結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2008年12月31日(水曜日)

最悪を想定して、最善を尽くす

2008年師走の大晦日。
今年最後の日。

最悪を想定して、
最善を尽くす。

今年1年がそうであったように、
来年も、そうありたい。

2008年の日本の株価は、42%も下がった。
それによって、日本中の時価総額は200兆円分、目減りした。

貨幣経済は、2兆ドル減少。

それが実体経済に、深刻な影響を与える。

だから貨幣経済の中で目減りしない預貯金高が、
俄然、大きな存在となってきた。

しかし預貯金高には、特徴がある。

「人間というものは、
現にもっているものに加え、
さらに新たに得られるという保証がないと、
現にもっているものすら、
保有している気分になれないものである」

<『マキアヴェッリ語録』(塩野七生)より>

その預貯金高として眠っている金を、
還流させ、実体経済に貢献させる。

そんな声が、来年はますます高まるに違いない。

商業やホスピタリティ・ビジネスの出番である。

今年、4月17日の商人舎発足の会。
4時間に及ぶ結城義晴の講演テーマは、
「小売流通業・サービス業が、
21世紀の日本を救う」

実体経済が、経済立国としての日本の基盤である。

それが私たちの子や孫、
さらにその子供たちの時代のインフラとなる。

実業と実体経済とに目を向けつつ、
次代の社会を考えることは、
健全な生き方に違いない。

 

しかし、商業やホスピタリティ・ビジネスが、
日本の基幹産業となるといっても、
厳しい年になることは、間違いない。

だから、
最悪を想定して、
最善を尽くす。

故中部銀次郎さんの言葉。
孤高のアマチュアゴルファー。
私が最も尊敬する人のひとり。

再び、マキアヴェッリ。
「なにかを為したいと思う者は、
まずなによりも先に準備に専念することである。
機会の訪れを待っての準備開始では、もう遅い。
好運に微笑まれるより前に、
準備は整えておかねばならない」

来年は、準備の年。
みんなにとって。

といっても、来年とは明日から始まる日々のことで、
特別に大きく変わるものではない。

淡々と、明日を迎えたい。

落ち着いた心持ちで、準備を。

 

最後に、今年1年の結城義晴のブログ[毎日更新宣言]
ご愛読、感謝したします。

お約束通り、365日+1日、続けることができました。
今年1年、毎日、ブログを書けたことに、
心から、感謝したいと思います。

事故もなく、
怪我や病気も乗り越え、
泥酔も少なく、
意識不明にも陥らず。

ありがとうございました。

ここで、いったん、
気持ちに区切りをつけたいと思います。

右、左、上、下。
どっちを向いても感謝
(水口健次)。

 

<結城義晴>

 

2008年12月30日(火曜日)

羽生善治将棋名人に投影させた天才たちの言葉

1965年11月から70年7月までを[いざなぎ景気]といいます。
戦後最長の好況の山で、57カ月間だった。

それを超えたのが、昨年までの平成景気。
戦後最長の景気の波となった。

その戦後最長の景気拡大が途切れ、
後退局面が始まった時期が、
昨年11月と認定される。

それによって69カ月の最長の景気。

だからその余波も最長になる。

そして、もう13カ月、景気後退が続いている。

米国の景気後退も昨年12月に始まった。
日米経済は、ほぼ同時期に失速したことになります。

今年がその最初の13カ月。
そして来年は次の循環の12カ月。

いよいよ、不況本番というところです。

その想定の中で、
日々の仕事を充実させねばなりません。

さて、今年12月18日に決着がついた将棋竜王戦は、
世紀の対決といわれました。

私の隠れた趣味を明かしますと、実は、将棋なのです。

父は、碁が趣味で、
82歳の現在も毎日、碁会所に皆勤しています。
ボケ防止などというレベルではなく、
真剣勝負の、生きるエネルギーというほどに、
囲碁に打ち込んでいます。

私のほうは、なまくらですが、
㈱商業界の頃、今から25年以上も前、
一度だけ社内将棋トーナメントが開催され、
それに参戦したことがあります。

私は、その時、決勝まで勝ち残り、
その決勝で、勝利を収めたものです。

だから私は㈱商業界史上唯一の将棋名人ということになります。
今も、押入れの奥に、その時の名人のトロフィーがあります。

さてプロの将棋は、ご存知のとおり、
羽生善治名人が第一人者。37歳。

この羽生世代と呼ばれる将棋指しには、
不思議なことに、天才が目白押しの状態です。

昨年まで名人位を守っていた森内俊之九段。
「緻密流」と呼ばれる佐藤康光棋王
私の好きな「激辛流」「ニコニコ流」の丸山忠久九段。
オーソドックスな棋風の居飛車一辺倒の郷田真隆九段。
「藤井システム」という定石を発明した振り飛車の専門家藤井猛九段。
エッセイも書く多芸多才の「無頼流」先崎学九段。

少し前の世代の天才には、
「高速の寄せ」という閃き型の谷川浩司がいます。
さらにその前の世代には、
永世名人の称号を持つ中原誠と、
現将棋連盟会長の米長邦雄

しかし現時点で、竜王というタイトルを4期連続で獲得していたのは、
渡辺明という24歳の天才。

竜王は、読売新聞が主催する将棋タイトルで、
七冠という位のうち最も新しいタイトル戦ですが、
賞金が最大で、
だから将棋界最高位と、
読売新聞は呼んでいます。

しかしなんといっても、名人位が最高位であることに、
間違いはありません。
現在は、紆余曲折の末、
朝日新聞と毎日新聞が共同主催しています。

その名人と竜王の対決。
しかも、羽生世代の代表と次の世代の旗手との対決。

羽生は、残念ながらこの竜王戦で、
三連勝したあと、四連敗。
「世紀の逆転」となりました。

三連勝した後の第四局。
渡辺の角番。

羽生が勝勢の中で、
水をごくごくと飲みます。
そのごくごくの瞬間に、
渡辺が「打ち歩詰め」という禁じ手の絡んだ逃れ筋を発見して、
大逆転を収めます。

この対決の模様が、「情熱大陸」という番組で報道されていたのですが、
そこで面白かったコメント。

両者の対決に対するコメントではありません。

他の棋士たちの、羽生への評価。

羽生善治の特長は、何か。

森内「総合力」
谷川「好奇心」
佐藤「正確性」

ただこれだけの、短いコメントの場面なのですが、
私には、たいへん興味深いものでした。

羽生は、まさに天才中の天才。

だから総合力はもちろん、あります。
居飛車・振り飛車の両刀使い。
どんな戦法にも通じたオールラウンド・プレイヤー。

好奇心も旺盛です。
チェスの国際大会に参加したりしています。

そして読みの深さと終盤の正確無比なことに、異論を挟む者なし。

面白いのは、回答した三人の棋士たちの棋風です。

森内は、守りを固めたうえで攻めに専念する総合力の将棋。
谷川は、好奇心旺盛で、終盤の閃きに美学があり、
しかし最近は勝負師としての甘さが見られる。
佐藤は、抜群の正確さを誇る「緻密流」で、
それを武器に縦横な戦略を打ち立てる。

羽生という巨大な鏡を評価する時に、
誰もが、自分を投影させている。
恐ろしいことに、自分が写り込んでしまう。

私には、それが、ことのほか、興味深い発言と聞こえました。

 

たとえば、私たちの世界では、
「ウォルマートに対する評価」を聞きます。
すると、ファーストリテイリングの柳井正さんは答えてくれます。
「週末に米国民の3人に2人が来店する。
ウォルマートはなくてはならない存在なのです」
これは、柳井さん自身が、
きわめて社会貢献意識が強いことを示しています。

「ウォルマートは、サービス残業が当たり前で、賃金が低すぎる」
こう批判する人は、労務問題を、自分の経営の根幹においています。

「ウォルマートの商品は面白いし、売り場づくりは他を圧している」
こういう人は、マーチャンダイジングを優先する。

多くの場合、コンサルタントは、
ウォルマートに自説を投影させる。

ウォルマートに投影できないテーマを得意とする人は、
ほとんどといってよいほど、ウォルマートを否定する。

ウォルマートを非難する人は、時に、
自分自身がその批判の矛先にいたりすることがある。
自己矛盾ですが、これもよくあること。

 

さて、2008年が終わろうとするとき、
私は、毎日、ブログを書いてきて、
どんな会社やどんな人物に、
どのように自分を投影させてきたのか。

私は、ジャーナリストとして、
できるだけ客観的にものを見、ものを書く訓練をしてきました。

しかし、その上で、書く能力を高めると、逆に、
どうしても自分が写り込んでしまう。

考えると、ぞっとすることではありますが、
羽生善治に対する天才たちの率直な自己投影を聞いていて、
すがすがしいものを感じたものです。

こうして、私は、来年も、
観察し、体験し、発言していくのでしょう。

 

その羽生善治自身の発言。
「現状に満足してしまうと、進歩はない」
「大局観と事前研究があるからこそ、最善の戦略も生まれる」
「山ほどある情報から自分に必要な情報を得るには、
なにを『選ぶ』かより、
いかに『捨てる』かのほうが重要です」

この言葉を選んだこと自体、
結城ヨシハル自身、羽生ヨシハルに、
考え方を投影させているのです。

<結城義晴>

2008年12月29日(月曜日)

2008年最後の三日間、欲張ってはいけない、焦ってもいけない。淡々と楽しむ、心から感謝する。それが次につながる。

Everybody! Good Monday!

朝、Good Morningと声をかけ、
昼には、Good Afternoonと挨拶し、
夕方、Good Eveningとスピーチし、
夜、Good Nightとささやく。

ならば1週間の最初に日に、
Good Mondayと、始めるのもいいのではないか。

そんな発想から、毎週月曜日のこのブログでは、
Good Mondayで、
スタートする。
このスタート方式も、
今日で62回目となります。

そのGood Mondayの2008年最後の日。

今日、29日から30日、31日と三日間で、
2008年が終了。

感慨深いものがあります。

三日間に対する感慨。
ありませんか?

野球やゴルフの、最後の回や最後のホール。
コンサートのラストソング。
講演の結びの言葉。

今日からの三日間がそれです。

勝っても負けても、三日間。

心をこめて、最後の三日間。

試合に勝っていても、
ゲームに負けていても。

最後の回は、最後のホールは、
自ら楽しむこと。
そして感謝すること。

私はずっと、この心構えで、やってきました。
そして、自分ではここまで、
自分なりに小さな幸せを、
手にすることができたと思っています。

欲張ってはいけない。
焦ってもいけない。

淡々と、
楽しむ。
心から、
感謝する。

それが次につながる。

 

さてアメリカでは今、こう言われています。
「サンタは街に来なかった」

米国クレジットカードのマスターカードの発表。
11月と12月の小売り売上高は、
前年同期比マイナス5.5~8%。
「過去数十年で最も厳しい水準」
特に宝石などの高級品はマイナス34%、
衣料品はマイナス20%、
家電製品はマイナス26%。

店舗小売業に比べて好調だったのは、
米国でもインターネット・ショッピング。
アマゾン・ドット・コムの発表。
「2008年のクリスマス商戦は過去最高の売上げだった」
ただし、こちらも11月~12月の総売上高は、
前年対比でマイナス1%。
トータルの消費者の購買意欲は、減退している。

日本でも、楽天やヤフーの仮想店舗の売上高は好調です。
もちろん、ネット・ショップは多産多死。

投資コストが安いから、
店は開店しては、閉店している。

激しい改廃、
厳しい競争。

その中で生き残ったネット・ショップだけが、
好調を享受している。

もちろん、アマゾンや楽天、ヤフーなど、
[クリティカル・マス]を達成したサイトだけが、
利益を上げる。

[胴元]だからです。

その意味では、
商売は[胴元]にならなければいけない。

一つの地域の胴元、
一つの商勢圏の胴元。

そして、さまざまな市場で、
胴元が決まるのが、
2010年が終了したとき。

私の予想。

クリティカル・マスは、
マーケットがシュリンクしている最中に、
達成されやすい。

これ、私の持論。

ユニクロの絶好調現象は、
衣料品市場が縮んでいる中で、
起こっているのです。
もちろんファースト・リテイリングの、
抜群の「商売人スピリット」もあるけれど。

 

欲張ってはいけない。
焦ってもいけない。

淡々と、
楽しむ。
心から、
感謝する。

それが次につながる。
それが2010年につながる。

さあ、最後の三日間。

Everybody! Good Monday!

<結城義晴>

2008年12月28日(日曜日)

お風呂のジジ[日曜版]

寒くなってきました。
2
寒いときには、
おふろ。

といっても、ボクは、
ふたの上にすわって、
あたたまるだけですが。
じじ1
まいにち、かならず、
おふろであたたまります。

ぬれるのがきらいだから、
お湯の中には、はいりません。
3

それでも、いい気分。
ジジの気分。
4

東急横浜駅の壁画。
キヌタニコウジ作。
ヨコハマの港。

元気な絵は、
大好きです。

もう、今年も終わるそうです。
1年間、ご愛読、
ありがとうございました。
こころから、感謝いたします。
6

ボクは、来年も、
このまま生きていきます。
よろしくおねがいします。
8

ユウキヨシハルさんを、
みまもって、
応援して。
ユウキヨシハルさんから、
応援してもらって。

「共生」していきます。
7

富士山のように。
どうどうと、
いつも変わらずに。

太陽のように。
元気よく、
ずっと変わらずに。

ボクは変えない、変わらない。
変える必要のないものは。

でも変えなければならないことは、
すぐに変えていきます。

だからサム君とも、仲良しです。
サム君は、おふろにはこないけど。

 

ユウキヨシハルさんと共生するには、
「変えることと変えないこと」の、
仕分けが大切だと、
わかってきたのです。
5
おふろのふたの上からで、恐縮ですが、
これで、2008年のボクを、
終わります。

次からは、2009年のボクです。
よろしく。

<『ジジの気分』(未刊)より>

2008年12月27日(土曜日)

2008年最後のウィークエンド「じきにしんねんおめでとう」

師走12月27日です。

商人舎は、一足お先に、
昨日を仕事納めとしました。

悪しからず。

しかし、この2008年最後の週末、
そして歳末際の3日間は、
私たちにとって、
まず観察の日々。

お客様を、お店を、商品を。

それをどう、皆さんのお役に立てるか。
考えています。

実は、もうひとつ。
オフィスは店じまいしましたが、
私にとって、いまや、職住接近。

だから年末も年始もない。

新しいホームページと、
抱え続けている単行本執筆に、
この年末年始は当てられるのです。

振り返ってみると、
忙しい日々でした。

2008年が明けたら、
2月1日、㈱商人舎設立

3月には、緑内障で10日間の入院と、
二度の手術。

「結城義晴の燃える闘病日記」
アントニオ猪木を気取った。

入院・手術の合間にも、
4月までに、単行本執筆。
『お客様のためにいちばん大切なこと』

そして4月17日、商人舎発足の会。
お陰様で、多くの方々に励ましていただきました。

4時間の講演もこなしました。
「商業の現代化が21世紀の日本を救う」

5月は日本セルフ・サービス協会のアメリカ視察セミナー。
FMIを訪問し、コーネル大学との提携話し合い。

エドワード・マクラフリン教授、
ウィリアム・ドレイク教授と、
意気投合。

そして6月6日、日本セルフ・サービス協会50周年記念式典。
この式典にジーン・ジャーマン名誉教授来日。
コーネル大学RMPジャパンが設立され、
私は副学長に就任。

6月には渥美俊一先生と商人舎のコラボセミナー開催。
「ビッグストアづくりのすべて」

7月4日米国独立記念日、商人舎第1回USA視察研修会。

8月は夏休みもそこそこに、
大阪浄真寺で「大阪寺子屋塾」4人のビッグセミナー。
9月は、商業界九州ゼミナール。

10月は、コーネル大学ジャパン開校セミナー、
AJS米国東海岸視察セミナー、
商人舎第2回USA研修会と立て続け。

11月、コーネル大学第2回公開セミナー。
そして12月は4日間の大阪出張。

この間、講演は50回に迫り、
大学院やマネジメントスクールでの講義も50回を超えた。

雑誌原稿、ウェブサイト原稿の執筆に追われ、
レジュメ・テキストづくりを追いかけ、
あっという間に12月。

そして右、左、上、下、
どっちを向いても感謝
(水口健次)。

 

今年の最初に立てたスローガン。
「志定まれば、気盛んなり」

この通りになった。

やはり、この言葉にも、心から感謝。

そこで、谷川俊太郎さんにご登場願おう。

いちねん

いちがつ いらいら

にがつは にくい

さんがつ さびしい

しがつ しらけて

ごがつ ごりおし

ろくがつ ろくろく

しちがつ しかられ

はちがつ はったり

くがつ くるって

じゅうがつ じがでて

じゅういちがつには じれじれじれて

じゅうにがつ じきにしんねんおめでとう

(谷川俊太郎『わらべうた』集英社文庫より)

 

じきにしんねんおめでとう

もう一息、頑張ろう。
新年のことを、考えつつ。

今、やれることだけ、やる。

<結城義晴>

2008年12月26日(金曜日)

クリスマス商戦から劇激変の今日「今やれることだけを力一杯やる」

2007年の国民1人当たりGDP。

日本は19位。

1位は、ルクセンブルク、
2位、ノルウェー、
3位、アイスランド、
4位、アイルランド、
5位、スイス。
2007年だから、この結果。
2008年は、金融危機のために、がらりと様相が変わる。

日本の19位は、G7といわれる先進7カ国で最下位。
しかし、国家単位ではアメリカに次いで第2位。
4兆3850億ドルで、世界の8.1%を占める。

だが、2008年はこの円高だから、順位を上げることは確実。

二つのことが、いえる。
①日本のGDPランクは国民には、あまり意味はない。
一人ひとりの暮らしこそ大切。。
②しかしGDPランキングは小国が上位に並ぶ。
大国化を目指さない国家経営が、いいのかもしれない。

一方、アメリカのクリスマス商戦は、
史上まれに見る惨状。

メイシーズ百貨店は、
20日から24日まで、
24時間営業でクリスマス商戦に立ち向かった。

しかし、消費沈滞に火をつけることはできなかった模様。

日本では、日本マクドナルドが12月23日、
1日1店当たり店舗売上高1002万円の最高記録を出した。
大阪の御堂筋周防町店。
来店客数は約1万5000人。

しかもこれを単一メニューで達成
「クォーターパウンダー」セット。
【商人舎ホームページと強力提携の「流通ニュース」をご覧いただきたい】

この時期、「失敗を恐れない」店は、成功する
23日の天皇誕生日に、
マクドナルドは「失敗を恐れなかった」

しかし、ウィークデーは「節約、倹約。もったいない」
コモディティとベーシックは「節約、倹約。もったいない」

「ヒット&アウェイ作戦」
小さく打っては足を使って逃げる。
この繰り返し。

今日から、年末際の商戦。
クリスマスの洋風売り場から、
和風に劇激変の模様替え。

これを、「主義」というくらいに徹底する。

私の主義。
わが家の主義。
わが店の主義。
わが社の主義。

自分の主義は曲げない。
どんなことがあっても。

それに共感してくれる顧客だけが、
わが店にやってきてくれる。

自分のお客様との強いきずなをつくる。
それが今年の年末商戦です。

さて、惣菜マーチャンダイジングの日本第一人者にして、
「食」の超専門家・林廣美先生。

「不況になると、低価格のタンパク源がよく売れる」
この経験と観察。

昨日の日本フードサービス協会発表の外食産業の11月実績。
前年同月比は、3.9%の増加。
ガソリンが値下がりし、低価格タンパクのメニューが伸びた。
ハンバーガーやハンバーグレストラン。

小売業では、スーパーマーケットとコンビニが前年をクリア。
コンビニはタスポ効果が続く。
スーパーマーケットは、
コモディティとベーシックにしっかり低価格対応した店は良かった。
「節約、倹約。もったいない」の顧客のマインドに、
同期できた企業は良かった。

それに鈍感な企業は、落ち込んだ。

さて、恒例の、
林廣美の「金曜日のこの一品」
年末年始を通して、売り続けるのは、
やはりこれ。

煮しめ おせち重

898円~1000円
煮しめ、旨煮で売上げアップ。
重箱トレーにたっぷり詰める。

いつもの煮しめを重箱トレーに詰めて、
本気で売り込め!

 

なお、この年末から、
この結城義晴のブログ[毎日更新宣言]と商人舎ホームページ、
「蛻変」のためのプレオープン。

本格移転リニューアルは、2009年の1月8日の予定。

ご期待下さい。

昨年9月9日9時9分にリニューアルし、
その後、商人舎ホームページとして2月1日に第2のリニューアル

三度目の正直でのリニューアル。
これを「商人舎ホームページの蛻変」と呼びましょう。

大いにご期待下さい。

<結城義晴>

2008年12月25日(木曜日)

「今年の社長第1位」ファーストリテイリング会長兼社長・柳井正さんの「国民の3分の2が買い物に来るウォルマートはすごい」

「来年は間違いなく、売上げが下がる」
今年、絶好調だったユニクロ。
来年の見通しについて語ってくださった。
ファーストリテイリング会長兼社長の柳井正さんの言葉。

フリースが大ヒットしたあの年の、翌年のようにだろうか。

昨日の午後、お会いした。
やないただしさんと2

東京・九段下のファーストリテイリング本社。
ファーストリテーリング
受付嬢の元気な声が、印象に残る。
店も本部も、同じ。

この年末のクリスマス・イブの日。

私の面談のあとには、
スタッフがズラリ、控えていて、
会議が待っていた。

営業本部長の柳井さん。

「以前の3倍も働いているんですって?」(私)
「それどころじゃないですよ」

3倍どころじゃない。
ということは、4倍、5倍も仕事している。

そうでなければ、この独走はあり得ない。

柳井さんは、商人舎発足の会の発起人になってくださった。
今年4月17日の当日もご出席くださって、
一言頂戴し、結城義晴との握手会というイベントでも、
壇上に上がっていただいた。

だから柳井さんも、商人舎ファミリー。

商人が集う舎(とねり)。

柳井さんは「商売人」という言葉を好む。

この商売人に徹していることが、
現在のユニクロの元気さの源であると思う。

「不況は商人を鍛える」
故倉本長治商業界主幹の言葉。

だから不況は、商人の活躍の場である。

柳井さんは、だから元気。
受付嬢も、元気。
店も、元気。

この日の会談は、私の1年間のお礼とご報告。

しかしまずは、「今年の社長1位」に柳井さんが選ばれた件。
産業能率大学(東京都世田谷区)が、
中小企業経営者らを対象に「今年の社長」アンケートを実施し、
515人から回答を得た。
そこで、柳井さんが大差の1位に選ばれた。
84票を集めた。
2位のソフトバンク社長・孫正義さんは33票。

この件に関しては、産能大からも全くお知らせがなく、
広報担当者も新聞を見て知ったという。

柳井さんは、その新聞も見ていなかったので、
やはり驚いた。

しかし、プロ野球ならば選手同士が選ぶナンバー1選手。
マリナーズのイチローも、最も誇りとする賞だというから、
柳井さんも、言葉にはしないが、うれしそう。

私の報告は、商人舎の1年の活動と事業のこと。
コーネル大学ジャパンのこと。
立教大学大学院のこと。
アメリカのチェーンストアのこと。

柳井さんは、ウォルマートに関して、
「これは書いて下さい」と力説した。
12月13日のウォルマートの発表。

「アメリカ国民の3人に2人が週末、
ウォルマートで買い物している」

この事実は、すごい。

柳井さんは、感動している。

「ウォルマートは社会のインフラです」
アメリカ人の生活に欠かせない店、
アメリカに欠かせない企業となった。

柳井さんは、マイク・デューク氏に会ったそうだ。
来年2月1日、ウォルマートのCEOに昇格する予定。58歳。
フェデレーテッド百貨店とメイ百貨店に23年間務めた後、
1995年、ウォルマート入社。
物流部門、ウォルマートストア部門を経て、
2005年からは国際部門のトップ。

そのデューク氏の印象。
「温厚な人柄で、きちんとやるんじゃないですか」

柳井さんは、日頃から言う。
「私たちはがやりたいのは『国民服』」

それは、ウォルマートのごとき国家のインフラストラクチャーとなること。

「だから西友はウォルマートの商売をやればよい。
まだ西友の商売をやっている」

「日本にも、外資系の企業が入っていなければおかしい。
閉鎖的であることを、表している」

「例えばイオンとセブン&アイ・ホールディングスとウォルマートが、
互いに競争している方が、日本の社会には良いと思う」

スーパーマーケット業界に対する励ましの言葉を、
お願いした。

「5000店のスーパーマーケットをつくる。
そんな決心をする若手経営者の登場を期待したい。
今、それが可能な時期だと思う」

「規模のメリットで客のためにサービスすることが、
食品の分野でも必要です」

「私は、やりませんが……」

柳井さんの商人としての社会貢献意識の強さを、
私は感じた。

そして商売の喜び。
商売の幸せ。

柳井正さんと
「不況は商人を鍛える」といった倉本長治主幹の言葉の前で、
最後に写真。

お元気で。

右、左、上、下。
どっちを向いても感謝
。(水口健次)

今月の商人舎標語で、今日も、締めよう。

柳井さんに、感謝。

私も負けません。

<結城義晴>

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