[Good Monday]の月曜日ですが、
今日、日本は体育の日。祭日。
だから、明日、[Good Tuesday]となります。
悪しからず。
今、ニューヨーク時間で、
13日午前4時45分。
もう、帰国です。
かつては、2週間のツアーや10日間が、
アメリカ視察のパターンでした。
それが最近は、1週間。
実質、6日間。
岡田卓也イオン名誉会長が、最初に
アメリカを訪れたのは昭和34年だったそうですが、
そのころは、1カ月の長旅でした。
羽田空港から、皆に送られつつ、
タラップを上ったといいます。
現在は、スピード時代。
しかし、いつだって、あっという間に、
アメリカセミナーは終わってしまう。
名残惜しさが残ります。
そしてアメリカ視察の終わりの方は、
怒涛の臨店ラッシュなのですが、
それを十分にご報告できないままに、
日本での日常に、突入してしまいます。
だから今回は、帰国してからも、しばらく、
アメリカ報告を続けたい。
さて、この3カ月の、
アメリカ小売業の趨勢。
貨幣経済危機の中で、実体経済はどれくらい影響を受けているのか。
数値は以下の通り。
①9月の売上高前年同月比
②8月の売上高前年同月比
③7月の売上高前年同月比
百貨店は、皆、直撃された。
ノードストローム。
①▲9.6% ②▲7.9% ③▲6.1%
超高級百貨店ニーマン・マーカス。
①▲15.8 ②▲0.5 ③▲1.7%
老舗百貨店サックス・フィフス・アベニュー。
①▲10.0% ②▲5.9% ③▲5.3%
ジュニアデパートで好調組だったコールズも、
①▲5.0% ②▲5.0% ③▲10.0%
GMSと呼ばれたJCペニー
①▲12.0% ②▲4.0% ③▲6.0%
ファッションチェーンは軒並み、ダウン。
かつての王者リミテッド。
①▲6.0% ②▲7.0% ③▲5.0%
強者ギャップも。
①▲11.0% ②▲8.0% ③▲11.0%
あのアバクロンビー&フィッチも、
数字はどんどんひどくなる。
①▲14.0% ②▲11.0% ③▲7.0%
ドラッグストアは好調。
ウォルグリーン ①4.7% ②0.9% ③4.1%
ライトエイド ①1.7% ②1.1% ③1.2%
好調から不調への境目が、
オフ・プライスストアのTJX。
①▲1.0% ②0.0% ③3.0%
7月まで、前年対比売上高がプラスだったのが、
8月にプラマイゼロになり、
9月にマイナスに転じた。
業態として好調だろうと思われるのが、
ディスカウントストアとスーパーセンターだが、
明暗分かれている。
王者ウォルマート。
①2.0% ②2.8% ③3.0%
対抗ターゲット。
①▲3.0% ②▲2.1% ③▲1.2%
メンバーシップ・ホールセールクラブは絶好調。
ウォルマートグループのサムズクラブ。
①4.6% ②4.2% ③3.5%
独走コストコ。
①8.0% ②9.0% ③10.0%
サムズクラブは、ウォルマートの1業態。
だから、すべてのフォーマットの中のチャンピオンは、
コストコ。
それに続いて、ウォルマート。
そしてウォルグリーン。
かくて、
CWWが実体経済を支えていることになる。
ゴロが悪いから、WWC。
さて、ディスカウント型フォーマットが好調のように見えるが、
その中でも、仕分けが進む。
私は「寡占から複占へ」と言い続けてきた。
すなわち、そのフォーマットの大規模企業は、
数社から2社になると。
しかし、この数カ月、
2社ではなく、1社に絞られてきた。
そしてその次に来るのは、
業態フォーマット最強企業同士の「業態間対決」か。
貨幣経済のクライシスは、
歴史の独楽の早送りを生み出す。
業態の変遷が、走馬灯のように見える。
おもしろいことなのだろうが、
不安にもなる。
全体として見た、実体経済はどうなるのだろうかと。
こんな時にこそ、
革命的な業態が誕生するに違いない。
それが、ウォルマートの新フォーマット「マーケットサイド」なのか。
「何の変哲もない店」でありながら、
「顧客の暮らしに欠かせない店」
そんな店であったら、
これは、革命的なフォーマットだろう。
帰国します。
バスが待っている。
<結城義晴>