結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2008年10月24日(金曜日)

ダイナムホールディングス社長・佐藤洋治のリーダーシップ

東京の株式市況は昨日、
8016円まで下がった。

まさに歯止めがかからない。

9月の日本の貿易収支は、前年同月比でマイナス94%。

元ジャスダック取締役・牛島憲明さんは言う。
「だいたい4割5分は、皆、損してる」
牛島さんは、ズバリずばり核心を突く株の専門家。
パチンコ・トラスティ・ボード有識者懇談会の同志。

イオンは、先週土曜日の18日から、
1000品目のコモディティ・グッズのディスカウント断行で、
それが好調。
約2割引き。

がんばろう日本!とことん価格

来年2月28日まで。
ジャスコ、マックスバリュなど2000店全店。

ニトリの方が、徹底している
5月30日に第一弾の「値下げ宣言」268品目。
8月1日に第二弾「値下げ宣言」372品目。
両方とも継続しているから、現在も640品目。
そして11月1日に第三弾「値下げ宣言」を予定している。

そんな昨日、
佐藤洋治さんが語った。
ダイナムホールディングス社長。sa
ダイナム会長。
パチンコホール業界の革新者。
グループ年商1兆2000億円。
店舗数パチンコホール「ダイナム」、外食「めん六や」を合わせると、
600店のチェーンストア。
「1円パチンコ」の新業態開発で気を吐く。
こちらは、価格25%のディスカウント・タイプ。

「今、切り詰めるところは徹底して切り詰める。
そしてイノベーションを進める」

「今こそ、トップの意思決定が大事。
だから、トップマターの重要案件は、
トップに必ず、情報が入るようにすること」

スピードこそ、重視されねばならない。
直近の現場の数値を、全員がつかんで仕事しなければならない」

コンプライアンスとは、
業務分掌・業務手順・作業指示の
三点セットが出来上がって、
現場から発想されたものでなければ、
意味がない」

現場主義を貫くから、売価4分の1でも、
利益を増やしていけるのだ。

今現在の至言。

そして、今こそ、
佐藤さんのようなリーダーシップが必要とされている。

<結城義晴>

 

2008年10月23日(木曜日)

全日食チェーン「第9次5カ年計画」の凄さとボランタリーチェーンとしての蛻変

日本チェーンストア協会の9月販売統計
とうとう食品まで、
マイナス2.3%の前年同月比割れになった。

衣料品はマイナス5.2%。
住居関連はマイナス2.2%。
サービスだけがプラスで3.5%。

全体では既存店ベースでマイナス2.2%。
これはまあ、そんなものだろうとは、皆、思うだろう。

日本チェーンストア協会は、
総合スーパーの協会といってよい。
その販売統計は、総合的な消費指標となる。

食品全体でみると、外食費が激減してきた。
その分が内食・中食に回っていた。
「節約・倹約。もったいない」の傾向が、
こんな形で、チェーンストア協会の食品の売上高に表れていた。
2月から、8カ月連続で、食品の販売実績は前年をクリアしてきた。
しかし9月にとうとうそれもダウンとなった。

本格的な消費低迷期に突入してきた。
実体経済に強く影響が出てきた。
そう受け止めるべきだろう。

心してかかるべき2008年終盤である。

だから昨日の日本ハム社長・小林浩さんの指摘のような、
品種別・品目別の吟味峻別が大切となる。

小売りの神は細部に宿る。
これである。

さて、この不況期に気を吐くグループがある。

昨22日、東京・台場、ホテルグランパシフィック。
台場
毎年恒例の全日食躍進チェーン大会」
盛大に開催される。
全日食
「第9次5カ年計画樹立記念」と銘打たれ、
例年にも増した一段と力のこもった大会。

午後2時から記念講演。
評論家の大宅映子さん。
「変わらなきゃ、これからの日本」

「蛻変」「自ら、変われ!」と、
偶然にも主張は同じ。

その後3時30分から「躍進チェーン大会」
大会会長で全日本食品社長の齋藤充弘さんが力強いご挨拶。

何しろ、齋藤さん、自信にあふれている。
「ボランタリーチェーンの時代だ!」
齋藤さんの語り、
2000人以上も集まった日本の食品産業関係者に、
強いインパクトを与えた。
斎藤社長

8月5日のこのブログにもご登場いただいた
商人舎・商人ねっとコラボ企画のCDオーディオセミナー。
その第2回ゲストで、前年比143%の絶好調ぶりをご披露願った。

その勢いは、3カ月経過しても衰えを知らない。
世界の経済は、この間、乱高下に次ぐ乱高下。
でも全日食チェーンは、勢いを増すばかり。

その日本最大のボランタリーチェーンが、
第9次の5カ年計画を発表。
これが終了し、次の5カ年計画を出せば、50年。

5カ年計画をここまで続ける企業や組織は、あまりない。

全日食チェーンの良い意味での「しつこさ」がよく出ている。

その5つのスローガン。
1.情報化を駆使して、
店頭指導体制の確立を行う
2.食品スーパーとしての新たなるビジネスモデ
ルの普及を行う
3.真に一元化されたチェーンシステムの
稼働を目指す
4.小さな本部を堅持する
5.更なる加盟店組織活動の醸成を行い、
VCピープル精神を堅持する

さらに平成20年度のスローガンは8つあるが、
これが、いい。

①店頭売上高昨対105%を達成する
②“新・商品政策”店頭実施率80%を達成する
③“新・発注システム”加盟店普及率50%を達
成する
④VC-POS加盟店導入率70%を達成する

この8つのスローガンの凄さ、
お分かりになるだろうか。
4つの達成目標が、明確な数値化を伴っているのだ。
ボランタリーチェーンで、この数値を言い切れるところは少ない。

⑤生鮮加工センターの全国への普及を行う
(+5カ所)
⑥新業態“生鮮・総菜シンジケートモデルと
1+5モデル”の普及を行う(+10店)
⑦小さな本部を堅持する(400名体制の堅持)

どうだろう、すべて数字で表現する。

そして最後に、
⑧活力ある加盟店組織活動の醸成を行う

「うっすらとですが本部にも、加盟店にも、
光が射してきたように感じております。
この薄明りを本物にすべく、本部・加盟店みんな仲良く朗らかに、
(以和為貴)スクラムを組んで本年も進んで行きたい」

齋藤さんの決意表明は、見事だった。

「以和為貴」は全日食チェーンの社是。
和を以って貴しと為す。

第3部が祝賀会。
その間に、ロビーで弦楽四重奏。
弦楽四重奏

祝賀会の最初のご挨拶は、
全日食チェーン商業協同組合連合会の江刺公夫副理事長。
aisatu
全日食チェーンの幹部は、皆、スピーチがうまい。
江刺さんも、自主性を生かしつつ、
「新しいビジネスモデルづくり」に励むと宣言。

農林水産省、経済産業省の官僚の挨拶のあと、
社団法人日本ボランタリー・チェーン協会・宮下正房会長のご挨拶。
宮下先生
「ボランタリーチェーンのいいところ、
フランチャイズチェーンのいいところ。
両方を合わせてボランチャイズ・チェーンという人がいる。
全日食チェーンはそれになってきた」

「座布団一枚!」

しかし、全日食チェーンは、小さな本部にこだわる。
だから、あくまで真のボランタリーチェーンであると、私は思う。

むしろ、全日食チェーンは、「蛻変」しつつあるのだと考える。

殻を脱ぎ捨てようとしているのだ。

懇親会では本当に多くの人々と、懇親した。
もちろん、齋藤充弘さん、
連合会会長の田中彰さん。
お二人は、商人舎の発起人、商人舎ファミリー。
菱食相談役の廣田正さんも商人舎ファミリー。

そしてほんとうに久しぶりに、
名門・明治屋の磯野計一さんにお会いできて、
私、うれしかった。
現在、取締役相談役。
磯野さん
思わず、固い握手。
お元気そう。

米国ウィスコンシンの夜のこと、
新丸ビルオープンの日のこと。
いろいろなことを思い出した。

磯野さんもすっきりして、蛻変したみたいだった。

今日も、いい一日だった。
いい人に会えた。
夕べに、感謝。

<結城義晴>

2008年10月22日(水曜日)

年末商戦の基調トレンドと豊橋女性同友会での講演会の実感

イギリスの北に位置する国・アイスランド。
人口30万人、面積は北海道並みの国家。
このアイスランドの経済と国民が、
危機に陥っている。

円建てで、債券を発行した銀行、
円建てで、ローンを組んだ国民。
今回の経済危機で、円は高騰。

アイスランドは、10年間に国内総生産が
2倍以上に膨張。
金融立国そのものだった。

国民は、この10年間、わが世の春を謳歌した。
それが、暗転。

自国の中央銀行の金利は15.5%、
だから低金利の円建てに走った。

朝日新聞が一面トップで報じる笑えないスクープ。

以って自戒とすべし。

日本ハム社長・小林浩さんのコメント。
これは日経新聞。
「歳末商戦では
実用的なハムギフトの需要が伸びた」

ローストビーフやハムステーキのブロックが人気。
お買い得感のあるタンパク質。

このブログで、惣菜指導第一人者の林廣美先生が、
指摘し続けていること。
それが、年末商戦を先取りしたギフト需要に表れた。

これから新年までの食品販売の基調となるトレンド。

忘れるべからず。

サイゼリアの中国産ピザから、
メラミンが検出された事件。

ディスカウントタイプのイタリアンレストランだが、
ディスカウントするには中国産は、不可欠だった。
初動のマスコミ対応はちょっともたもたしたが、
同社は、ピザ生産会社・金城速凍食品との取引を中止。

痛手は大きいが、即座に返金を実施。

重要なのは、レシートを持たない顧客にも返金する姿勢。

無条件で、返金する。

サイゼリアの最善の策。

返金額は8日間の販売額8000万円になり、
無条件返金でそれが増えると見込むが、
しかし、今、サイゼリアにとっては、
これしかない。

すべての商人の教訓になる。

さて、昨日は、静岡県豊橋へ。
「豊橋優友第7回セミナー」に出講。
主催は、商業界ゼミナール全国女性同友会豊橋優友。
豊橋の女性経営者の集まりが、
毎年のようにセミナーを自主開催。

商業者が、自ら企画し、自ら参加者を募集する。
セミナーを開催すること自体が、勉強になる。
とてもよい集まり。

テーマは「21世紀に輝く女性商人道」。
何と、397枚もチケットが売れ、
会場は満杯。
豊橋1
第1講演は、西端春枝先生。
ご存知、商業界全国女性同友会名誉会長。
商人舎ファミリーの女性代表。

先月、大阪で「商人舎寺子屋研修」を開催させていただいた。
その時にも、共同主催のような形で、たいへんお世話になった。

西端先生のテーマは、
「仏道に通じる商道、いのち燃やして」
いつものように、心に沁みるお話を1時間。
それでいてユーモアに溢れている。
私も、いつも脱帽。

全員が、熱心に聴き入った。

10分の休憩。
豊橋4

西端先生に続いて第2講演は私。
「お客様のために、今、いちばん大切なこと」

レジュメには入れていなかったが、
カスミ社長・小濵裕正さんの「蛻変の哲学」をご紹介。
一昨日、小濵さんとの対談後、お聞きした小濵さんの座右の銘。

これが、私の「自ら、変われ」に同期する。
コーネル大学のリーダーシップ論の結論にも一致する。

そして、商業界を辞して、商人舎を設立した私自身の生き方にも。
商業の近代化から現代化を目指す商人舎の在り方にも。

不思議な言葉との不思議な出会いだった。

セミナーの最後には全員で、
「今日の日は さようなら」を斉唱。
toyohasi

いいセミナーだった。

そして女性事務局に囲まれて記念写真。
豊橋3
豊橋優友の会・会長の河合正枝さん、ありがとうございました。
河合さん抜きにはこのセミナーはない。
第7回実行委員長・松井美行さん、ご苦労様でした。
素晴らしいセミナーでした。

すべてが終了してから、
河合さんの経営する「武蔵園」を、西端先生とご一緒に訪問。
素晴らしいお店。
武蔵1
河合さんはとんかつの武蔵グループの総帥。
凄腕の経営者。

その河合さんの念願かなった新フォーマットが「武蔵園」
今年4月4日オープン。

店内は、個室スタイルになっている。
武蔵2

こちらは恵比寿の間。
武蔵3

レジのスペースでは、マイ箸やプライベートブランドの提案も。
musasi3

豊橋優友の会と武蔵園、
西端先生と河合会長。

今日も仕事した実感。
いい日だった。

すべての人に、感謝。

<結城義晴>

追悼

イオン株式会社、元代表取締役副会長林信太郎氏のお別れの会が
21日午前11時30分より、千代田区紀尾井町のホテルニューオータニ「芙蓉の間」において、しめやかに執り行われました。
林氏は、1921年8月生まれで享年87歳。
通商産業省を経て、1976年ジャスコ株式会社に入社。
ジャスコ興産代表取締役社長、ジャスコ代表取締役副社長、日本クレジット代表取締役社長、ジャスコ代表取締役副会長、同取締役相談役などを歴任、イオン株式会社の発展に貢献しました。
また社団法人日本ボランタリー・チェーン協会の会長を務められるなど、地域商業の発展、中小企業、専門店の育成にも尽力されました。
参列者は林氏の遺影に献花後、故人を忍びつつ懇談、漸次、散開しました。
慎んでご冥福をお祈りいたします。
株式会社商人舎

2008年10月21日(火曜日)

長期景気後退のカスミ社長小濵裕正さんの「蛻変の哲学」

「景気後退」
昨20日、政府は、10月の月例経済報告で発表した。

輸出、生産、雇用、個人消費、業況判断、倒産。
この6項目で下方修正。

国内総生産(GDP)の半分以上を占める個人消費も、
12カ月ぶりに下方修正された。

「いまさら」という感じが強いが、
やっと政府が景気後退を認めた。

景気には山と谷がある。
その山から谷への、下り坂のカーブが、
日本経済において鮮明になったということ。

そして問題は、これがいつまで続くかという点。

景気後退局面での最長は、36カ月。3年。
これは1979年の第二次オイルショックの後。

次が32カ月。
これは1990年のバブル崩壊後の長期不況。

今回は、この二つの景気後退局面と比べてどのくらいなのか。

世界の情勢をみると、それ以上か。
日本の状況を考えると、同等か、それ以下か。

いずれにしても、2010年まで続くと考えておいた方が、
安全だろう。

2010年。ずっと言っている。
これが節目。

そこまで、潜水泳法。
そこまで「節約、倹約。もったいない」が基調。
ときどき「失敗を恐れない」。

そして「原理・原則、全うせよ」
「だからを廃し、にもかかわらずを貫け」
商人舎標語が生きてくる。

さて、昨日は、つくばエクスプレスで茨城県つくばへ。
カスミ本社。

小濵裕正社長インタビュー。

商人舎と商人ねっとのコラボレーション事業、
「CDオーディオ・セミナー」の収録、第4回。

小濵さんとは8月のはじめにお会いした。
2Shot3
カスミのつくばセンター。

ほんとうにいい気分だった。

今回は、真剣勝負のインタビュー

素晴らしい内容だった。
心から感謝したい。

インタビューは社長室の隣の応接室で。
カス1

小濵さんの経験、実績、見識。
現在の日本の商業界で、群を抜いている。

小濱社長

ご自分のキャリアから、カスミの改革。
ダイエー時代のエピソード。
そして日本のスーパーマーケット、
アメリカのスーパーマーケット。

日本のチェーンスストア。

話題は、多岐に及んだ。
小濵さんはすべてに、明快な解答をもっていらっしゃる。
小濱社長3

カスミは、現在、3つのフォーマットを持つ。
①フード・スクウェア30店
②フード・マーケット88店
③フード・オフ・ストッカー16店

このうち、従来型のフード・マーケットは、少しずつ減っていく。
そして二つのフォーマットを北関東で展開することとなる。

この考え方は、コーネル大学の
「マルチ・フォーマット戦略」である。

とにかく、私と考え方が一致することばかり。
うれしくなった。

ダイエーで育ち、
さまざまな新規業務や新規事業を推進し、
労働組合の専従を経験し、
マルエツの立て直しをし、
そしてカスミを再建した。

その間、チェーンストア理論を学び、
その是非を検証し、
現在に至る。

良いインタビューだった。
私は、心の底から満足した。
結城

最後に写真。
小濱社長2

インタビューには収録されなかったが、
小濵さんの座右の銘。
「蛻変」
座右
蝉のように、あるいは蛇のように、
脱皮し、変態してゆかねばならない。

企業も人間も。

私も、まったく同感。

私は、商業界で30年、商業の近代化を追及した。
いま、蛻変の如く商人舎で「現代化」を目指す。

「近代化」と「現代化」は蛻変の如く異なる。

それが分かった。

小濵さんに、心から感謝したい。

最後にカスミ秘書室広報担当の小倉美也子さんとツーショット。
小倉さんにも感謝。

いい一日だった。

今日も、仕事した、という実感をもった。

<結城義晴>

小倉さんと

2008年10月20日(月曜日)

「にもかかわらずの論理」の“What a wonderful world”と収穫祭ハロウィンのお勧め

Everybody! Good Monday!

2008年10月20日、月曜日。

ルイ・アームストロングの
“Wtat a wonderful world”から、
始めてみましょう。

What a wonderful world [Photo by K.Mondo]

I see trees of green, red roses too,
I see bloom for me and you,
And I think to myself, what a wonderful world.

緑の木々が見える、真っ赤なバラも。
僕と君のために咲いている。
僕は思う、なんて素敵な世界なんだろう。

I see skies of blue and clouds of white,
The bright blessed day and the dark sacred night,
And I think to myself, what a wonderful world.

青い空が見える、白い雲も。
満たされた太陽の輝き、聖らかな夜の深さ。
僕は思う、なんて素敵な世界なんだろう。

The colors of the rainbow, so pretty in the sky,
And also on the faces of people going by.
I see friends shaking hands, saying how do you do,
I know they’re really saying I love you.

七色の虹が、美しく空に掛かる。
行き交う人々の笑顔にも。
「こんにちは!」挨拶をかわし握手する友たち。
心から親しさを表わして。

I hear babies cry, I watch them grow,
They’ll learn much more than I’ll ever know,
And I think to myself, what a wonderful world,
Yes I think to myself, what a wonderful world.

赤ん坊の声が聞こえる、その未来が見える。
きっと僕が知らないことを、たくさん学ぶんだろう。
僕は思う、なんて素晴らしい世界なんだろう。
そう僕は心から思う、なんて素晴らしい世界なんだろう。

ひょんなことから、サッチモの歌の、
歌詞を翻訳しながら、歌声を聴いていたら、
それが耳から離れなくなって、
Good Mondayへの登場と相成りました。

いま、世界は「大恐慌」などと騒がれつつも、
「なんて素晴らしい世界なんだろう」
未来に希望を持ち続ける人々によって、
維持、推進されています。

知識商人は、あくまでも、その推進の主役でなければならない。
私は、そう思うのです。

実体経済に、貨幣経済の破綻の矛先が向かいつつあります。
実体経済の大きな担い手のひとつが、
商業とホスピタリティビジネス。

だから私たちは、「Yes, What a wonderful world」と
口ずさみながら、明るく、前向きに、
やや楽天的に、生きなければならないのです。

さて、10月も終盤に入ってきました。

もう、12月年末商戦への対策も決まってくるころでしょう。

欧米では、10月末のハロウィンに全力を投入しながら、
11月終盤のサンクスギビングデー、
そして12月最後のクリスマスへと、
三大イベントが続く。

まさに「ホップ・ステップ・ジャンプ」。
キリスト教の社会的習慣とプロモーションとが、
密接に絡んで実体経済を喚起する。

今年も、貨幣経済危機真っただ中のアメリカでは、
収穫祭のハロウィンを、実体経済の象徴のように、
皆で、祝った。

ウォルマートのハロウィン
この不況の中で気を吐くウォルマートは、
その先頭を切ってハロウィンを盛り上げた。

日本でも、昨年は、徐々に
ハロウィンのイベントが盛り上がってきた。

昨年のこのブログでは、
10月31日の「サーティーワンアイスクリーム」のハロウィン記事が、
一番のアクセス数を稼いだ。

そこに私は書いた。

「ハロウィンは、もともとはガリア人(ケルト人)の収穫祭。
ガリアは、ユリウス・カエサルの「ガリア戦記」で有名だが、
ローマから見たフランス地方をガリアといった。

それがカエサルによってローマ属国になり、ローマ化し、
そのローマが今度は、キリスト教国になって、
このガリア人の収穫祭もキリスト教の祭りのひとつとなり、
ヨーロッパに広がり、アメリカに広まった。日本でも」

いかがだろう。

来週に向けたハロウィンの提案。
それも大がかりなプロモーション。

「秋の収穫祭」それがハロウィン。

先週末にご提案願った林廣美先生の「新米のちらし寿司」
これも考えてみると「秋のお米の収穫祭」の引き出物だ。

最も重要なことは、
「ホップ・ステップ・ジャンプ」の、
三段階で年末商戦を迎えること。

日本の年末は年始に続く。
クリスマスだけで終わりはしない。
欧米より、この面では有利。

その「ホップ・ステップ・ジャンプ」の計画をつくること。

ハロウィン収穫祭は、その「ホップ」になる。

不況だ。
金融危機だ。
競合が激しい。

そこで「だから」と思うか、
「にもかかわらず」と考えるか。

“Yes, what a wonderful world”は、
これは間違いなく、
「にもかかわらずの論理」なのです。

さあ、今週も。
Everybody! Good Monday!

<結城義晴>

[追伸]
今週金曜日24日朝10時から。東京・お台場ファッションタウン。
「不況でも惣菜は売れる!」セミナー開催。
ご参加ください。
「不況にもかかわらず」元気をお分けいたします。

2008年10月19日(日曜日)

ジジとニューヨーク[日曜版]

ジジ1
ユウキヨシハルさん、
帰ってきました。

ボク、安心しました。

ニューヨークでの、さいごのコーギ。
講義

ノブ・ミゾグチさんと、
かたい握手で、おわかれ。
溝口さん

たくさんシゴトしてきた。
jiji2

コロンバス・サークル。
コロンバスサークル

ホール・フーズというお店。
ホールフーズ

ブルックリンのバットマン。
バットマン

キンユウ危機でも、
街は、元気だった。
町並み

お父さんも、ゲンキをなくさなかった。
ゲンキをもらってきた。
jiji3

ヒコーキから、夕日を見た。
デトロイト1

デトロイトの街。
デトロイト2

いろんなところに、いってきた。
そして、ボクのところに、
もどってきました。
jiji4

おかえりなさい。
すこし、やすんでください。

ボクも一緒に、やすみます。

<『ジジの気分』(未刊)より>

2008年10月18日(土曜日)

ニッチのインディペンデント・スーパーマーケット「マーケットバスケット」はおかず屋に徹する

「景気が悪くなっているのに、物価が上がる」
これをスタグフレーションというが、
私は「高速道路渋滞のような現象」と表現している。

その高速道路の渋滞、
貨幣経済と実体経済のねじれによって生まれていた。

貨幣経済の驚くべき膨張と実体経済の縮小。
しかし貨幣経済が、株価の暴落で急落。

だから、世界の原油高、穀物相場高は、是正されはじめた。

これも驚くべき早さ。

先進国の共同歩調が奏功したこともある。

原油は、ニューヨーク先物市場で1バレル70ドル。
3カ月で半値となった。
小麦や大豆も小康状態から、下落状態へ。

しかし、高速道路の渋滞は、蛇腹のように歪だ。

先の方は、空いているのに、ここは渋滞。
つまりタイムラグがある。

それが現状。

世界相場は下がっているのに、
国内では値上げの商談が行われたりしている。
そしてたとえ下がっても、高止まり。
私の、最初からの指摘。

それでも、世界的危機に対しては、予想より早い処置。
人間は、学習する。

アメリカの消費社会を見ていても、
大衆の辛抱強さ・根強さを感じずにはいられない。

もうひとつの話題。
日本経済新聞が「優良企業ランキング」を発表。
30回目になる。

総合1位は任天堂。
2年連続。

総合2位は、3年連続でファナック。

商業分野では、55位のローソンが最高位
58位の島忠が2位
77位のイオンが第3位。

このランキング、来年は、順位が大きく動く。

安定性の高い会社が評価される。
それは、株式時価総額などの要素ではなく、
「信用」という長期評価に、
少しだけでもシフトした結果になってもらいたいものだ。

さて、アメリカ小売業レポートの連載。

マンハッタンの対岸ニュージャージー。
その「ニコラス・マーケット」から車で15分ほどの高級住宅地。
「マーケット・バスケット」。
1960年に始まったオーナーシップ経営のスーパーマーケット。
1店舗のインディペンデント。

これも「ニッチ」を形成している。

私自身の経験では、30年前に、
同じ「マーケット・バスケット」の名前で、
カリフォルニアに100店規模のスーパーマーケットが展開されていた。

クローガーの傘下にあって、
クローガーは、この時代から「マルチ・バナー戦略」を採っていた。

西海岸では見られないクローガーのグループ企業の店。
当時、私は敬意の念をもって、訪れたことを記憶している。

ニュージャージーの「マーケット・バスケット」は、
クローガーとは全く関係ない。

しかし「マーケット・バスケット」というネーミングは、
「ケット」というところが韻を踏んでいて、響きが良い。

「手軽な買い物ができる食品市場」
そんなニュアンスが、ある。
MBファサード

その通りの店で、入口をはいると、
顧客と店員とが、声を掛け合っている。
そして試食、試食、試食。
私たちも「サンプル・ライフ」に次ぐ「サンプル・ライフ」。
中央
店舗入り口が、サービス・デリの売り場。
中央の平台で、パンとディップが派手に関連販売されている。

周りをぐるりと対面ケースのデリ売り場が囲んでいるl。
デリ

デリから、対面の精肉コーナーへ、。
肉

さらにシーフード売り場へ続く。
水槽があって、カニなど遊んでいる。
魚
インディペンデントのおかず屋。

もちろんニュージャージーのメニューや味をしっかり出した洋風惣菜。
デリ

ずっと対面ケースが続く。
de

チーズの売り場は、アイテム豊富。
これはインディペンデント・スーパーマーケットにとって、
欠かせない商品構成のひとつ。
チーズ」

そして、チーズのあとは、デザート・ケーキ。
こちらも対面売り場。
ケーキ

「ニコラス・マーケット」は比較的オーソドックスなレイアウト。
それに対して、マーケット・バスケットは、
市場のごときにぎわいで特徴を出す。

サービスデリ、パン、肉、魚、チーズ、乳製品。
最後に、青果部門がやってくる。
青果
最後に位置づけられているが、
鮮度もよく、品揃えも豊か。

このリンゴのバスケット陳列。
ボリューム感もあって、楽しい売り場。
リンゴ

イモ玉類も、バスケット陳列。
imo

「マーケット・バスケット」の店名の通り、
バスケットを多用して、強烈な親近感を与える。
だから、この店が好きだという日本人は多い。
葉物

青果のあとに、グロサリーやキャンデー売り場が現れる。
キャンfデー

そして大事なこと。
レジチェッカーは、若くて美しいお嬢さんばかり。
これも心地よい。
reji

そういえば試食コーナーのお嬢さんも、
若くて美しかった。
サンプルライフ
これも、マーケット・バスケットの武器である。

マーケット・バスケットを、その収益性などの尺度で、
俎上に上げる必要はない。

「ニッチ」とはこういう店をも包含する価値観だ。

私は「幸せ基準」と呼ぶ。

「この店では社会貢献度が小さい」
そういう人がいるかもしれない。
産業づくりにはならない、と。

しかし、鳥の目で見ると、
このマーケット・バスケットも、
アメリカのスーパーマーケット産業の一翼を担っている。

ただし、ニコラスとマーケット・バスケットは違う。

片方は、店を回るとフルコース・ディナーを思わせる。
一方は、楽しいおかず屋が存在している。

そのどちらをも選べるし、
私は「ニコラス派」、私は「マーケット・バスケット派」と、
顧客が二分されている。

両者の違いが鮮明であることに、
「ニッチ」スーパーマーケットとしての存在の意味がある。

<結城義晴>

 

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