「連鎖店」と表現されたチェーンストア。
店が鎖のようにつながって、社会貢献する。
鎖のような営業形態、
ここには二つの意味がある。
一つは鎖の重さ。
一つは鎖の強さ。
軽くて強いものが、
良い鎖である。
すなわち良いチェーンストアは、
軽くて強い。
鎖の重さとは、
経費である。
すべての店が、
すべての部門が、
それぞれに経費を軽くすることに
重点を置いて仕事する。
すると鎖全体は、
軽くなる。
一つの輪のコスト削減は、
全体の経費を軽くするのである。
では鎖の強さとは、なんだろう。
鎖の強さとは、一番弱い輪の強度である。
強い力で鎖が引っ張られると、
最後には最も弱い輪のところで切れる。
だから一番弱い輪の強さが、
鎖全体の強さとなる。
チェーンストアは鎖である。
鎖のような営業形態で、社会貢献している。
従って、チェーンストアの強さは、
最も弱い店の顧客満足度ということになる。
チェーンストアに標準化が要求されることも、
スクラップ&ビルドが不可欠なことも、
チェーンストアがその名のごとく、
鎖そのものであることを示している。
チェーンストアや商業の日々の分業はすべて、
鎖のように絡み合って、互いに作用反作用の関係にある。
故に、経営や運営の強さとは、
一番弱い部門の強度ということになる。
チェーンストア全体の問題解決の焦点も、
一番弱いチェーンの輪にあることは、
その名称が示している。
<エリヤフ・ゴールドラット著『クリティカルチェーン』に大きなヒントをいただきました>
久しぶりに、『食品商業』の「メッセージ」や、
『販売革新』の「Editor’s Voice」風。
これは2004年に書いて、
それを公開せずに置いたもの。
引っぱり出して、再録。
一昨日のセブン-イレブン問題の中で使った「鎖」の経営論。
簡潔に、「メッセージ」風に書くとこうなる。
コンビニチェーンが統合の動きを速めている。
百貨店でもM&Aや提携が足早に進む。
私が言い続けている「クリティカル・マス」と「複占」。
しかしそれらにも、「鎖の経営」は貫徹されなければならない。
店舗数が多くなると、
たとえ百貨店でも、
「鎖の経営」の原則が必要とされる。
<結城義晴>