結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2008年09月23日(火曜日)

秋分の日、麻生太郎自民党総裁誕生!「もったいない」と「知識商人のイノベーション」を思う

日本中、秋晴れの秋分の日。

昨日の自民党総裁選挙で、
麻生太郎氏が圧勝。

私は、最初から、
「麻生太郎で決まり」と書いてきた。
麻生太郎
次は、小沢一郎民主党との決戦と、マスコミは煽る。
「太郎VS一郎」などと。

それはそれで、今回の自民党総裁選よりも、
大衆の興味を引くかもしれない。

しかし、麻生新首相には、
一刻も早く、スタグフレーションへの対策を、
内外に表明してもらいたいものだ。
それから総選挙となるのだろうが、
まず、「スタグフレーション」への視点を明確にした政策だ。

決して、従来型の「景気対策」であってはならない。

実体経済の消費マインドを活性化させる政策が必須。

同時に、国際的な貨幣経済への芯のある方針を構築し、
内外に表明すること。
貨幣経済は、揺れない軸が存在すると、
少しは安定するからだ。

アメリカ、EUと並ぶ日本が、
軸をぶれさせない対応をとることで、
世界経済に貢献することができる。
日本には、まだその力がある。

「節約、倹約。もったいない」
こんなコンセプトも、貨幣経済急膨張への反省として、
日本から発信しても良い。

1970年代の二度のスタグフレーションを乗り切ったのは、
合理化とイノベーションだった。

2008年の現在に、「合理化」という言葉は、
ちょっと似つかわしくない。

「もったいない」など、
21世紀的ニュアンスを持っていると、私は思うのだが。
150兆円にも膨張した国際貨幣経済。

「ドルという妖怪が徘徊する」現在。

「もったいない、もったいない」の、
夜回りの掛け声が、
妖怪を退散させるに違いない。

そして一方で、イノベーションの努力を最大限にする。


「イノベーションとは、顧客満足の創出である」

「最も技術的に劇的でない分野にこそ、
イノベーションは必要である」

ピーター・ドラッカー先生の言葉。
コーネル大学RMPジャパン主任講師でもある上田惇夫先生訳。

だからこそここで、
小売流通業、ホスピタリティ・ビジネスの出番となる。
知識商人の活躍が始まる。

私の訴えるイノベーションは、
まず「自ら、変わる」ことから始まる。

知識商人が、自ら変わることで、
その姿が、劇的には見えない商業の現場が、
大きく変わってゆく。
それが顧客の満足を創出させる。
健全な消費マインドを生み出す。
そして実体経済を活性化させる。

それが、イノベーション。

しかし、ここでも、
二律背反の「オクシモロン」が顔を出す。

「もったいない」と実体経済の活性。

顧客満足とは、いまや、
顧客の望む欲望を、
全て満たすことではない。

自分の顧客の満足を、
リードすることである。

だから企業にも、経営にも、
芯のある哲学が問われる。

ヤオコー会長の川野幸夫さんは言う。
「顧客指導業」
その上で企業や店は、
利益を生み出さねばならない。

秋分の日、
秋晴れの空を見ながら、
「もったいない」と
「知識商人の自ら、変われ」を
思った。

<結城義晴>

2008年09月22日(月曜日)

飛び石連休の合間に、近隣の店を回って「何の変哲もない店」を考える

Everybody! Good Monday!

まず、お知らせ。
商業経営問題研究会&第2回『商人舎コンピュータ・リテラシー研究会』開催のお知らせ

●日時:9月26日(金) 13時半16時半
●場所:日本セルフ・サービス協会 会議室
東京都千代田区内神田3―19―8 櫻井ビル ※JR神田駅徒歩1分
パネルディスカッション「小売業の情報システム問題解決に迫る」
プラネット玉生弘昌社長/USP研究所當仲寛哲代表(研究会リーダー)/商人舎結城義晴社長
●会費:無料
  ※お飲み物はご持参願います。
問題意識のある方ならどなたでも大歓迎!
お申込み、お問い合わせは info@shoninsha.co.jp

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さて2008年9月22日、月曜日。
明日は、23日の秋分の日。
飛び石連休。

日曜日の21日の夕方のピーク時。
私の近隣のスーパーマーケットを回った。
ユニー、ライフ。
ヨークマート、オーケー。
サミットストア、東急ストア。

朝から、雨模様。

夕方の繁盛時間帯なのに、
みんな元気がない。

それぞれの店へのコメントは避けるが、
全体の印象は、店側の元気のなさ。

ヨークマートが、昨年進出してきた。
だからヨークマートが出てきて、
しばらくは、みな緊張感があった。

しかし現状は、落ち着くところへ、
落ち着いた感じ。
だから、店に活気がない。

「何の変哲もない店が、
良いスーパーマーケット」

私は、スーパーマーケットとは、
そんな不思議な店だと思っている。

何の変哲もないが、
いつも鮮度に満ちた生鮮食品があって、
おいしいお惣菜やパンがあって、
必要な加工食品や菓子がそろっていて、
清潔で、
店員さんたちに元気がある。

そしてお客様との間に、
厚い信頼関係が築かれている。

私の近隣のコンビニは、
そうなっている。
セブン‐イレブンなど、
もう顧客たちは、何の変哲もない店と受け止めている。
そして最近のセブン-イレブンのおでんは、
凄い領域に入って来た。

さらに鮮度感があって、
クレンリネスが保たれていて、
セブン-イレブンとしての品揃えに欠品はなく、
フレンドリーだ。

私のジュニアソフトボール監督時代の選手が、
アルバイト店員として、
笑顔で迎えてくれたりする。

地域に根づいた店になった気がする。

それに対して、
近隣のスーパーマーケットからは、
どうも元気と親近感が感じられない。

どうしたものか。

「何の変哲もない人でありながら、
魅力がある」

「何の変哲もない店でありながら、
個性があって親しまれている」

それがスーパーマーケットやコンビニ、
ドラッグストアやファミリーレストランなど、
大衆の消費を支える店なのだろう。

それがチェーンストアなのだろう。

無理に、目新しさを出すことはない。
しかし、にじみ出てくる魅力。
それが毎日、お客様を迎える商売の本質。

例えば、アメリカの宝石店は、
12月のクリスマス商戦で、
1年間の売上高の90%を売り上げる。

だから、年末に店の魅力を最大限に発揮させる。

しかし毎日は、高値の花を、気取る。

「何の変哲もない」は、彼らにとっては敵である。
毎日は「非日常」でなければならない。
そして、クリスマスは、その頂点となる。

百貨店やプレステージストアもその領域の店。

しかし特にスーパーマーケットは、
家庭の台所の役目を果たす。
だから店自体には、お金をかけない。
きらびやかにしない。

何の変哲もない店となる。
その方が親しみやすいからだ。

お金をかけずに、親しみやすさを生み出す。

これ、一石二鳥。
だから小売業態として、
スーパー-マーケットやコンビニ、
ドラッグストアなどは、
最も成長した。

チェーンストアとなった。

ユニクロやしまむらも、
何の変哲もない店だ。

しかし何の変哲もない店だからこそ、
人に「元気」がなければならない。

あふれる元気が、
売り場や商品に映し出されていなければならない。

元気を出そうよ。
それがあなたの仕事です。

秋の飛び石連休。

Everybody! Good Monday!

<結城義晴>

2008年09月21日(日曜日)

ジジの「頭隠して尻隠さず」[日曜版」

1
今日のあさがた、
ゆれました。

なんだか、
不気味なものを感じるとおもったら、
そのあと家中が、
ガタガタとゆれた。
家が立っている地面が、
ぐらぐら、ゆれた。

「ジシン」とよぶそうです。

ボク、ジシン、こわい。

だから、このうちのお兄さんの、
ベッドの下に、とんでいく。

いつも、
かならず。
尻隠さず1

「頭かくして尻かくさず」
みんなに、そういわれる。

でも、ジシンはこわい。
だから、ベッドの下のせまいところに、
かくれる。
尻隠さず2

先週、ユウキヨシハルさん、
熊本から大阪まで、
とびまわっていた。

熊本には、「タイフウ」というのに向かって行った。
風がふいて、雨がふる。
それも、強い風とたくさんの雨。

タイフウには、なぜか番号がつけられている。
今回のタイフウの番号は、13。

それから「タイフウ13」に追いかけられるように、
お父さん、大阪へ向かった。

タイフウも、ボク、こわい。

でも、タイフウのあいまにも、
熊本のそらには、
夕日が見えた。
熊本

こわいものにも、
安らかなものが、
かくされている。

大阪では、
ほんものの「寺子屋」をひらいた。
yuuki
ユウキヨシハルさん、
ほんとうに感謝していた。
タイフウに追われたから、
よけいにうれしかったらしい。

そんなこわいものが去って、
こわいことが終わって、
ボクは、アンシンしています。
jiji
ユウキヨシハルのお父さんが、
かえってきて、
元気そうにしているからです。

ジシンもタイフウもこわいけれど、
それが去ったら、
アンシンがやってくる。

ボクは「頭かくして尻かくさず」しかできないけれど、
アンシンはかならず、やってくる。

<『ジジの気分』(未刊)より>

 

2008年09月20日(土曜日)

西端春枝先生のご尽力で大阪「4人のビッグセミナー」歴史的な一ページを記す、「寺子屋研修会」に心より感謝

ドルの安定に世界が動く

貨幣経済のもたらしたスタグフレーション。
「ドルという妖怪が徘徊している」

問題は、この貨幣経済の混沌が、
実体経済の、とりわけ消費マインドを停滞させてしまうこと。

「節約、倹約。もったいない」を貫くのは、
とても大切だが、
基盤となる世界の経済が、
ノーマルでなければ、社会は安定しない。

商業は、平和産業であることは間違いないが、
実体経済の中の平和産業である。

「虚」の貨幣経済が、まるで戦争状況に陥っている現在。
実体経済の平和産業は、
それを貫くしかない。

さて、昨19日金曜日。
前日、夕方、熊本から空路、大阪に入り、
朝から、菓子卸のNSグループで講演。
昨年の9月に続いて、2度目。

若手経営者を中心に、志をもって、
菓子のマーチャンダイジングのイノベーションを目指す。
だから私、ここでも応援団長。

テーマは「パラダイム転換の中の流通政策」
2時間きっかり、講演。
聞き手に基礎知識があると、
講義が進む。

まさに知識商人への情報提供は、
スピードアップする。

ご清聴、感謝。

講演後、新大阪から、タクシーで天満へ。
商人舎主催「4人のビッグセミナー」
テーマは「お客様のための商いの真髄」
ところは、大谷派浄信寺というお寺。

商業界全国女性同友会名誉会長の西端春枝先生のお寺。
その本堂に机と椅子をセットして、
80人お超える受講者が集まってくださった。
yuuki

講師は、お仏壇の前の壇上からお話しする。
不思議に、気持ちが落ち着いて、
一言ひとこと、丁寧に言葉を選んで語る。

まず最初に、西端先生の「激励の言葉」。
「仏道に通じる商道、いのち燃やして」西端先生

「その人を憶(おも)いてわれは生き、
その人を失いてわれは迷う」

西端先生がいつも大事な時に使われる歌。
私は大好きで、今回も感謝の気持ちでいっぱいになった。
歌

西端先生の後、私が1時間。
「お客様のためにいちばん大切なこと」
「益はなくとも意味はある」
益がなければ意味がない、では断じてない。
そして感謝、元気、人間力経営。

それから、(株)サエグサ流通研究所代表の三枝輝行さんの講演。
「お客様のための逆転の発想」
三枝さんは前阪神百貨店社長。
梅田の阪神百貨店を、
日本一の食品売り場の店に改革した人。
saegusa san
「日本はとことん行き着くところまでいかないと駄目。
自分さえよかったいい、というのがみんな悪くなった。
商業は、夢と時間を追っている。
楽しくなかったら、お店に行かない」

大阪弁のベらんめい調とでもいうのか、
実に歯切れよく、切りまくる。

しかも嫌味がない。

大阪毎日放送で、人気のラジオ番組を持っていらっしゃる。
「三枝輝行の商い勘所」
 
厳しくて、暖かくて、役に立つ講義。
あっという間に1時間が終わった。

最後のまとめは、
「商売に必要なこと。
感動、直観力、好奇心、行動力」

第3講座は、マイカル社長の松井博史さん。
めったにこういった講演会には出ない人。
しかし、西端先生のご尽力で、
今回、商人舎セミナーにご登場いただいた。
イオンの衣料商品本部長やイオン九州社長などを歴任され、
現在、マイカル社長。
松井さん
日本の商業で、最も厚い人材の層を擁しているイオンの、
切り札的人物。

松井さんの話は、「お客様に一番“信頼されるお店”めざして」。

「『マイカルさん』と、
さん付けで呼んでいただける会社になるために
お客様から信頼を得ることを第一にしている」

その上で、
「①お客様に代わって地球上から生活財を集めてくる。
②安心・安全を提供する。
③お客様、地域とともに行動し、成長する」

この3つの観点から、パワーポイントを使って講義してくださった。

説得力のあるいい話。
イオンの「トップバリュ」についても、
詳しくレクチャーしてくださって、
プライベートブランドに対する受講者の理解は格段に進んだ。

休憩時間に、私は自著へのサインに追われた。

筆ペンで、一句一句丁寧に書く。
時間がかかって、お待たせしてしまう。
恐縮。

さて、最後は4人のビッグセミナーのパネルディスカッション。
「お客様のための商いの真髄」
パネル
とてもよかった。

会場からも、質問を募った。

総括のような話をして下さる受講者も現れた。

パネルディスカッションは
マイカル再生の時のエピソード、
阪急阪神統合の話、
心と心の経営が不可欠であること、
そんな方向に進んだ。

最後に、それぞれのパネラーから、
一言で「商いの真髄」をいただいた。

松井さん。
「正しい、間違いというよりも、
うまくいっているかいないか。
いい店には、必ずいい理由がある」

三枝さん、
「お客さんが喜んでいるかいないか。
それだけです」

西端先生、
「馬鹿正直でもいい、目立たないのがいい、
お客様の幸せを願うだけ。
西端行雄は、そんな商人でした」

結城義晴、
「店は客のためにあり、店員とともに栄える。」
これを貫くこと。
ご存知、倉元長治先生の言葉。

皆様、ありがとうございました。
初の大阪セミナー。
それも、浄信寺本堂での、
本物の「寺子屋研修会」。
落ち着いた空間と、タイムトンネルのような時間を、
私たちは経験した。
不思議なセミナーだった。
自分でも、こんな研修会は、体験したことがないと感じた。

西端先生、西端春枝事務所の皆様、
商業界大阪同友会の皆様、
全国女性同友会の皆様、
そしてお集まりくださった受講者の皆様、
最後に出向してくださった先生方、
本当にありがとうございました。
心より、お礼申し上げます。
最後に
結城義晴、そして商人舎は、
この日の気持ちを絶対に忘れません。

合掌。

<結城義晴>

2008年09月19日(金曜日)

金曜日のこの1品と、九州ゼミナールと、ハローデイ新店オープン

商業経営問題研究会&第2回『商人舎コンピュータ・リテラシー研究会』開催のお知らせ

●日時:9月26日(金) 13時半16時半
●場所:日本セルフ・サービス協会 会議室
東京都千代田区内神田3―19―8 櫻井ビル ※JR神田駅徒歩1分
パネルディスカッション「小売業の情報システム問題解決に迫る」
プラネット玉生弘昌社長/USP研究所當仲寛哲代表(研究会リーダー)/商人舎結城義晴社長
●会費:無料  ※お飲み物はご持参願います。
問題意識のある方ならどなたでも大歓迎!
お申込み、お問い合わせは info@shoninsha.co.jp

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台風13号が日本列島の南を北上。
直撃しそうな店は、万端怠りなく。

さて、「林廣美の金曜日のこの1品」
惣菜マーチャンダイジングの第一人者林先生に、
今週末、この一品を売り込もうというアイテムをご提案いただく。
その第2回。

安い大きなハンバーグ弁当
398円。

クオリティ志向の店は、
手造りハンバーグを同時に、特売すること。

柔らかいハンバーグをつくるコツは……。
パン粉の代わりに、
「麩」を粉にして混ぜるといいのだ!!!

不況になると、安いタンパク質商品がどんどん売れる。
今、ハンバーグステーキ・レストランの隆盛をみよ。
ビッグボーイ、びっくりドンキー。
客が行列をつくっている。

ステーキレストランではない。
ハンバーグステーキレストラン。

それをお弁当にして提供する。

もう一度、言う。

398円のボリューム満点のハンバーグ弁当。
それに手造りハンバーグ。
もちろんひき肉売り場も、充実させる。

週末に向かって、頑張れ。
10月24日、林先生と「不況でも惣菜は売れる」セミナー
ロックフィールド社長の岩田弘三さんをゲストに迎えて。
乞う、ご期待。

さて、第43回商業界九州ゼミナールの二日目。
朝、9時45分から、私の講義。
「お客様のために いちばん大切なこと」
今、最も訴えたいことだけ、集中して訴えた。
「自ら、変われ」の本当の意味。
ご理解いただけただろうか。

私の講義、お陰様で好評だった。

講義の直後、
著書のサイン会。
行列ができた。
次の講義が始まっているのに、行列は終わらなかった。
次の講師の柴田昌孝さんには申し訳なかったが、
私は、お一人お一人に丁寧に、心をこめて、
筆、または太字のモンブランで言葉を書く。
「一人のお客様に誠実をつくせ」
ベニマル商法十二章の第二章に忠実にありたいから。

『お客様のために いちばん大切なこと』(中経出版)は、
瞬く間に売り切れ、品切れ。
『メッセージ』(商業界刊)もほとんど売れた。

本当に、ありがたい。
感謝します。

最終講演は、日本を美しくする会の鍵山秀三郎先生。
テーマは「凡事徹底」


実はこの日の朝刊で、発表されていた。
鍵山先生は、自ら創業された(株)イエローハットの取締役を辞任された。
ご長男の鍵山幸一郎社長も辞任、後任は堀江康生常務。
業績不振が、理由。

こんな時の、講演。
私、鍵山先生の心中を察しながら、舞台を見ていた。
実に見事だった。

「私は経済人としては、未熟です。
しかし、人間としては、信念を貫いてきた。
そのお話をさせていただく」
両手を演台につけて、
姿勢を正して、
きっぱりとお話しされた。

それが、素晴らしかった。
私は、感動していた。

創業のころ、鬼のような人間に、数知れず会った。

「世の中には本当の鬼はいないけれど、
鬼のような人間はいる。
一方、仏のような人間はいる。
仏のようになろうと努力しているうちに、
本当の仏になってしまうこともあるかもしれないが。

私は、仏のような人間になろうと努力してきた。
鬼のような人間には、なるまいと思ってきた。
ただし、ある意味では、鬼になろうと考えた。
私の場合、掃除の鬼になろう、と決意した」

いつもながら、いい話。
いい姿勢。

私も、見習いたい。
心より感謝。

閉講式。
運営主体の商業界熊本同友会の皆さんが壇上に上がった。

若手に、運営の主力はバトンタッチされつつある。
みなさん、本当にご苦労様でした。
本ゼミにも劣らない素晴らしいゼミナールでした。

私自身は、前田武男さんと高柳隆一さんには、
たいへんお世話になった。
ありがとうございました。
壽崎肇エルダー、米澤房朝さん、甲斐美由紀さんには、
特に感謝したい。

熊本同友会に続いて、
来年、九州ゼミナールを開催する宮崎同友会の面々も、壇上へ。

テーマは、
「共に語り共に学び
地域に笑顔と元気を発信しよう!」

東国原知事の頑張りで、元気な宮崎。
元気なゼミナールを期待しよう。

ゼミナールの合間に、
この日グランドオープンのハローデイ菊南店を訪問。
素晴らしいスーパーマーケット。
㈱むすんでひらいての原田社長にお送りいただいて、
加治敬通社長、神部ミズチ常務と、固い握手。
そして4人で写真。

11月21日金曜日に、
「ハローデイ感動のクリニックセミナー」
開催します。
福岡で、商人舎主催。

加治さんにも、神部さんにも言った。
「私は、店のオープンの日には、
鳥肌が立つような感動を覚えます。
この感動を、ずっと忘れてはいけない。
初日の感動を忘れなければ、
店は、必ず成功する」

ハローデイ菊南店。
熊本第3号店、必ず成功する。
いい人たち、いい店、いい売り場、いい商品。
必ず成功する。

おめでとう。

台風13号北上。
その台風に追われるように大阪へ。
緑一色の熊本平野を後に。

<結城義晴>

2008年09月18日(木曜日)

商業界九州ゼミナール熊本600名参加の大盛況、あなたは「自ら、変われるか」

リーマン・ブラザーズの破綻が世界を動かす。
三笠フーズの不正転売は、日本を巡る。

「儲かるからやった」
三笠フーズの財務担当が、テレビで語る。
とうとう自殺者が出た。

「楽して儲ける」
これが両者に共通の姿勢。
しかし、この根本のところが、最大の問題。
私は、これを全面的に否定し、
撲滅していきたいと考えている。

そんな中、台風13号が奄美大島の西で北上中の17日、
羽田空港から熊本へ。

第43回商業界九州ゼミナール熊本。
九州ゼミ1
テーマは、「挑戦 新商人に生まれ変われ」
今回は、熊本同友会の担当で、
九州全体から、600人の参加を見た。

商業界には各地に同友会という組織が形成されていて、
毎年、全国7ブロックで、
それぞれの地域連合同友会が主催する地方ゼミが開かれる。

九州ゼミナールは、その中でも、
「伝統的な熱さ」を誇る。
記念すべき第1回は、43年前、阿蘇で開催された。
伝説のゼミナールであった。

私は、福岡生まれということもあって、
九州ゼミナールには、毎年のように、呼ばれて講演する。

夕方、到着して、
第4講座担当講師の佐藤勝人さんの控室を陣中見舞い。
佐藤さんは「大手チェーンとどう戦うか?」というテーマ。
白板を3枚、舞台上に引っぱり出して、
次々に図解しながら、
栃木弁を交えて、面白おかしく、わかりやすく
ローカルチェーンの経営戦略を説いていく。

佐藤さんは、人気講師だ。

私は今回、第6講座と車座夜鍋塾を担当。
九州ゼミ2
初日の17日は、夜9時からの車座夜鍋塾。
夜鍋というには、ちょっと堅い話をして、
それから質疑応答。

リーマン・ブラザーズの経営破綻については、
どうしても触れないわけにはいかない。
貨幣経済の一部の破綻が、
実体経済にどこまで影響を与えるか。

これからの時代を切り拓く「知識商人」にとっては、
世界情勢も必須の知識である。

だから私は、難しい問題も、
できるだけわかりやすく解説しつつ、
情勢分析を試みる。

車座塾にご参加くださった皆さんに、
心より感謝。

地方ゼミナールにきて、経営の事情など聴いていると、
地方商業や地方産業の窮状が、よくわかる。

それでも必死で店や会社を切り盛りする商人の皆さんには、
ほんとうに頭が下がる。

車座では、事例も出して説明した。
鹿児島の「Iショップみやもと」、
大間々の「足利屋」。

衣料品店の方もいらっしゃったので、
ユニクロやしまむら。

それにしても、世界経済情勢はもちろん、
日本の産業構造の変化に、
地方商業は大きく影響を受けている。

「自ら、変われ」
この姿勢が求められている。

明日の講演の主題は、
「イノベーションとロイヤルカスタマー」に、
力点を置いたものとなりそうだ。

なぜなら、この二つが「スタグフレーション」の進む現在、
日本の商業に不可欠のものとなるからである。

最後に、車座夜鍋塾に集まって、
最後まで聞いてくださった皆さんと、
記念写真。

「グー」。
3

イノベーションとは、「不断の革新」である。

しかし、自ら変わらねば、このイノベーションはかなわない。

自ら変われない者が、
いかに声を荒げてイノベーションを語ろうとも、
説得力はない。

1970年代のオイルショックの時にも、
「スタグフレーション」を克服したのは、
徹底した合理化とイノベーションであった。

現在は、合理化はさることながら、
「イノベーション」こそが求められている。

さて、「自ら、変われるか」

あなたは、いかが?

<結城義晴>

 

2008年09月17日(水曜日)

リーマンの破綻と千葉県・茨城県の店店の顧客との「相互信頼」

リーマン・ブラザーズの米国連邦破産法11条適用で、
地球をぐるりと回った経済危機。

アメリカでは、1929年のブラックマンデーになぞらえられた。
世界大恐慌の再来かと。

負債総額6130億ドル(64兆円)で史上最大。
アメリカ証券会社第4位の経営破綻。

しかし、日本銀行、欧州中央銀行、米国連邦準備理事会が、
37兆円の資金供給をして、
世界経済破綻を食い止める策に出た。

だから日本の一般市民などには、
さして影響がないようにも見える。

実体経済に生きるものは、影響を受けにくい。

私も、ジャーナリストであるから、
いっさい、株は持たないことにしている。
だから個人的には、自分の資産への影響は全くない。

ご承知のように、リーマンの経営破綻は、
米国サブプライムローン問題に端を発する。

信用度の高いプライムローンに対して、
信用力の低い人向けの住宅ローンを、
サブ(準)プライム(優良)という。

要は、もともと信用のないものを証券化して、
そこに格付け機関が、偽りの信用を付加して、
なおかつ「安易に儲かる金融商品」としたもの。

それにリーマンも、
他の大手金融機関も乗った。

もちろん日本の金融機関や投資家も。

最初は低金利で、住宅ローンなどを貸し付け、
一定期間が来ると急激に上がる仕組み。

だからもともとサブプライムローンは、
信用の置ける「金融商品」であるはずがない。

しかし、みんなで渡れば怖くない、とばかりに、
馬鹿な金儲けに走った。

それがサブプライムローン問題。

さてここで最大の問題は、
世界で150兆ドルとも、170兆ドルともいわれる金融経済の危機が、
50兆ドルの実体経済にどのくらいの影響を及ぼすかということ。

金融経済は、貨幣経済とも言われるが、
実体経済が縮んでいるのに、
貨幣経済が膨れる。
困った現象が起こっていた。
これが、景気は悪化するのに、
物価が上がるという問題の源。

「スタグフレーション」という。

私は、貨幣経済の急膨張を、
「現代のバベルの塔」にたとえたが、
リーマンの破綻は、これに当たるのだろう。

人間が、神をも恐れず、
天に届くかというバベルの塔をつくり始めたとき、
神は、一瞬にして人間どもの言語を通じなくさせて、
バベルの塔の計画を破綻させた。

言語とは、人間の信用を築くもの。

「信用」の破綻が、人間の浅ましさを自覚させ、
大それた行いを戒める。

サブプライムローンには、そんなたとえ話が、似つかわしい。

さて、実体経済のひとつが、消費。

すなわち、世界の生活者の消費マインドに、
一部の貨幣経済破綻が、
どこまで影響を与えるか。

それが日々の商売をも左右する。

私たちの「実ビジネス」に関連するのは、この一点だ。

そして、イトーヨーカ堂創業者の伊藤雅俊さんが言うとおり、
「自分の力の及ばないところで起こる大変化」が起こった。
それに耐えるためには、
「実ビジネス」に徹するしかない。

「原理・原則、全うせよ」である。

昨日は、千葉県・茨城県のスーパーマーケットをぐるりと視察。
そこで感じたこと。

店は本来、地域に根付いている。
どんな店も。

お客様は、ローンを組んで家やマンションを買う。
あるいは敷金・礼金を払って、住むところを借りる。

すなわち投資して、その地域で生きる。

だから自分の住んでいるところは、
本来、よくあってほしいと切望しているはず。

つまり、自分の住んでいる地域の店には、
もともと愛着を感じるものなのだ。

自分が住んでいる家から一番近い店は、
誰しも、「自分の店」と思いたい。

ところが、店の側が、
一人ひとりのお客様のその気持ちを忘れる。

自分に引き戻して考えれば、すぐに分かることを、
仕事となると、すぐに忘れる。

お客様が、自分の店と考えたい、その当の店の側が、
お客様の気持ちを否定してしまう。

お客様と店との間にあるもの、
それが相互の「信頼」であり、「信用」である。

千葉県・茨城県の店店には、
そんな可能性が、すべてにあった。
可能性は与えられていた。

可能性を、「実体経済」に変えていた店は、
少なかったが、あった。

それが、残念でもあったが、嬉しくもあった。

リーマンの破綻と、
千葉県・茨城県の店。

「相互信頼」「信用」という意味で、
つながっている。

私たちは、「実体経済」の担い手として、生きる。

それだけは変わらない。
変えてはいけない。

<結城義晴>

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