結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2009年02月28日(土曜日)

「シンプル、簡潔、簡明」の効用を知れ!

2月も今日で終わり。

3月に入ると、一気に、春の気分になる。

米国最大の銀行シティグループは、
政府管理になった。  

それによって再建が行われることになった。

普通株で3分の1以上の36%を政府が保有し、
経営方針から人事までの最重要意思決定を、
国家が行うことになる。

新しい時代にはいった。

さて昨日は、正午に東京・神田の日本セルフ・サービス協会集合。
コーネル大学RMPジャパンの事務局会議。
大高愛一郎コーネル大学ジャパン事務局長、
村尾芳久協会営業本部長と三人で、
第二期の内容打ち合わせ。

コーネル・ジャパン第二期生募集中です。  
早めのお申込みを。

日本セルフ・サービス協会でも、
このホームページのinfoからでもかまいません。

まず、意思を表明してください。
私のところに伝えてください。

その後、目白の学習院大学へ。
学習院
山手線内側の大学キャンパスとして、学習院は環境良好。
私、大好きな大学です。

その西5号館2階で、学習院マネジメント・スクールのセミナー。
gakusyuin
2008年度『DSCM・基礎コース』最終講義・講演会。
DSCMとは、ディマンド・サプライ・チェーン・マネジメントの略。

テーマは、「21世紀の流通業の課題『最適売価』とは」。  
gakusyuin2
講師は、全日本食品㈱社長の齋藤充弘さん。  
日本最大のボランタリーチェーン「全日食チェーン」のトップマネジメント。
saitousan
齋藤さんとは、「知識商人対談」をさせていただいた。
CDオーディオセミナーとして、公開されている。

私は、冒頭の、齋藤さんの紹介役。
kougi
齋藤さんの講義の構成は、以下のようになっている。
①死に筋商品とは
②売れ筋商品とは
③適正な売価とは
④適切な数量を発注する

例えば、齋藤さんは、死に筋をこう定義する。
「生鮮食品は1日3個しか売れない商品。
チルドは1週3個しか売れに商品。
ドライは1カ月3個しか売れない商品」  

この明快さ、このわかりやすさ、覚えやすさ。

ボランタリーチェーンにはこういったシンプルさが必要。
いや、商売にはこの簡潔さが不可欠。
そして、優れたリーダーは、その簡明性の効用を熟知している。

講義には、成城石井社長の大久保恒夫さんも聴講に来ていた。
大久保恒夫さん
大久保さんも、学習院マネジメント・スクールの講師。
しかもすこぶるつきの勉強家。

私は、申し訳ないけれどすぐに辞去して、
田町の笹川記念会館へ。
第28回PCSA経営勉強会へ。
PCSAとは、一般社団法人パチンコ・チェーンストア協会のこと。

第一部は、
「ダイナムの大改革から『信頼の森』への挑戦」  
satousan
講師は佐藤洋治㈱ダイナムホールディングス社長。  

30億円の赤字からわずか2年で、
320億円の経常利益を上げるまでにV字改革。
その改革のプロセスと1円専門店への業態転換。
シンプルな数表を出しながら、分かりやすい言葉で語ってくれた。
実はこれ、ダイナム改革の最大のポイント。
分かりやすい言葉、
わかりやすい目標、
わかりやすい数表。  

そして講演は佳境へ。

satousan2
ダイナムグループが新たに制定した新企業理念の報告、
さらに、新業態「信頼の森」に話は及ぶ。
気軽で楽しいコンビニパチンコの新フォーマット。
このタイプの店は健康対策をコンセプトにしている。

この「信頼の森」と呼ばれる新タイプの店は、
ボランタリーチェーン構想の核となる。
第1号は3月20日、秋田にオープンする予定だ。

第二部は、
「日本最激戦地で勝ち残る『たいらや』の再建プロセスを語る」
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講師は、㈱たいらや社長の村上篤三郎さん。  
私が、その聞き役。

専門経営者として着任した時に会社が抱えていた問題点から、
営業政策の転換、新生たいらやの確立までを、
業界の違う聴講者にもわかるように話してくださった。
paneru2

カインドリー&フレンドリーを合言葉に、
今、たいらやでは会社一丸でモオチベーション・アップが図られている。
同業者の前では語りにくい内容も出てきて、
私のもとても勉強になった。
本当に、いいお話だった。
こころから感謝。
murakamisan

閉会の挨拶は、TRY&TRUST社長の山田孝志さん。
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良い勉強会だった。

勉強会のあとは、懇親会。
村上さんも、私も、突然のご指名で(いつものように)、ご挨拶。

今日は、「シンプル、簡潔、簡明」がいかに重要かを確認した日だった。

難しいことを易しく。
易しいことを面白く。
面白いことをより深く。  

まずは、「難しいことを易しく」から始めよ。

<結城義晴>  

2009年02月27日(金曜日)

「鎖の経営」

「連鎖店」と表現されたチェーンストア。
店が鎖のようにつながって、社会貢献する。
鎖のような営業形態、
ここには二つの意味がある。

一つは鎖の重さ。
一つは鎖の強さ。

軽くて強いものが、
良い鎖である。
すなわち良いチェーンストアは、
軽くて強い。

鎖の重さとは、
経費である。

すべての店が、
すべての部門が、
それぞれに経費を軽くすることに
重点を置いて仕事する。

すると鎖全体は、
軽くなる。
一つの輪のコスト削減は、
全体の経費を軽くするのである。

では鎖の強さとは、なんだろう。
鎖の強さとは、一番弱い輪の強度である。

強い力で鎖が引っ張られると、
最後には最も弱い輪のところで切れる。
だから一番弱い輪の強さが、
鎖全体の強さとなる。

チェーンストアは鎖である。
鎖のような営業形態で、社会貢献している。
従って、チェーンストアの強さは、
最も弱い店の顧客満足度ということになる。

チェーンストアに標準化が要求されることも、
スクラップ&ビルドが不可欠なことも、
チェーンストアがその名のごとく、
鎖そのものであることを示している。

チェーンストアや商業の日々の分業はすべて、
鎖のように絡み合って、互いに作用反作用の関係にある。
故に、経営や運営の強さとは、
一番弱い部門の強度ということになる。

   チェーンストア全体の問題解決の焦点も、
   一番弱いチェーンの輪にあることは、
   その名称が示している。

<エリヤフ・ゴールドラット著『クリティカルチェーン』に大きなヒントをいただきました>      
   
久しぶりに、『食品商業』の「メッセージ」や、
『販売革新』の「Editor’s Voice」風。

これは2004年に書いて、
それを公開せずに置いたもの。

引っぱり出して、再録。

一昨日のセブン-イレブン問題の中で使った「鎖」の経営論。
簡潔に、「メッセージ」風に書くとこうなる。

コンビニチェーンが統合の動きを速めている。
百貨店でもM&Aや提携が足早に進む。

私が言い続けている「クリティカル・マス」と「複占」。
しかしそれらにも、「鎖の経営」は貫徹されなければならない。

店舗数が多くなると、
たとえ百貨店でも、
「鎖の経営」の原則が必要とされる。

<結城義晴>  

2009年02月26日(木曜日)

最近のことからの雑感とオバマ語録「今、大胆に、賢く、行動する時」

今日は、最近気づいたこと、あれこれ。

バラク・オバマ大統領の議会演説。
姿がいい。
態度がいい。
言葉がいい。

「我々は、再建し、復活し、
アメリカ合衆国は強くなって蘇る」  

We will rebiuld,we wil recover,
and the United States of America Will emerge stronger than before.

「今は、大胆に、賢く、行動する時だ」  
Now is the time to act boldly and wisely.

コンビニのローソンが、am/pmを買収で基本的合意。
買収価格は145億円。
ローソンにとっては、きわめて安い買い物。
1万0600店のチェーンストアとなる。

セブン-イレブンが1万2100店。
ファミリーマートは7300店。

ローソンの最大株主三菱商事は、イオンの最大株主で、
イオンには、ミニストップ1900店のコンビニがある。

だから三菱商事のグループは、
トータル1万2500店もコンビニチェーンをもつことになる。

am/pm相澤利彦社長は、
「我々の規模で生き残っていけるのか」と発言。

クリティカル・マスのポイントは、17%といわれている。

店数での数値だが、
セブン-イレブンと、
ローソン、am/pm、ミニストップは、
それぞれ日本全体のコンビニの27%ほどの
クリティカル・マスを10ポイントも超えた存在となる。

背景に総合商社がある。

このホームページの「結城義晴の知識商人対談」
ライフコーポレーション岩崎高治社長との会話集。
岩崎さんも三菱商事から小売業にきた。

岩崎さんの発言に対する私のコメント。

「住友商事からサミットストアに行かれて、
社長、会長を務められた荒井伸也さんが、
商社の仕事とスーパーマーケットの仕事の違いを、
スポーツに例えています。
商社の仕事は例えば柔道の団体戦のようなものであって、
5人出てそれぞれが、1人ずつが勝ち抜きで柔道をする。
試合をする。
だから一人一人の力量が必要。
けれども食品スーパーマーケットには、
野球やサッカーのようなポジションがあって、
それぞれの分業があって、
全員で一つのボールを追いかけてゴールしなければならない。
もしくは得点しなければならない。
ポジションや役割、分業には、
全員のチームワークが必要である。
そこが商社と違うんだ」

コンビニという小売業に、
総合商社が絡んでくる。

しかしそこには、
荒井伸也さんや新浪剛史さん、岩崎高治さんのような、
「分業」が理解できる人がほしい。

一昨日、東京・泉岳寺。
「紋屋」。富山の料理屋。
紋屋
㈱プラネット社長の玉生弘昌さん、副社長の井上美智男さんと、
ランチミーティング。

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この店は、落ち着きがあって、良い。
tyouba
私と井上さんは煮魚定食。
玉生さんは焼き魚。

暖炉の火が、心を和ませてくれる。
danro
考えてみると、玉生さんも井上さんも、
ライオンから出て、プラネットをつくった。

1985年に、通信事業の規制緩和を契機に、
日用品・化粧品業界の有力メーカー8社の合意の下、
流通システム最適化のための業界共通インフラ構築を目的として、
設立された。

ここには、社会的分業の概念があった。

プラネットは、この分野のEDIの会社として、
日本の消費財の世界になくてはならない機能を果たす。

セブン-イレブンも、
ローソンのグループも、
プラネットも。

三菱商事も三井物産も住友商事も。

社会的機能と社会的分業の本質を知らねば、
成長はおろか、生き残りも危ない。

We will rebiuld,we wil recover,
and the United States of America Will emerge stronger than before.

Now is the time to act boldly and wisely.

ミスター・オバマの声が耳に残る。

<結城義晴>  

2009年02月25日(水曜日)

セブン-イレブン「見切りか廃棄か」問題に結論を出す

昨24日の日経平均株価は一時、7155円。  
バブル崩壊後の最安値を記録。
朝日新聞一面トップ。
「日米欧」
「株安 じわじわ」
先進国で、ジワリジワリと下がっている。
これは、深刻。
本質の問題、構造の問題だから。

さて、
セブン-イレブンの公正取引委員会調査の見切り問題。  
多くの方からご意見をいただいた。
感謝申し上げたい。

私の整理。
まず、この問題は、二つに分けて考える。
第1は、チェーンオペレーションの問題。
第2が、「見切り」という行為の問題。  


第1のチェーンオペレーションという側面から考えると、
今回の問題は、「個店経営」が第一義ではないことが判明したことになる。
チェーンオペレーションでは、標準化や統制が不可欠。
その標準化と統制の上に立って、個店経営がなされる。
安土敏さんのいう「作演システム」である。

日頃、セブン&アイ・ホールディングスが言っている「個店経営」の本質が、
図らずも、明確になったことになる。

その本部統制に、フランチャイジーの加盟店のうち、
従わない店が出た。
従わない店に、監督者であるスーパーバイザーが指導する。
「本部の指示は、全体最適のためです」  
加盟店は反論する。
「いや、自分の店があってこそ、全体だろう」  

レギュラーチェーンと呼ばれる直営のチェーンストアならば、
全く問題は起こらない。
これは、最初に書いた。
しかし、フランチャイズチェーンの加盟店は、
独立した資本家である。
だから本来、個店経営ではある。

ただし、それならば、冷たいようだが、
個人の意思をもって、他のチェーンに鞍替えしたらいいと、私は思う。
その自由は保障されている。
もしくは、チェーン全体に向けて、
「見切り」の提案をすべきだろう。

フランチャイズチェーンといえども、
チェーンストアである。
一部の店舗の事情が、
全体の顧客ロイヤルティを侵害すると考えられる場合、
本部は全体を優先する。

チェーンストアの鎖のたとえである。
一番弱い輪の強度が、
鎖全体の強度とイコールになる。  

チェーンオペレーションの統制と、
その枠組みの中での個店経営とが、
浮き彫りになった。
だから、極めて面白い事件だった。

しかし公正取引委員会で、「黒」と判定されたら、
これは法律の問題となる。
見守らねばならない。

第2の、「見切り」という行為の問題。
なぜ、見切りするのか。  
それは、在庫を売り切って、現金化するためだ。
間違いなく経営行為の一つの手段。
その意味では、生鮮食品や惣菜だけでなく、
衣料品でも雑貨でも、見切りはする。

生鮮食品や惣菜は、鮮度劣化したり、消費期限を超えたりすると、
商品価値は著しく低下する。
もしくは皆無になる。

だから商品価値がゼロになる前に、
安い値段をつけて、販売する。
顧客にも、それが店のルールとして、知れ渡っていれば、
顧客との約束を破ることにはなりにくい。

しかし、なぜ見切りする商品が生まれるのか。  
それは、売れ数の予測が狂い、
発注が過多になったからだ。

小売業は、最終販売者である。
そのあとの顧客は、商品を転売することはない。
最終販売者ということは、
誰かから買って、誰かに売る。
誰かから買うときに、ミスすると、在庫が残る。

この残った在庫の責任は、誰が取るか。
小売業者である。

本来、仕入れた商品、発注した商品は、
すべて売り切れることが理想である。

その理想主義的な経営をセブン-イレブンは、
一貫して追求している。

だからセブン-イレブン本部が考えるように、
見切りの前提があれは、発注の精度が落ちる。
これは確実だ。

見切りを認めたからといって、
廃棄の数量が減るかというと、それは違う。

ここには、おそらく、
8-2の原則が適用できるだろう。  

8割の加盟店は、見切りをうまく活用する。
2割の加盟店は、見切り制度があっても、
廃棄数量は、変わらない、あるいは増えるだろう。

これも推理の域を出るわけではないが、
従って、現在、セブン-イレブンの加盟店の中で、
発注精度が甘く、見切りしなければならない店は、
見切り制度が導入されると、発注はさらに甘くなり、
見切りしても廃棄は出るという矛盾に陥る。

いたちごっこになる可能性が強い。

「見切り」はあくまで行為であり、手段だ。
行為や手段の是非は、
その行為や手段が上手に活用できるか否かによって、
判断される。

野球のバントがいい作戦か悪い手段か。
それ自体の問題は、大きな戦略判断だが、
その前に、バントが上手か下手かの方が問題となる。

ただし、多くの方から指摘があったように、
生鮮品や惣菜の廃棄は、
地球環境問題や食糧問題、人口問題に関連している。

これは、世界の共通認識である。
だからこの問題に反することは、許されない。
損得より先に善悪を考えるべきだ。

セブン-イレブンの惣菜・弁当の「見切りか廃棄か」は、
従って、総量の問題となる。

生鮮や惣菜は腐るし、消費期限がある。
だから廃棄をゼロにすることは不可能だ。

それへの対応策として見切り制度を導入しても、
先の発注の甘い店が、
以前より多量の発注をしてしまったら、廃棄は出る。
すると、環境対応としては、マイナスになる。

しかし、セブン-イレブンが、企業全体として、
チェーン全体として、
現在以上に積極的に、廃棄総量を激減させることを、
第一目的化し、運動化するならば、話は別のことになる。

結論。  
第一は、セブン-イレブンが公正な取引に抵触するのか否かの問題。  
これは、法廷論争になるかもしれない。
事実がそれを証明する。
第二は、チェーンオペレーションと個店経営の問題。  
私は、セブン-イレブン本部に、論議の分はあると思う。
第三は、見切り制度を導入するか否か。  
これは、企業独自の方針であり、戦略問題。
セブン-イレブン本部にお任せすべき問題。
そして最後に第四に、環境問題と食糧危機問題。  
セブン-イレブンという日本最大規模の小売業には、
積極的に、先導的に、この問題に取り組んでほしい。
これは、私の要望。
商業現代化、商業基幹産業化という大目標のために。

見切り制度を導入すれば、
おそらくセブン-イレブンは、
最もバントが上手なチームになるはずなのだから。

<結城義晴>  

2009年02月24日(火曜日)

意欲ある人材のどんどん採用、どんどん教育、どんどん競争、どんどん成長

帰ってきました。
昨夜、遅く。

2泊3日のソウルの旅。

すると昨23日の日経新聞第二部が目に飛び込んだ。
毎年恒例の広告特集「就職ガイド」。
大学生就職希望企業調査。  
韓国では読むことができなかったページ。

第一位は、東京海上日動火災保険。
第二位は、三菱東京UFJ銀行。
第三位が、全日本空輸(ANA)。
そして第四位に松下電器改めパナソニック。

ベスト10には金融保険会社が、5社。
鉄道・航空と旅行社が4社。
そして製造業1社。

小売業は、95位の高島屋。
100位のニトリ。  

これは、大学3年生のアンケート調査だから、
アメリカ『フォーチュン』の「働きたい企業ランキング」とは、
全く趣旨が違う。

広告特集でもあるから、広告主への配慮も、
少しは入っているだろう。

しかし、それでも小売業が高島屋とニトリではさみしい。

商業の現代化どころか、
いまだ近代化のプロセスにあるとしか言えない。

経済不況の今。
人材採用こそ、次の時代への政策。
ここに小売商業がどんどん登場しなければいけない。

少なくともイオン、セブン&アイ・ホールディングスは、
常連でなければおかしいし、
ユニー、イズミヤ、イズミ、平和堂、オークワ
ライフコーポレーションやアークス、ヤオコーなども、
さらにファーストリテイリングやしまむら、
ヤマダ電機やヨドバシカメラ、コメリといった企業も、
ニトリと並んでベスト100には、顔を出してほしい。
菱食やパルタックも、ロックフィールドやスタジオアリスも。

私がいま、書いている『小売業大研究』という本。
編集担当の新垣さんや二宮さんには、迷惑のかけっぱなしだが、
この本を読んだら、誰もが、
小売商業に入りたくなるものにしたいと考えている。
そして小売商業、サービス業に入ったら、
一生、持っていたいと思う本にしたい。

「一生ものの本」  

さて、日経のコラム「大機小機」。
「世界は悲観の極み」と表現する。

しかし、「経済が人の営みである限り、
地球上から消費や生産がなくなるわけではない」

同感。

アメリカ国内の自動車保有台数は、2億台を超える。
それが現在、年間1000万台の販売数。
このままでは、20年間、同じ車に乗ることになる。
そんなことが、長く続くはずがない。
「経済は必ず、回復する」と。
大六星と名乗るコラムニストは、そう言う。

これも同感。

だから、今、打つ手は何か。

ピーター・ドラッカーは言い残している。
「われわれは今、歴史の峠を越えつつある」
そして、
「量の成長が見込めないときには、
質の充実を図れ!」  

これが、2009年の基本方針。

質の充実とは、
こんな時代だからこそ、
意欲ある、商人向きの人材の採用である。

どんどん採用して、
どんどん教育して、
どんどん競争させて、
どんどん成長させる。  

21世紀は人の時代。
「知識商人」の時代。
ナレッジ・マーチャントの時代。

その知識商人候補大量採用の絶好のチャンス到来。
そう考えたい。

さて、韓国・ソウルの駆け足旅行。
コエックス・ショッピング・モール。  
2000年開業。
二つのホテルに挟まれて地下街のようなモール構成になっている。
いわば核は、ホテル。
グランド・インターコンチネンタルホテルと、
コエックス・インターコンチネンタルホテル。
coex1

コエックスは、地下2万6000坪の韓国最大の総合アミューズメント&ショッピング施設。

アミューズメントの核は、メガボックス。
メガボックス

地下1、2階にある複合映画館。
16のスクリーン、大型館、中型館、小型館で、トータル4336席。
映画は全席指定。
とりわけ3Dシミュレーション劇場では、
座席がスクリーンの動きに合わせて動く。

海洋探検館「アクアリウム」は韓国最大規模のテーマ型水族館。
4340坪の規模、総500種類4万匹の魚。
ターミナル型の「オーシャンキングドーム」では、
頭上を大きな魚が泳いでいく様が見える。
さらに「キムチ博物館」など文化施設もある。
そしてカジノも。

商業機能の代表は、現代百貨店。
hundai
現代財閥系の現代百貨店グループで、売上高は百貨店の第2位。
ソウル・京畿道地方を中心に店舗展開。

外食と専門店が圧倒的に多い。
マクドナルドは、広大な店舗。
MAC

セブン-イレブンも、韓国の店としては広い。
seven

ただし、問題点は、地下街モールのため、
天井が低く、快適さに欠けること。
mall
韓国商業全体の問題点。
ショッピンググセンターの基本がないこと。

ロッテワールド。  
敷地面積約4万坪施設の延べ床面積18万坪。
室内型テーマパークとして世界最大規模。
rottetown
周辺は、マンション群。
mannsyon
室内テーマパーク、
野外の「マジックアイランド」、
スケート場「ロッテワールドアイスリンク」、
「ロッテワールド民俗博物館」、
「ロッテワールドシネマ」、
それにホテル、免税店、百貨店、総合スーパー、専門店モール。
map

商業施設の核は、ロッテ百貨店。
rottedept
ロッテ百貨店は韓国百貨店最大手。22店舗。

経営母体はロッテショッピング。
韓国ロッテグル-プに属し、
総合スーパーのロッテマート、
食品スーパーのロッテスーパーを傘下に置く、
流通・小売業第二位グループ。

地下一階の食品売り場は、特に充実。
food

韓国の青果部門の葉物の充実ぶりは、特筆モノ。
hamono

シェフが調理する惣菜のコーナー。
food2

スウィーツの対面売り場。
sweets

上階には、フルラインの品ぞろえ。
fashion

ロッテ百貨店の反対側にロッテマートがある。
総合スーパー業態。
mart
地下1階、地上5階の6フロア。

1階には無印良品の店舗。
muji
トイザらスも入る。

青果部門の野菜はフレッシュ。
月曜日だが、客数は多い。
fruits

ロッテマートでも、葉物の品揃えと鮮度感は高いレベル。
hamono

肉売り場にも、必ず店員が付いて、販売サービスする。
deli

店舗奥主通路には、惣菜コーナーが続く。
deliroad

レジ付近も、にぎやかな感じがする。
mreji
ロッテワールドは、テーマパークやアミューズメント機能に、
ショッピング機能が敷設されている。

その意味で、いかにも20世紀的なゾーンという印象。
つまり、「なんでもあります」式の機能満タン主義。

一方、都心部の新世界百貨店。  
首都圏に本店を含めて5つの百貨店があり、
その他、馬山店と光州店で7店舗。
サムソングループの小売部門としてスタートし、
「独立宣言」を発した。

㈱新世界は総合スーパー「E-MART」を、韓国内に100以上展開。
2006年9月には韓国ウォルマート16店舗を買収。
現在、新世界グループは韓国流通業界の売上規模首位に立っている。
sinnsegae
こちらは洗練されていて、国際レベル。
店舗面積は狭いが、吹き抜けスペースも設けられて、快適。
dept

店内は、「春の色」で統一されている。
spring&color
マネキンもご覧のように、飾り付けられている。

地下一階の食品フロア。
野菜は、やはり、鮮度感に満ちている。
seika

とびきり高いが、とびきり良質の商品でいっぱい。
deli
しかし、売り場に店員がうじゃうじゃ、いる。
小売業は人海戦術。
それが韓国のある種の常識。

1階は、百貨店らしく化粧品売り場。
1kai
百貨店としては、日本の伊勢丹のような存在。
マーケティングとマーチャンダイジングで、韓国商業を先導している。
faserd

韓国商業は、日本以上に大手寡占が進む。
しかし、カルフール、ウォルマートが、
相次いで進出し、相次いで撤退。

コストコだけは、ここでも業績順調。

部分的な突出と部分的な遅滞。
それが不思議な感じを与える。

外国資本にとって、利益が上げにくいマーケットであることは確かだ。

商業は、ドメスティックな産業だ。
韓国と日本を比べて、いつもそう感じさせられる。

<結城義晴>  

2009年02月23日(月曜日)

明洞の若者の熱気と宗廟の老人の真摯さに感じるもの

Everybody! Good Monday!  

2009年2月最終週。  
今週で2008年度を締める企業も多い。
来週から3月。
春がやってきます。
希望をもって、臨みたい。

しかし、麻生太郎内閣支持率下落が続く。
最新の毎日新聞調査では、11%。
日本経済新聞調査は、15%。

2月15日付、日本テレビ調査では9.7%と、
ひと桁を切った。

麻生太郎首相も、時事通信では、
「10%を切ることも覚悟している」と発言。

統計を見ると、雇用不安が高まり、
それが高額消費に影響を及ぼし、
GDPに大きくシェアを占める個人消費が停滞、落ち込み。

2010年までの長期の消費不振が予測されている。

元気を出そうよ。
それがあなたの仕事です。
元気を売ろうよ。
それがあなたの役目です。

天気は人間の力ではどうにもならない。
景気も政治も個人の力で動かせない。
しかし元気だけはあなたの力で生み出せる。
そう、元気は自分で何とかなる。

だから元気を出そうよ。
それがあなたの仕事です。
元気を売ろうよ。
それがあなたの役目です。
 

そう、元気は自分で何とかなる」というところが、
私は、好きです。

今週いっぱいを、元気で乗り越え、
週末から、弥生3月。

梅の季節から、桜のシーズンへ。
気分も晴れます。

もちろんお客様の気分、
そして私たちの気分。

さて、一昨日夕方から、
韓国・ソウル。  
日曜日ということもあって、
観光も兼ねて、中心地を回った。

ソウルは、もう10年ぶりくらい。
㈱商業界で取締役編集担当だったころ、
ソウルの未来トレードネットという会社と包括的業務提携をした。
そのための事前調整と正式調印、
その後、「韓国小売業視察セミナー」を、
コーディネートして、やってきた。
カルフール、ウォルマートなど、
日本に先行して進出していた外国資本大手小売業を研究するため。

バス1台分のいい研修会だった。

オリジン弁当の創業者、故安澤英雄さんも参加してくださった。
現ライフコーポレーション社長の岩崎高治さんも、参加メンバーだった。

それ以来の韓国・ソウル。
朝から、ソウルの中心・景福宮へ。
李王朝の創始者・李成桂が建てた正宮。
興礼門まえで、衛兵の交代式が行われていた。
景福宮

宗廟で、車さんという名の老人に会った。
「チャと発音します」  
tya
韓国の歴史やこの宗廟の由来、三つの王宮の意味、
そして韓国人の考え方など、
丁寧な日本語で語ってくれた。 (さらに…)

2009年02月22日(日曜日)

ジジとソウル[日曜版]

今日は「ネコの日」。
ボクの日です。

2月22日。
ニャン、ニャン、ニャンで、
ネコの日。

ゴロあわせ。
だけど、なんだかうれしい。

なのに、ユウキヨシハルのおとうさん。
昨日の夕方から、いません。
jiji2009-2-22-1

とつぜん、ニモツをまとめて、
でかけていきました。
jiji2009-2-22-2
カンコクのソウルというところへ。

ハネダ空港のコクサイ線。
haneda
「いってらっしゃいませ」

このヒコーキにのって……。
JAL

3時間で、ソウル・キンポ空港。
kinpo
「ようこそ、韓国へ」

「もうついたの?」
jiji2009-2-22-3

地下鉄2号線は環状線。
tikatetu

サムソンという駅のトレード・タワー。
tradecenter

コエックスというおおきなたてもの。
coex

ショッピング・モールがあります。
mall

そして、そのとなりのホテル。
インターコンチネンタル・ホテル。
hotel

地下一階のロビーのモジュール。
lobby
ホテルについたのは、
夜の10時でした。

「おつかれさま」
jiji2009-2-22-4
でも、すぐに……。

「ヤキニク」
yakiniku
カルビとハラミ。600グラム。

お店のなかは、あたたかそう。
mise
そとは2度くらい。

おとうさん、マンゾクした顔しています。

今日は、「ネコの日」です。
でも、ボクは、ねています。
jiji2009-2-22-5
ボクも、いってみたい。
カンコクのソウル。

ボクも、たべてみたい。
ヤキニク。カルビ、ハラミ。

今日は「ネコの日」です。
jiji2009-2-22-6
でも、ボクは、ねています。

<『ジジの気分』(未刊)より>  

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