総務省が昨日発表した8月の消費者物価指数。
生鮮食品を除く総合指数は、
2005年段階を100とした時、
この8月は102.6。
前月より2.4%上昇で、前月の7月の伸び率と同じ。
日経新聞は「物価に天井感」と表現し、
朝日新聞は「物価上昇ピークに」と表す。
いずれも、物価は「高止まり」の状況。
だから、消費者の財布のひもは、「固止まり」。
(「カタドマリ」は私の造語。「タカドマリ」に引っ掛けた)
そのつもりで、今月の標語。
「原理・原則、全うせよ」
五つの原則。
一 利は元にあり。
二 利は売りにあり。
三 利は内にあり。(これも「ウリ」と「ウチ」の韻を踏んだもの)
四 利はこの品にあり。
五 利は他の品にあり。(この品と他の品も対比)
そして、品質は維持・向上させよ。
9月も残りわずか。
よろしく。
さて、昨日は、朝から、
横浜市立白幡小学校学校開放運営委員会総会。
私、このたび、会長を辞任。
ご協力ありがとうございました。
コーネル大学RMPジャパン副学長になって、
ひとつ増えたらひとつ減らす。
学校開放会長とコーネル・ジャパン副学長とでは、
仕事量は、雲泥の差だが、
気分が違う。
ほんとうにありがとうございました。
でも、地域とのかかわりあいは、なくさない。
だから「竹の子少年ソフトボール」のチーム代表は続ける。
昼から、東京・神田の日本セルフ・サービス協会で、
商業経営問題研究会と商人舎コンピュータ・リテラシー研究会の、
合同研究会。
今回は、研究会リーダーの當仲哲寛さん、
(株)プラネット社長・玉生弘昌さん、
そして座長の私の鼎談方式。
ただし、私は、コーディネーター役。
最初に、セルフ・サービス協会の三浦正樹専務理事から、
ご挨拶いただいて、感謝。
その後、當仲さんが、先月の復習のレクチャー。
小売業には、コンピュータに関して、
「餅は餅屋」という考え方が強すぎた。
「コンピュータリテラシー」とは
読み書き算盤のこと、
機械そのものにどれだけなじんでいるかが大事。
コンピュータとは、どういう道具で、何ができるか。
これを知ること。
だからもっと地味な勉強をすること。
コンピュータは、
簡単ではないが、
難しくはない。
コンピュータは、大きな電卓。
「残す まとめる 伝える」の三機能を持つ。
コンピュータなら何でもできる、ではない。
「システム=コンピュータ」という考え方が、
業務力や判断力をだめにする。
道具を熟知して、
業務の力を上げる。
コンピュータの知識も上げる。
その表裏一体で、改善が果たされる。
今回の、メイン講師は玉生さん。
プラネットという会社のオンリーワンで不可欠の機能を、説明しながら、
情報と通信と流通の根本問題を解き明かしてくださった。
EDIとは、エレクトリック・データ・インターチェンジ。
23年間、たくさんのメーカーと卸をつなぐ仕事をしてきた。
すなわちN対Nを結ぶ機能。
これが日本の日用雑貨の流通において、
なくてはならないものになった。
業界のインフラとして定着した。
基本は、業界として「標準化」ができるかの一点にかかっている。
EDIの標準には、三つの要素が必要。
①プロトコルの標準。
すなわち通信手順、例えば「J手順」といわれるものがある。
②コードの標準。
「発注データには、JANコード使う」と決めればいい。
③フォーマットの標準。
伝送フォーマット。これが一番の問題。
プラネットは、フォーマットを統一している。
だから、プラネットのネットワークに入れば、
メーカーは多数の卸店とすぐに通信できる。
それがN対N接続。
玉生さんのとてもわかりやすい話は、まだまだ続く。
そこで、當仲さんの問題提起。
メーカーの考え方と小売業の考え方には、
根本的に異なる部分がある。
卸を含めて、これらをつないでいくには、
どうしたらよいのか。
参加者から、質問や、意見が相次いだ。
それがこの研究会のいいところ。
私は、思う。
第1に、リテラシーの問題。
情報やコンピュータに馴染み、理解し、使いこなすこと。
第2に、業務にも精通すること。
すなわち、「知識商人」となること。
玉生さんにしても當仲さんにしても、最高の「知識商人」だ。
そして、第3に、ドラッグストアの世界で行われた手順を踏むこと。
まず、「セルフメディケーション」の大義を掲げた。
誰も、反対する者はいなかった。
その上で、「セルフメディケーション」実現のために、
一つ一つ手立てを打った。
だからチェーンドラッグストア協会にほとんどすべての企業が、
参画した。
だからあの薬事法が50年ぶりに改正された。
コンピュータやEDIの世界での、「セルフメディケーション」は、
顧客に主眼が置かれること。
これは同じ。
そして環境の問題、安全の問題などが柱となる。
それがこの研究会の方向性となる。
みなさん、ありがとうございました。
<結城義晴>
追伸
商人舎コンピュータ・リテラシー研究会は、
この鼎談の詳細を、近く、ホームページ上で公開します。
ご期待ください。