7月終盤から夏野菜の相場が、
下がりつづけている。
7月31日付中国新聞。
「猛暑の影響で生育が早まり、
入荷が増えている夏野菜の卸値が、
中国地方の卸売市場で下落。
7月下旬の卸値で比べると、
過去5年の平均を指す平年より47割、
台風などで高値傾向だった昨年より68割も安い」
「7月30日の1キロ当たりの広島市中央卸売市場の平均卸値は、
キュウリが126円で平年と比べ42%、
ナスは116円で60%、
ピーマンは100円で64%、それぞれ安かった。
昨年よりは6078%も低くなっている」
昨8月19日付神戸新聞。
「神戸市中央卸売市場によると、
今夏はダイコンやホウレンソウなど一部を除き、
野菜は安値で推移。
今年8月の第2土曜で比べると、
平均単価(1キログラム当たり)は、
ナスやレタスが昨年の約4割、
キャベツやトマトは約6割に」
理由に関して、農林水産省は、
「よくわからない」という回答。
考えられる理由の第1は、
天候と生産の状況変化。
今年は、梅雨期に雨が少なかった。
梅雨明けもはっきりしなかったし、
その後も晴天が続いた。
だから夏野菜の生育が早まった。
このため卸売市場への入荷量が一気に増えた。
その結果、価格が下落した。
第2の予測は、消費の側の問題。
今年は猛暑、そこで野菜より果物の方が好まれた。
さらに手間のかかる野菜料理が敬遠された。
夏野菜とは、特に夏季に収穫される野菜。
キュウリ、ナス、トマト、ピーマン、トウモロコシ、
オクラ、枝豆、ニラ、カボチャ、ズッキーニなど。
夏野菜にはカラフルなものが多い。
売り場作りしやすい。
不思議なもので、夏に収穫される野菜は、夏の生活に効果的。
夏は、紫外線などで目や体が疲労する。
夏野菜は、カロチン、ビタミンC、ビタミンEなどを多く含む。
夏ばてに効果が高い。
今年の8月商戦。
4つの段階に分けた。
第2段階のピークは長かった。
9日から17日。
イトーヨーカ堂は、ぴったりこの期間、
「朝市」を展開した。
そして今週、夏の終盤。
お盆ピークには、不況感が強いといっても、
それなりのごちそう続きだった。
しかし終盤は、夏に名残惜しみながら、
節約に戻る。
だから今、相場安の「夏野菜提案」には絶好のチャンス。
今週末は、夏野菜から発想した商売を、
大展開したい。
青果売り場はもちろんのこと。
鮮魚、精肉、日配、そして惣菜売り場も。
小売業に限らない。
レストランや外食でも、
夏野菜に関連した展開を図ることは可能だ。
明確な意図をもって、
お客に伝わるように、
そしてその意図やアクションが、
顧客に伝わったかどうかを、
一つ一つ確認しながら、
小さな修正を繰り返しながら、
やるか否か。
それによって、
成果は大きく変わる。
お客様の懐事情と、肉体的条件。
そして店の側の売りやすさ。
ただし、野菜の相場が下がるから、
売上高がまた低くなるという考えだけは、
持ってはいけない。
頭をかすめてもいけない。
今は、お客様の喜びだけを、考えよう。
お客様の気持ちに、同期しよう。
そうすれば、成果は自然に上がる。
小さな爆発を提案してきたが、
最終盤にきて、絶好のチャンス到来。
「失敗を恐れない!」
さあ、もう一息、頑張れ。
<結城義晴>