週末は、盛りだくさん。
①世界経済の話。
②「林廣美のこの一品」
③アメリカ報告「ニコラス・グランドオープン」
株式市場、大混乱。
週明け、暴落から反発したものの、
三度、四度、反落。
日本の基準は、日経新聞の平均株価で表現される。
アメリカは、ダウ・ジョーンズ社。
だから日本は「日経平均」
アメリカは「ダウ平均」
その日経平均、昨日は1089円も下がった。
11%強のダウンで、過去二番目。
平均株価が8458円。
為替市場でも、ドルが下がって、円が上がった。
1ドル99円台前半。
一連の株安によって、
アメリカ・ヨーロッパ・日本で、
時価会計を一部凍結する動きが出始めた。
企業の会計原則を、一時的に、
株式の時価で評価するやり方から、
簿価で評価するやり方へ戻す。
世界の貨幣経済の最大の要素は、株式時価総額で、
それが1年前には40兆ドルあった。
それがこのところの株価暴落で半減した。
これを時価総額で評価していたら、
多くの企業の「企業価値」が半減してしまう。
だから時価評価の会計制度を、一時的に凍結しようというのだ。
すなわち、
「企業価値」の評価が変わりつつある。
株価評価という物差しの転換。
何に?
それは、今のところない。
私は、企業の「信用」が、
何らかのメジャーになるのがよいと思っている。
それは、株価ではなくなりつつある。
マネーではなく、「信用」。
それが今日のニュースの最大のポイント。
さて、今日の第二弾。
「林廣美の金曜日のこの一品」
週末に、この一品をお客様に売り込んでほしい。
その、商品は?
「新米ちらし寿司」
おばあちゃんがつくるようなちらし寿司。
各地域の土産土法のちらし寿司。
「土産土法」(どさんどほう」とは、
その土地でつくったものをその土地の調理法で食べること。
しかも、今の時期は新米を使う。
「新米」のシールを必ず貼ること。
なお、来週、金曜日の24日。
林先生、岩田弘三さん、そして私の、
「3人のビッグセミナー」開催。
岩田さんは、ご存知、ロックフィールド社長。
いま、惣菜・中食の世界で最も自信を持って経営している人。
ウェグマンズのカテゴリー・マーチャント吉野邦夫さんをして、
「あのまま持って帰っても、売れる商品ばかり」と言わしめた。
そのロックフィールドの岩田さんの経営、商品、時代の見方。
それらが、全部、分かる。
是非、ご参加を。
さて、今日は、盛りだくさん。
何度も言う
第三弾は、アメリカ・スーパーマーケットのカメラ・レポート。
大好評。
あまり知られていない企業。
たった2店舗の「ニコラス マーケット」。
ニュージャージーで1943年に、食品店としてスタート。
現在、「フード・タウン」というバナーで、
800坪のスーパーマーケットを展開。
インディペンデントながら、素晴らしい店づくり。
ニュージャージーで1943年に、食品店としてスタート。現在、「フード・タウン」というバナーで、800坪のスーパーマーケットを展開。インディペンデントながら、素晴らしい店づくり。
私たちが訪れた10月11日は、
リニューアル・グランドオープンの日だった。
ニュージャージーの高級住宅地の木陰の中に、
瀟洒な建物が登場する。
ネイバーフッド・ショッピングセンター。
入り口で、縫いぐるみのライオンが出迎えてくれた。
楽しいスーパーマーケット。
ロバート・グリーンウェイ店長がインタビューに応じてくれた。
「リニューアルオープンで、店は新しくなった。
最新のマーチャンダイジングを展開している。
プロデュースの部門、サービス・デリの部門が鍵を握る」
現在、120名の店員。
皆、家族的な雰囲気で、
インディペンデントにしか出来ないサービスを提供している。
「Niche(ニッチ)」という言葉は、
その人、その会社の「最適の位置付け」を意味する。
「隙間」という意味だけではない。
アメリカで生き残って、再投資できる独立系の店は、
必ず、ニッチのポジションを獲得している。
それは、自らの「ロイヤル・カスタマー」を確保しているから、
可能となる。
店舗入り口では、美しい花が顧客を迎えてくれる。
右手壁面の最初の売場は、バナナとパイナップル。
大きなカットで「試食」を提供。
瑞々しい葉物の売場が続く。
左手壁面はカットフルーツから始まる。
左手は、見事なりんごの売場。
アメリカでは、20SKU以上のりんごがなければ、
強い青果部門とはいえない。
青果売場から、鮮魚部門に続く。
今回、強化した売場。
そして奥の壁面は、ミート、乳製品。
牛肉は、「プライム」の最上級グレードを品揃えしている。
フレッシュ・ソーセージも、このニコラス独特の味。
店舗左側に、チーズの売場。
これもインディペンデントのスーパーマーケットには、
欠かせない売場。
モッツァレラチーズの試食実演コーナー。
これがおいしいし、惜しげもなく試食させてくれる。
顧客はまさに「サンプル・ライフ」。
チーズに続いて、ゲーム・ミートの対面売場。
そして寿司は欠かせない。
ただし、これは問屋の商品。
本格的なデリカテッセン。
対面売場で、顧客の要望どおりの量を包んでくれる。
レジ前には、美しいボリューム陳列のグロサリー。
店舗左手がベーカリー。
このベーカリーも商品とイメージが一致している。
コーネル大学では「ノン・ファンクショナル」という。
最後にデザート・ケーキ売場。
アメリカのスーパーマーケットは食事の順番に、
部門が並んでいる。
部門を回ると、フルコースのディナーが楽しめる。
レジは、フレンドリー。
グランドオープンだからといってぎすぎすしたとこは全くない。
「ニッチ」こそ、生きる道。
そのニッチであることに、誇りを持つ。
それがアメリカのインディペンデントの生き方なのだ。
週末の長編、ご愛読、感謝。
<結城義晴>