日本中、秋晴れの秋分の日。
昨日の自民党総裁選挙で、
麻生太郎氏が圧勝。
私は、最初から、
「麻生太郎で決まり」と書いてきた。
次は、小沢一郎民主党との決戦と、マスコミは煽る。
「太郎VS一郎」などと。
それはそれで、今回の自民党総裁選よりも、
大衆の興味を引くかもしれない。
しかし、麻生新首相には、
一刻も早く、スタグフレーションへの対策を、
内外に表明してもらいたいものだ。
それから総選挙となるのだろうが、
まず、「スタグフレーション」への視点を明確にした政策だ。
決して、従来型の「景気対策」であってはならない。
実体経済の消費マインドを活性化させる政策が必須。
同時に、国際的な貨幣経済への芯のある方針を構築し、
内外に表明すること。
貨幣経済は、揺れない軸が存在すると、
少しは安定するからだ。
アメリカ、EUと並ぶ日本が、
軸をぶれさせない対応をとることで、
世界経済に貢献することができる。
日本には、まだその力がある。
「節約、倹約。もったいない」
こんなコンセプトも、貨幣経済急膨張への反省として、
日本から発信しても良い。
1970年代の二度のスタグフレーションを乗り切ったのは、
合理化とイノベーションだった。
2008年の現在に、「合理化」という言葉は、
ちょっと似つかわしくない。
「もったいない」など、
21世紀的ニュアンスを持っていると、私は思うのだが。
150兆円にも膨張した国際貨幣経済。
「ドルという妖怪が徘徊する」現在。
「もったいない、もったいない」の、
夜回りの掛け声が、
妖怪を退散させるに違いない。
そして一方で、イノベーションの努力を最大限にする。
「イノベーションとは、顧客満足の創出である」
「最も技術的に劇的でない分野にこそ、
イノベーションは必要である」
ピーター・ドラッカー先生の言葉。
コーネル大学RMPジャパン主任講師でもある上田惇夫先生訳。
だからこそここで、
小売流通業、ホスピタリティ・ビジネスの出番となる。
知識商人の活躍が始まる。
私の訴えるイノベーションは、
まず「自ら、変わる」ことから始まる。
知識商人が、自ら変わることで、
その姿が、劇的には見えない商業の現場が、
大きく変わってゆく。
それが顧客の満足を創出させる。
健全な消費マインドを生み出す。
そして実体経済を活性化させる。
それが、イノベーション。
しかし、ここでも、
二律背反の「オクシモロン」が顔を出す。
「もったいない」と実体経済の活性。
顧客満足とは、いまや、
顧客の望む欲望を、
全て満たすことではない。
自分の顧客の満足を、
リードすることである。
だから企業にも、経営にも、
芯のある哲学が問われる。
ヤオコー会長の川野幸夫さんは言う。
「顧客指導業」
その上で企業や店は、
利益を生み出さねばならない。
秋分の日、
秋晴れの空を見ながら、
「もったいない」と
「知識商人の自ら、変われ」を
思った。
<結城義晴>