10月28日正午、成田を発って、
28日朝のダラスに到着。
そのままテキサス州の州都オースティンへ。
民主党のオバマ候補の優位は動かない。
白人の子供に近い狂信者が、
オバマ暗殺を謀って、逮捕されたけれど。
この日の米株式市場で,
ダウ工業株30種平均が、3日ぶりに急反発。889ドル35セント高の9065ドル終了。
上げ幅の大きさは過去2番目だった。
大きく下がって、大きく上がる。
乱高下。
午前には、10月の米国の消費者信頼感指数が前月比で急低下し、
過去最低を更新。
そんなとき、ウォルマートのCEOリー・スコットが、
投資家説明会で、出店抑制策を発表。
今期の出店数は、191店に抑える。
これは、前年対比12%のマイナス。
来期も、150店前後に減少の計画。
これはマイナス35%。
2008年1月決算期には218店の出店数だった。
米国内飽和が近付いている上に、
この不況。
投資額も、前期の91億ドル(9100億円)から60億ドル前後に減らす。
リー・スコットは、同時に、
日本の西友に関してもコメントした。
「日本事業には満足していないが撤退はしない。
日本は小売業市場が約1兆1000億ドルと巨大な市場。
にもかかわらず、上位20社がシェア2割を分け合う。
つまり細分化された市場だ。
従ってわれわれの可能性はまだある」
そんなときの、オースティン。
HEバットとホールフーズ。
前者はアップスケールタイプの「セントラル・マーケット」も、
レギュラータイプのフード&ドラッグも好調を維持している。
セントラル・マーケットのフーディーズ・バーバラさんは、
「不況になって、高価な商品は売りにくいが、
スペースに余裕があれば、ワインを置く。
ワインは食事を誘発する」
こう語る。
カスタマーを「ゲスト」と呼び、
レストランのようなサービスを展開する。
それがセントラル・マーケットの差異性。
一方、フード&ドラッグのアシスタント・マネジャーも力強く語った。
ノエ・ガルシアというメキシコ人。
1年前に、アルバートソンから転職した。
昨年収は12万ドルと高給取り。
この会社は、家族的。
1週間前にこの店の全員「100ドルずつボーナスが出た」
貨幣経済危機の今、業績維持をしている非上場企業は、
従業員満足を高める策に出る。
それが売り場に出ている。
客数に反映されている。
ホールフーズの旗艦店。
売り場のレベルは、さすがの水準。
しかし、客数ががた減りの感あり。
午後、4時くらいのピークタイムのはざまに訪れたからかもしれないが、
やや元気がない。
ニューズウィークで、
「ホールフーズは高い」
と決めつけられたイメージが、
この貨幣経済破綻の今、
ボディーブローのように効いてきている。
しかし、ホールフーズに迷いはない。
客数は少ないが、従業員はカスタマーサービスに懸命だ。
スモークサーモンの試食を頼んだら、
「これもいかが、これもいかが」
と次々に勧めてくれる。
レジでも、ショッピングバッグを家族にプレゼントする、と言ったら、
4セットもサービスしてくれた。
ホールフーズの懸命さが感じられる。
実体経済の担い手という自負も失われていない。
これは、本当にうれしいことだ。
<結城義晴>