。
サブプライムに多大の被害を受けていないことが。

第二が、債券発行残高。
現在これが、100兆ドルのうちの40%を占める。

そして第三が、預貯金高で、20%を占める。

しかし100兆ドルの妖怪のような体重は、
アメリカ一国では大きすぎるし、重すぎる。

だからもしかしたら、ドルが暴落するかもしれない。
そうなると世界経済が暴落する。

公的資金の注入が必要となるかもしれない。
そうしなければ助からない。

すなわち余剰のドルを減らす。
妖怪の体重を減らす。

それには、時間をかけて、少しずつ。

日本は、妖怪体重に参加していない。

私は、言いたい。
「妖怪で太った人たちが損をしなさい」
ドルの妖怪は今も存在している。

そのひとつが穀物、エネルギーにきた。

穀物は株式市場の5%、5兆ドルにすぎない。
その株式時価総額40兆ドル。

だからちょっと株式市場から金が流れたら高騰する。

上海、中国にもドルの妖怪が侵入した。

結論として、ドルの妖怪の体重が急速に増えたことが大きな理由。
それを時間をかけてゆっくりと解決しなければならない。

[Water is a new oil.]
穀物の高騰の理由は、
このドル漬けと石油漬けです。

50年間で人口は、2.4倍となった。

地球が耐えられる生存可能な人口は80億人から100億人か。

問題は人口増加のスピードです。

急速に増え続けたことです。

経済は安定した成長を続けねば、壊れる。

地球の環境が一定であれば
土地を増やすしかない。

緑の革命で 単位収穫量が増えた。
第2の緑の革命といわれる遺伝子組み換えで、
どれだけ増やすかしかない。
農業は英知を集めて、第3の緑の革命を果たさねばならない。

日本は、英知を集めて米の革命をする。 

そのために単位収穫量革命に世界が投資していく必要がある。

そこで重要なのが、
Water is a new oil.

水は、Blue gold。
水は新しい金。

世界の水は14億立方キロリットルあります。

しかしその13%しか使っていない。
ほとんどが海水だからです。

海水を真水にするのに1トン当たり100円かかります。

これからは世界経済の成長が水によって左右される。

日本は一年間に840億トンの水を使います。
琵琶湖の2.5倍。
一方、食糧輸入量を換算すると海外で日本のために、
640億トンの水を使っています。

世界の都市化率は現在、50%。
50年前は30%で、100年前15%でした。

先進国は75%が、都市に人口がすんでいる。
大部分の都市で水がなくなる。
しかし、日本人には水に対する危機感がない。

農業において、
この水を守る最もよい方法は水田です。

だからコメの消費を増やして、水田を増やす。
米のパン、米のラーメン、米のうどんをつくって、食べる。

地産治水。
Water is a new oil.

これが締めくくりの言葉となります。

示唆に富んだ講演だった。
考えさせられることが多かった。

もちろん多分に、
総合商社のトップとしての経験や発言もあったが。

いい会だった。

最後に日本食糧新聞の今野正義社長と固い握手。
握手

今野さんも商人舎発起人で、商人舎ファミリーのお一人です。
ありがとうございます。

<結城義晴>

2008年07月18日(金曜日)

プラネット玉生弘昌さん来社、ライフコーポレーション岩崎高治さんとのCDオーディオセミナー収録感謝

7月17日は、暑い夏の日だった。
横浜もうだるような暑さ。

その横浜の商人舎オフィスを、
プラネット社長の玉生弘昌さんが訪ねてくださった。
商人舎発起人のお一人の商人舎ファミリー。
玉生まれ

狭いながらも楽しい我が家だが、
「さわやかなオフィスですね」と
まずは、おほめの言葉をいただいて、恐縮。

プラネットはご存知、EDIの専門会社。
[EDIとはエレクトリック・データ・インターチェンジの略]。
多数の、それぞれ異なるデータ言語を持つ企業群のための、
「自動データ通訳機能」を果たす会社と、私は表現した。

日用雑貨から始まって、コスメティックス・医薬品まで、
プラネットの機能がなければ、
日本の流通は動かない。

大きな会社ではない。
しかし、まさしく、
なくてはならない会社。

私も、商人舎をそんな会社にしたい。
皆さんも、自分の会社をプラネットみたいな企業にしたらいい。
お勧めします。

大きな会社も、とても大事。
しかしほんの一握りしか、
大きな会社としては成功しない。

小さな会社も、簡単とはいえないが、
なくてはならない会社となることができる。

私は、だから玉生さんを心から尊敬している。

日本の流通業界の話、
情報システムの話、
商業界60周年・『販売革新』45周年セミナーの話など、
話題は尽きない。

商人舎コンピュータ・リテラシー研究会は、
8月に第1回の会合を開く方向で着々と準備が整っている。

玉生さんは、その第1回セミナーに友情出演してくださる。
本当にありがたい。

昼は、暑い夏の土用を控えて、
商人舎オフィスの前の野田岩で天然鰻。
野田岩は間違いありません。

さて、午後は東京・新高島平へ。
ライフコーポレーション東京本社。
岩崎高治社長にご出演頂いて、
第1回CDオーディオセミナーの収録。

l1
最初は、和やかに、歓談、簡単な打ち合わせ。

商人ねっとと商人舎のコラボレーション企画で、
私が毎回、狂言回しとなって、対談をする。
対談のお相手は、
「潮目が変わる時代」の鍵を握る人物。

二人の話、その息遣いや声を通して、
最新の考え方や経営の真髄を勉強してもらおうという趣旨。
CDに焼いて、声のセミナーとして、多くの人に聴いてもらう。

車の中でも、家でも、仕事場でも、
どこでも、好きな時に。

その第1回が、42歳のリーダー岩崎高治。
日本最大の食品スーパーマーケットの代表取締役社長。
l3

さあ、スタート。
岩崎さんのきりっとした表情が印象的だった。
I1

私は、何百回、何千回とインタビューや対談をしてきた。
パネルディスカッションのコーディネーターも、
何度となく務めてきた。
講演や講義も、毎日のようにやっている。

しかし、声のセミナーは、
それらとは全く違う緊張感があった。

岩崎さんもそれを感じてくださった。

互いに、言葉を選びながら、
丁寧に、しっかりと考えた上で、
意見をぶつけ合った。

不思議な時間が過ぎて行った。
l2
岩崎さんの、スーパーマーケットにかける使命感が、
ビンビンと伝わってきた。

「皆が働き甲斐と誇りが持てる会社にしたい」

「基本的なことからコツコツとやっていく」I2
いい話だった。

詳しくは、CDオーディオセミナーを聴いてみてください。
活字で読むのとは全く違った感慨があります。

ちょっと大げさだが、
私は、新しいメディアの誕生を予感した。

お勧めです。
yuuki

90分の収録が終わって、空気が和んだ。
充実感が漂った。
岩崎さんに心から感謝。
二人
記念すべき第1回CDオーディオセミナー。
「岩崎さんにお願いして、本当に良かった」
私は、スタッフに何度も言った。

最後に、二人で記念の、固い握手。
「私たち、同志です」二人2
岩崎さんは、もちろん商人舎発起人で、商人舎ファミリー。
再び、感謝。

その後、今回の企画を陰で支えてくださったお二人と写真。
ライフコーポレーション常務取締役の並木利昭さんと、
広報部の尾崎健さん。
三人で成功を祝して、「グー!」
三人
私は、疲れ切った感じで、恐縮。
それくらい緊張し、同時に充実していたのでした。

今日は、商人舎ファミリーの皆さんに助けていただいた日だった。

ありがたい。

<結城義晴>

「月刊商人舎」購読者専用サイト
月刊商人舎 今月号
商人舎 流通スーパーニュース
月刊商人舎magazine Facebook

ウレコン

今月の標語
商人舎インフォメーション
商人舎スペシャルメンバー
商人舎発起人

東北関東大震災へのメッセージ

ミドルマネジメント研修会
商人舎ミドルマネジメント研修会
海外視察研修会
商人舎の新刊
チェーンストア産業ビジョン

結城義晴・著


コロナは時間を早める

結城義晴・著


流通RE戦略―EC時代の店舗と売場を科学する

鈴木哲男・著

結城義晴の著書の紹介

新装版 出来‼︎

新装版 店長のためのやさしい《ドラッカー講座》

新装版 店長のためのやさしい《ドラッカー講座》
(イーストプレス刊)

新着ブログ
毎日更新宣言カレンダー
指定月の記事を読む
毎日更新宣言カテゴリー
毎日更新宣言最新記事
毎日更新宣言最新コメント
知識商人のためのリンク集

掲載の記事・写真・動画等の無断転載を禁じます。商人舎サイトについて
Copyright © 2008- Shoninsha Co., Ltd. All rights reserved.