2月の外食産業は前年同月比3.6%の減少。
これは3カ月連続。
日本フードサービス協会の発表。
ディナーレストランが14.6%減、
好調なファストフードまで0.3%減。
これは昨年のうるう年の影響。
全体の客単価は1.4%上昇したが、客数は4.9%減。
2月から大変な時代に突入した模様。
昨3月25日は、成田エクセルホテル東急。
隣のヒルトンホテルでは、
ワールドベースボールクラシックから帰国した「サムライジャパン」が記者会見。
その上、宿泊。
こちらは、
日本セルフ・サービス協会の平成20年度通常総会。
午後1時から地下一階のウッド・ルームで、まず、
2010スーパーマーケット・トレードショー実行委員会。
先月開催され大成功だった2009トレードショーの結果報告。
さらに来年2月8日~10日開催の2010トレードショーの企画提案。
そしてディスカッション。
私は、この日本のスーパーマーケットトレードショー。
世界二大食品展示会になりつつあると思う。
規模でいえば世界第一はドイツ・ケルンのアヌーガ。
第二は、フランス・パリのシアル。
しかしこの二つのヨーロッパの食品展示会は、
前者が毎奇数年、後者が毎偶数年に開催される。
だから毎年ということになると、
アヌーガ&シアルはセットで考えることができる。
実際、ヨーロッパを中心とする欧米・南米の、
バイヤーたちも、エキジビターたちも、
アヌーガとシアルの両展示会を訪問し、出展する。
そして、アメリカ大陸最大の食品展示会はFMI。
しかしこちらは残念ながら、今年はセミナーのみの開催となった。
だから、日本のスーパーマーケットトレードショーは、
世界二大食品フェアと見ることさえできるレベルになった。
スーパーマーケット企業の協会が開催するから、
単なる食品を展示するフェアではない。
食品を中心とした商品、
売り場づくり・店づくりのためのシステムや設備・什器。
そして売るためのソフトウェア。
スーパーマーケットを経営し、運営するために必要なすべての要素が揃う。
これがこのイベントの特徴であり、
だからトレードショー自体は、「増収増益」となる。
訪問者数7万8478人(前年7万5052人)、
平均商談成約率17.8%。
スーパーマーケットにたとえるならば、「客数増・買上げ点数増」。
来年も、日本のスーパーマーケットや食品産業に、
元気を与える食品フェアになってもらいたいものだ。
成田で行われた第二の行事は、平成20年度通常総会。
この総会、日本のスーパーマーケット産業にとっても、
歴史的に影響を与える総会となった。
この日本セルフ・サービス協会と全国スーパーマーケット協会が、
ともに、正式に、それぞれの総会で「合併」を決定したからだ。
新協会の名称は、
「社団法人 日本セルフ・サービス協会」。
正会員500社、賛助会員680社、合計1180社の団体。
日本のスーパーマーケットの約6割が参集することになる。
事業は、両協会が必死で展開してきたものを、ほとんど共有し、
新たに毎月、スーパーマーケット会員企業売上統計を集計・発表する。
これは実に大きなことだ。
昨日のこのブログで、日本チェーンストア協会の総合スーパーを中心とした月報の数値と、
日本フランチャイズチェーンのコンビニの月報の数値を報告した。
しかし、商業統計にも示される日本最大の業態の月報がない。
それがこのたび可能となる。
新日本セルフ・サービス協会以外の協会も協力して、
できるだけ正確な日本のスーパーマーケット統計が発信されることを、
私は、切に願うものであるし、
私も、その実現に尽力したいと思う。
これは、確実な進化を意味する。
総会後は、特別講演会。
演題は「競合との差別化戦略」
サブタイトルは「第一章 いくつかの具体的な店舗開発事例より」
講師は、高木實さん。
前㈱スーパーバリュー副社長、元㈱カスミ専務、元㈱西友執行役。
そして商業経営研究会会員。
そう、一昨日の商業界会館での研究会にご参加くださっていた高木さん。
この高木さんの講演、素晴らしかった。
西友時代の無印良品の開発は、新業態による差別化戦略。
無印は、All value, No frillsのコンセプトがとてもいい。
それをあらためて確認させてもらった。
これ、「オクシモロン」の考え方。
そしてカスミ時代の経験をもとにしたのは競合エリアでの出店戦略。
①出店計画
②店舗基本計画
③営業基本計画
④開業計画
これらの体系が、実に綿密に語られた。
実務経験に基づいているから、説得力がある。
高木さんのまとめは6項目。
その中で、特に二つ。
トップの強い信念と全社横断プロジェクトの事務局力。
この二つが印象に残った。
高木さんの実務者としての真骨頂が現れた講演だった。
講演会の後は、懇談会。
増井徳太郎協会会長のご挨拶。
通常総会後の理事会で、絶好調の会長職を続けていただくことが決まった。
そして横山清名誉会長。
合併する全国スーパーマーケット協会理事長でもある。
新しい時代の到来を、横山さんは高らかに宣言した。
私も、新しい時代がやってきたと感じた。
それは、希望と絶望が入り混じった時代。
ある者にとっては希望が実現する。
ある者にとっては絶望が訪れる。
すべての者の希望が叶えられることはない。
それが新しい時代の希望と絶望である。
しかし全国のお客様にとっては、確実に、
安全で安心で、便利で豊かな時代の到来となる。
<結城義晴>