昨夜、我が家のサム君の鼻の頭に、
赤いランプが点滅し始めました。
サム君は、環境ロボット。
昨年12月初めに試作品サンプル第一号として我が家にやって来てから、
本当に大活躍。
お正月など、一切生ゴミらしきものがたまらず、
極めて良好なライフスタイルを確保できました。
しかも、環境対応。
秘かに我が家の誇りとなっていたものです。
しかしそのサム君も、試作品第一号、
鼻の頭の赤いランプ点滅は、
「故障」です。
すぐに生みの親の宮本洋一さんに連絡。
㈱ブルーチップ常務取締役。
引き取って、「修理」してくれるそうです。
第一号としては、きわめて健康でした。
活躍してくれました。
しかし一時、ドック入り。
またすぐに戻ってきてくれることと思っています。
さて、内閣府の景気動向指数研究会の総括。
2002年2月から始まった緩やかな好景気の波。
2007年10月まで上昇が続いた。
5年9カ月。
四半期にして、23四半期。
69カ月。
景気の波は、2007年11月から、2009年の今日まで、
下降線をたどり、1年4カ月の16カ月。
5四半期続いて、さらに最短でも来年いっぱいは続きそう。
オイルショックやバブル崩壊後の最長下降期間は、
36カ月の3年、12四半期。
まだ30カ月ほど景気後退が続くことも、
視野に入れておかねばならない。
それ以上の長期に及ぶ可能性があることも、
知っておかねばならない。
そんな時だからか、
2008年、ドメスティックバイオレンス(DV)は、
前年比20.1%増の2万5210件だった。
4218件も増えた。
DVとは、配偶者らからの暴力だが、
この数値は全国の警察が認知したもの。
警察に知らされない暴力は、もっと増えているにちがいない。
この2008年の数値は5年連続の増加で、
2001年にDV防止法が施行されて以降、最多であった。
景気循環には5つの特性がある。
第一は、累積性。
例えばいったん上昇し始めた景気は、累積され、
一つの方向に進む。
そして、行き着くところまで行く。
下降し始めた景気も、どんどん下降し、
下降のエネルギーを累積しつつ、
行き着くところまで行く。
「景気には累積性がある」というわけ。
しかし、あるポイントまでいきつくと、
今度は正反対の方向に進む。
第二の特性「可逆性」によって。
蓄積のエネルギーが衰え、薄れ、
なくなると、反対の方向に進み、
その方向への推進力が蓄積される。
そして元の出発点のポイントまで、戻る。
第三の特性は、「交代の規則性」。
回復⇒繁栄⇒後退⇒沈滞⇒回復。
これはシュンペーターの説。
ミッチェルの説は、
回復⇒拡大⇒後退⇒収縮⇒回復。
回復と後退の間に、繁栄や拡大、沈滞や収縮が訪れる。
それが規則性を持っているということ。
第四の特性は、「部門間の波及の規則性」。
株価の後退が、生産の後退へ、
生産の後退が、消費へ、あるいは金利へ、
波及していく。
このように部門間の波及が規則的に繰り返される。
そして第五の特性が「周期性」。
一定のサイクルをもって、周期的に繰り返される。
いわゆる循環論。
しかしこの循環の周期が問題。
4つのサイクルが考えられる。
①短期(3から4年)
②中期(10年)
③長期(20年)
④超長期(50年から60年)
現在進行している景気後退は、
「100年に一度の危機」といわれている。
100年一度が本当ならば、少なくとも今回は短期ではない。
10年の中期か、20年の長期か、
あるいは超長期なのか。
オイルショック後の36カ月を、我が日本は経験した。
しかしそれは短期循環論による周期だった。
今回の下降の前の上昇のサイクルが、
69カ月、6年近いものだったから、
第3の特性の「交代の規則性」を採用すれば、
下降もまた69カ月、5~6年となる。
学問とは、役に立つようで、
当たり前のことをあらためて教えてくれるもの。
易しいことを難しく。
面白いことをつまらなく、
当たり前のことを訳ありに。
私のジャーナリズムや実務は、
難しいことを易しく、
易しいことを面白く、
面白いことをより深く。
存在するものには、
みな意味がある。
アカデミズムも、
ジャーナリズムも、
プラグマティズムも。
景気の循環論の5つの特性は、
アカデミックな分析であるが、
極めて興味深い。
ここに本当の面白さがある。
そして景気の循環論は、
企業や組織の循環論にも通ずるものとして、
常に意識しておきたい。
サム君のドック入りも、
循環論のなかにあるのです。
<結城義晴>
(日本経済新聞1月21日「景気循環と恐慌⑪」を参考にしました。
三菱UFJ証券景気循環研究所編に感謝します)