雑誌の売上げが落ち込んでいる。とりわけ月刊誌・週刊誌。
インターネット情報には三つの特性がある。
①便利性
②迅速性
③経済性
雑誌をはるかにしのぐ。
しかし、新聞の一覧性と毎日の確実性は、
これも、ある一定の価値が高い。
一方、何らかのテーマで集中的に情報を手に入れたいときには、
単行本がある。
単行本は、どんどんシンプルなワンテーマの媒体と化している。
雑誌は、
とりわけ月刊のサイクルで発行される月刊誌は、
そのサンドイッチとなって、
相対的に便利性を落としてきている。
よほどのインパクトや仕掛けがないと、
顧客の購買行為には結び付きにくい。
手にとって読む。
さらに、金を払って購買する。
たいへんなことだ。
だから宝島社の「一番誌主義」しか生き残れない。
カテゴリーやターゲットを絞り込んで、
そのマーケットの中で圧倒的な一番になる。
何でも一番になる。
それしかない。
小売店舗も同じ。
ただしこのとき、マーケット自体の大きさは、
あまり意味を持たなくなった。
これが大事なこと。
もちろんマーケットが極めて薄くては、成り立ちえない。
月刊雑誌という機能自体が、
異業種・異業態との競争の中で、
存在価値を低下させているからだ。
考え込んでしまう問題ではある。
そんな昨日、
dancyu誌編集長の町田成一さんと会った。
私の(株)商業界『食品商業』編集長時代の最初の部下にして、
心から信じている友人。
いまや、dancyuの編集長。
食という領域の『プレジデント』。
東京丸の内のイタリアンレストラン「グットドール・クラッティーニ」。
コンビニの専門コンサルタント小森勝さんと、ご一緒。
この町田編集長、dancyuとセブン-イレブンとの協働の仕掛け人。
1年間に4回、コラボレーション企画を展開する。
カレーとおにぎり。
dancyuがメニューとレシピを提供し、
セブン-イレブンのベンダーが試作品をつくり、
何度も試食を繰り返し、
1万2000店のセブン-イレブン店頭で販売する。
しかしこのとき、月刊雑誌dancyuも店頭販売。
凄い売れ行き。
なにしろ日本最大の書店は、セブン-イレブンである。
これができるのは、町田編集長をおいて、ないだろう。
なにしろ『食品商業』でコンビニやスーパーマーケット、
食品流通や食品製造業を学び、
その上で、dancyuで消費者向けの食の雑誌を担当しているのだから。
①dancyuはマーケットをセグメントしている。
②そのマーケットの中で独壇場の地位を築いている。
③その上で編集長自ら、
売り手とのコラボレーションを推進している。
それがこの月刊雑誌、この企画の成功の理由。
私にとっても、うれしいことだ。
こんな話も30分。
私はあわててレストランを辞去し、
日暮里へ。
ダイナム・ホールディングスの株主説明会へ。
同社佐藤洋治社長、
ダイナム佐藤公平社長の説明、
見事。
非上場企業の株主説明会は、
上場企業のアナリストへのIRのような様相を呈していた。
内部統制、コンプライアンスに真剣に取り組んでいる。
「業務分掌、業務手順書、作業基準書の3点セットによって、
現場から内部統制に取り組んでいる」
佐藤洋治社長は決然と言い切った。
拍手。
いい株主説明会だった。
その後、神田の日本セルフ・サービス協会。
コーネル大学RMPジャパンの事務局会議。
来年の2009年度第2期生募集を始めます。
お早めに。
<結城義晴>
[追伸とお詫び]
「ハローデイ・スタディ」は来週、
12月の初めに掲載します。