2008年8月15日。
商売の上では、
今日から夏真っ盛りの、
お盆商戦三連休のつもりで、
ジェットコースターの頂点にいる気分で、
お客様にご奉仕する仕事の喜びを、
感じとるときです。
しかし、一方で、
日本という国にとって、
日本に生まれ日本に育った日本人にとって、
終戦の日という再出発を志した日。
日本の夏は毎年、
不思議な雰囲気をもっています。
それは、かの戦争で、
亡くなった人々の霊を弔うとともに、
私たち自身と私たちの子孫の未来に向けて、
私たちが決意を、
新たにする時だからです。
ややもすると、
再出発したその時に戻って、
反省や後悔ばかりしてしまいますが、
あくまでも未来に向かって、
明るく、積極的に、
新たに踏み出す日にしたいものです。
私は、そう思います。
1945年、サム・ウォルトンは、
フランチャイズチェーンに加盟して、
自身の商売を始めました。
ベンフランクリンというバラエティストア。
63年後の現在、
サムのつくったウォルマートは、
世界第一の企業となりました。
世界の企業ベスト10には、
石油会社が6社、
自動車会社が3社、
ウォルマートの後に控えています。
第二位のエクソンモービル、アメリカ。
第三位のロイヤルダッチシェル、オランダ。
第四位のBP、イギリス。
第七位のシェブロン、アメリカ。
第九位のコノコ・フィリップス、アメリカ。
そして第十位のトータル、フランス。
みな石油を中心とするエネルギー資源の会社。
自動車会社は、
第五位のゼネラルモータース、アメリカ。
第六位のトヨタ自動車、日本。
第八位のダイムラー・クライスラー、ドイツ。
長い歴史と重い伝統をもち、
国家的支援を受けて、
国益をかけて成長してきたコングロマリット群。
ウォルマートはそれら超巨大企業を、
次々に追い抜いてきました。
明るく、積極的に、
お客様にご奉仕する仕事を、
サム・ウォルトンは、
喜びとし、
誇りとしました。
別に、企業を大きくすることが、
すべてに優先される価値観ではないし、
ウォルマートに対する様々な批判があることも、
充分、承知したその上で、
私はサムの、
明るく、積極的な姿勢を評価します。
お客様にご奉仕する仕事に、
喜びと誇りをもち続けたサムを、尊敬します。
8月15日の終戦の日に、
かの世界大戦を思う時、
20世紀は石油の100年であったことを、
そしてその石油をはじめとする資源を、
力で奪い合う時代であったことをこそ、
学び直し、記憶しなければなりません。
消費産業やサービス産業に携わる私たちは、
その上で21世紀の基幹的な役割を担うことを、
喜びと誇りをもって、
自覚したいものです。
お盆商戦真っ只中、
オリンピック真っ最中、
甲子園準準決勝、
夏真っ盛りの8月15日。
仕事の喜びと誇りを、
噛み締める日にしたいものです。
何も恐れるものはない。
もちろん、失敗は恐れない!
そして今日あることに、
心から、感謝。
〈結城義晴〉