「セブン-イレブンの公取委立ち入り調査」。
朝日新聞のスクープが、テレビにも各新聞にも、連鎖した。
このブログでも、さっそく、
おなじみのお二人からご意見をいただいた。
環境問題・食料問題の観点から見直しが必要(立地マンさん)。
ルール変更が容易ではない大企業的な側面が出てきた(デン助さん)。
セブン-イレブン本部の側からの発言が少ないが、それが必要。
別に社員や幹部が発言することはないが、
セブン-イレブンが実行してきた商売の王道を主張してほしいものだ。
論争は、2009年2月最終週に持ち越そう。
さて、昨日は東京・五反田。
明治乳業若手研修会の講義。
入社8年~10年の中堅社員が20名ほど集められ、
2泊3日、計5回の研修を受ける。
統合することになっている明治製菓からも参加があった。
この若手研修会、対象の社員は全員となっているらしいが、
好評で順番待ちの状態。
今回はその5回目の研修の最後の講座。
大トリ。力が入る。
本題は「小売業のスーパーマーケティング」。
同社の機関誌に1年にわたって連載した内容を簡潔に講義する。
その本題に入る前に、落語でいうマクラを話す。
今回は、セブン-イレブンの「見切り問題」から、
「オクシモロン」と「トレードオフ」へと話の展開が進み、
手振り身振りで、語ってしまった。
語り出したらなぜか、止まらない。
あっという間に20分が過ぎる。
しかし無事に1時間半の講義を終了。
しっかり聴講してくれて、心から感謝。
私のあとは、同社リテイルマーケティング部宮島巌部長が、総括。
明治乳業機関誌への連載は、また1年続くことになった。
ここでの連載論文は、私にとって、
商業や食品産業を総括する意味があって、意義深い。
力をこめて、書いている。
手に入る方は、お読みいただきたい。
一方、神谷町の機械振興会館で、
2月のエコストア研究会。
2月4日に開催されたセミナーの反省会。
参加者アンケートの集計結果をもとに、
改善点を話し合い、次回セミナーの企画を議論。
これからの研究会の方向性にも関わる大切な話し合いが、
4時間にわたって行われた。
セブン-イレブンの「弁当・惣菜見切り問題」にも、
エコロジーというテーマは関連している。
エコロジーとストア。
だから「エコストア」。
エコロジーで研究を進めると、
ある種、拡散したり、道徳的になって終了したりする。
ストアで研究を進めると、
どんどん技術的・専門的になってくる。
「エコストア」の研究は、この両方の論点を、
「トレードオフ」してはならない。
「トレードオフ」とは、二律背反の問題を、
どちらかに割りきって進める考え方。
トレードオフでは、エコストア問題は、解決しない。
だから「オクシモロン」の思考法が不可欠になる。
「オクシモロン」とは、
「鋭くて鈍い」「愚かな賢さ」といった意のギリシャ語。
「創造的破壊」などが典型となる語法。
現代的な困難な問題を解決するときの考え方。
つまりどちらかに割りきってはいけない問題を、
丁寧に、丹念に、絡み合った糸をほぐすように、
行ったり来たりしながら解決する姿勢。
エコストア研究には、そしてフランチャイズシステムには、
この「オクシモロン」の思考法が必要。
「トレードオフ」を全面否定するつもりはない。
近代化には、トレードオフが不可欠だっただろうが、
現代化には、オクシモロンが必須。
そんなことを考えつつ、週末に、突入。
Everybody! Good Weekend!
<結城義晴>