結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2009年03月31日(火曜日)

「ナゲットマーケットの奇跡」その②アクチュアリー・ロープライス

「FORTUNE」誌の2009働きたい企業ランキング第10位。
「ナゲット・マーケット」のお話。
yuuuki
ずいぶん飛んでしまって恐縮。

ヴァカヴィル店。
vakanvi
フロントマネジャーのケリーさんに話を聞いた。
「ナゲット・マーケットはファンタスティックな会社です」  
のっけから、こんな言い方をした。
kery
「私は大学で働いていた。
そしてこの会社に転職した。
この会社では、オーナーの気持ちで働く者は、
2~3年でデパートメントマネジャーになる。
今年は新店はないが、ニューストアを開設すると、
デパートメントマネジャーが誕生する。
デパートメントマネジャーは、やりがいもあるし、給料もいい」

このナゲットマーケットが、
働きたい企業ランキングの上位にいるのはなぜか?
「私たちの会社の社員は、フレンドであり、ファミリーです。
人をどう扱うかで、その会社の考え方が決まります。
私たちの店は特別ではない。
私たちの商品も特別ではない。
しかし会社は社員にフェアで、なおかつ地域に貢献している」

2009年働きたい企業ランキング5位のウェグマンズ。
2005年には第一位に輝いたし、
2006年2位、2007年、2008年と3位。
そのウェグマンズで働く日本人・吉野邦夫さん。
現在、カテゴリー・マーチャントというポジショニング。
その吉野さんが言う。
「働きたい企業といっても、ラクして、
給料が高い会社ではありません。
特にマネジャーは、猛烈に働くし、競争も激しい。
しかし、働き甲斐や遣り甲斐を提供してくれる会社なのです」

ナゲットも同様。
それをケリーさんが言う。

同社は現在、9店舗のナゲットマーケットと3店舗のフード4レスを展開する。

働きたい企業ランク上位に入るためには、
会社はポストを用意し続けねばならない。

すなわち、伸び続けねばならない。

ナゲットマーケットは離職率8.2%。
極めて低い率。
しかしやめる人はいる。
「会社を辞める人の多くは、大学に行きます。
誰一人、この会社が嫌いで辞める人はいない」  

「私たちは、不可能なことをやる。
品質が高くて、価格が安い。
これはどちらも一番にするのは、不可能なことです。
不可能なことをやり遂げるのが面白いのです」

ナゲットの象徴は、翼の生えた豚。
「ウォルマート、セーフウェイ、ウィンコ。
みんな安いけれど、我々は、
アクチュアリーロープライスです」  
「アクチュアリー・ロープライス」とは、
「外見と違って、本当に安い」といった意味。
kakaku
「STOP」とPOPやサインが付けられた商品は、安い。

外見は、美しいし、ファンタスティック。
しかし、価格は安い。

それがナゲットの真髄。

「我々はスモールカンパニーです。
しかしウェアハウスをもっていて、どんどん買う。
冷凍食品のウェアハウスもある。
それをゲストに、どんどん売る」
どんどん売るから、安くできる。

「セーフウェイと価格勝負すれば、
10回のうち8回は勝っている。
そのセーフウェイより、
我々はいつも、断然サービスがいい」  

これこそが「小さいもの」の闘い方である。

そして、フロントマネジャーが、
こんな基幹となる経営戦略を語る。

フロントマネジャーとは、
日本でいえば、「レジチーフ」。
ケリーさんは男性だけれど。
そして大学職員のキャリアがあるけれど。

彼らが「ナゲット・マーケットの奇跡」を生み出しているのである。

<結城義晴>  

2009年03月30日(月曜日)

「鳥の目」と「虫の目」、両者の「融合」

Everybody! Good Monday!

2009年3月30日です。3月の最後。
今週水曜日から、4月に入ります。
気持ちを入れ替えて、
元気を出していきましょう。

このホームページの巻頭テロップ「流通ニュース」。
2月の商業販売統計速報で、
商業販売額は38兆8620億円。
前年同月比21.5%の減少。

今年2月から、潮目がさらに変わった。

内訳。
小売業9兆9760億円(5.8%減)、卸売業は28兆8860億円(25.8%減)。
卸売業が惨憺たる状況。
4分の1も減じた。

ただし季節調整済前月比は、商業全体で4.7%減、
卸売業5.4%減、小売業0.3%減。

1年前と比べると、大きくマイナスで、
1か月前と比べると、なだらかなマイナス。

大型小売店販売額は1兆4497億円(6.7%減)。
百貨店は5144億円(11.8%減)、
スーパー9353億円(3.6%減)。

既存店は、百貨店11.4%減、スーパー6.3%減。

商品別には、衣料品15.1%減、飲食料品3.6%減、その他10.6%減。
飲食料品も減った。
もちろん昨年がうるう年で、今年は1日分少なかった。

コンビニの売上げ動向が、
日本の消費全体のトレンドをよくあらわしている。
その数値は、5882億円(4.0%増)。

えっと、思うかもしれない。

そのコンビニの商品別動向。
ファーストフードと日配食品1976億円(3.0%減)、
加工食品1746億円(2.1%減)、
非食品が1917億円(20.1%増)。
サービス売上高は243億円(1.2%増)。

非食品は、タバコ。
タバコ神風景気がコンビニに吹いている。

そして、サービスが伸びている。

私の持論。
「すべての商売がサービス業化しなければならない」  

さて、昨日から埼玉県飯能市泊。
流通業界の隠遁者・杉山昭次郎先生のところへ来て、
議論しつつ、飲んだ。

飯能
㈱リテイルマーケティング研究所代表の浅香健一先生とご一緒。
浅香先生は、コーネル大学RMPジャパン講師でもある。

杉山昭次郎のときどきエッセイ」のブログ。
「スーパーマーケットの競争力強化の視点」というコンセプトで充実していく。
先生からその構想のレジュメが出された。

まだブログ自体は、小難しいし、固い。
私が、僭越にも、ブログの書き方をご伝授。

今後を、ご期待いただきたい。

そこで出たこと。
「現代化」とは、「融合」であるということ。  
杉山先生の説は、
「古今東西の価値観の融合」
「新テクノロジーと商人道精神の融合」
私は、「融合とはオクシモロンの問題解決」という説。

さらに、アカデミズムとジャーナリズム・実務との関係。
前者が鳥の目、後者は虫の目。

商業販売統計は、鳥の目で見る全体像。
自分の仕事を虫の目で見る。

虫の目が、好きな人が多いが、
鳥も目も不可欠。

そして鳥の目と虫の目の融合が、
さらに大切だ。  

さあ、今週が始まる。
4月が始まる。

Everybody! Good Monday!

<結城義晴>  

2009年03月29日(日曜日)

ジジの異国追想[日曜版]

jiji1
こんにちは。
いいテンキです。

空もきれい。
sky

パンジーもさきました。
hana

ムラサキ色のパンジーもさいた。
hana

ユウキヨシハルのおとうさん、
つかれきってる。
jiji2
アメリカからかえってきて、
おやすみなし。

そのアメリカのサンフランシスコ。
sannfran1

そのサンフランシスコのベイブリッジ。
bridge

フェニックスからロサンゼルス、
そしてサンフランシスコ。
はしりまわった。
jiji 3
ボクは、おうちで、
まってました。

フィッシャーマンズ・ワーフ。
ヨットがいっぱい。
hune

そこで、おおきなカニをたべた。
kani
これはおいしそう。

ボクも、うらやましい。
jiji4
もちろん、
おとうさんはシゴトでした。
kougi
「コーギもしたよ」
そういってます。

でも、ボクは、
おとうさんには、
愉しむことも、
たいせつだとおもいます。
jiji6
「無茶はいけない、無理はいいけど」

サンフランシスコのユニオン広場。
union s

そこで記念写真。
union s2

おとうさん、
4月はすこしゆっくりします。
jiji5
でも、5月、6月、7月。
アメリカでのシゴトが、
飛び石でつづきます。

ありがたいことです。
ボクも、感謝しています。

<『ジジの気分』(未刊)より>  

2009年03月28日(土曜日)

「イオンの反省」と商人度数

月曜日にサンフランシスコから帰国して、
疲労困憊。

このブログアップの時間も不安定に。

申し訳ありません。

そんな横浜の商人舎を大高愛一郎さんが訪れてくれた。
ご存知、コーネル大学RMPジャパンの事務局長。
大高さんと
4月1日、2日、そして3日のコーネル講義および実習の打ち合わせ、
合同企画委員会や7月の卒業旅行のスケジュールの内容確認、
などなど。

大高さんが来社してくれると、なんだか嬉しい。
商人舎スタッフも、みんな喜ぶ。

「商人舎」という会社の名前、
私はとても気に入っている。  

このネーミングにした時点で、「会社は成功した」と、
確信できるくらい、気に入っている。

その「商人舎」の「商人(しょうにん)」という言葉のイメージ。
私が一番ぴったりくる人は、大高善雄さん。
愛一郎さんのお祖父さん。
「野越え山越え」のほんものの商人。

現ヨークベニマル社長の大高善興さんも営業一筋の人だが、
善雄翁には、商人としてかなわない。

愛一郎さんのお父さんの、故大高善二郎さんは哲学する商人だったが、
善雄翁には、商人度数で及ばない。

しかしみんな生粋の商人であることに、変わりない。

そんな血が愛一郎さんには流れている。
だから愛一郎さんは、商人舎になんだかピタリとくるのだと思う。
もしかして、私よりも。

さて、「イオンの反省」  

私たちがアメリカに飛び立った翌日の3月18日に、
岡田元也社長が「反省会見」を行った。
「今日はイオンの反省会でございます。
お客様第一といいながら、我々が出遅れていました」

翌日には主要紙の朝刊に「イオンの反省」と題した全面広告を出した。
「イオンの価格は、他店にくらべて、決して安くはありませんでした」
「イオンの売り場には、欲しいと思える商品が並んでいませんでした」
「イオンは、お客さまへのサービスを、怠っていました」
「もう一度、お客さまが求める本当の低価格、売場、サービスを
取り戻すことに全力を尽くしていきます」

正式の広報文書は、3月18日付で以下のようになっている。

「私達イオンは、前身のジャスコ創業以来、
お客さまの声に学び、また優れた競合企業から学び、
お客さまのご満足を最大化することを企業哲学として、
日本の流通構造改革に取り組んでまいりました」

ふむ、ふむ。  

顧客満足の最大化を流通構造改革に定める。
それがイオン。

「しかしながら今日のイオンは、時代の経過や、組織の巨大化に伴い、
創業以来綿々と受け継がれてきた『お客さま第一で行動する』という
企業文化の発露が不十分な状況にあります」

なるほど、時間の経過とともに組織が強大化して、
顧客満足が不十分となったか。

「結果として、お客さまのご期待に添えない状況が発生していることを真摯に反省し、
もう一度創業の精神に立ち戻り、『お客さま満足』の実現に向けて行動してまいります」

顧客の期待に添えないことを反省している。
だから、創業の精神に戻る。

それが「顧客満足」。

イオンの言わんとすることは、よく分かる。

「イオンの反省」は、このあと、
第一に「ベストプライスbyトップバリュ」に新たに500品目の導入・展開を宣言する。
これは、ナショナルブランドと同等の品質の商品をディスカウンター価格で提供する。
いわゆる「コンペティティブブランド」。

第二に、5000品目の「トップバリュ」全体の34%の1700品目の価格引き下げを行う。
これは、ウォルマートの「ロールバック」。

第三は、ナショナルブランド3400品目の価格引き下げ。
これは「ディスカウント」。

この後に文章がある。

「イオンは今後もお客さま代位企業として、
価格リーダーシップを発揮すべく、
全商品の見直しとNB商品の値下げを推進してまいります」

第一は、4月14日以降順次展開。
第二は、3月18日に600品目値下げし、8月まで順次実施。
第三は、3月20日より順次値下げ。

さて、この「イオンの反省」。

競争相手としてではなく、
取引先としてではなく、
新聞広告を見た顧客として、
どう、感じただろうか。

「反省を販促にしている」と思ったか。
「この時期の反省とは、やはり商人だ」と感じたか。

はたして「イオンの反省」の商人度数はどのくらいのものなのか。
岡田元也社長の商人度数は?

戦後の商業界で、「反省」は一時、ブームのようになった。
「お客さまを無視した商売をしておりました。
反省とともに、お詫びし、全品安売りをし、
生まれ変わります」

亡くなられた新保民八先生、須田泰三先生など、
この「反省」を商人たちに突きつけ、
正しい商人に改心させ、商売を立て直させた。
多くの商人が反省し、立ち直った。
立ち直らなかった商人も、また多かった。

その反省が、商人としての本当の反省だったか否かは、
しばらくして、店を見れば、すぐに分かった。
恐ろしいことに、店には、如実に表れる。

「イオンの反省」に関して、商人度数を、
ここで明らかにする必要はない。

商人の場合、「反省」のあとの店の状態が、
何よりも本当に反省していたのかどうかを、
教えてくれるからである。  

<結城義晴>  

2009年03月27日(金曜日)

戸籍のない産業「スーパーマーケット」

小売業界のトップの若返りが進む。
セブン-イレブン・ジャパン社長に井阪隆一取締役常務執行役員が昇格する。
51歳で、同社初めての生え抜き社長。
この、若い社長のもと、2009年度は1000店の出店計画を持つ。

ローソンの新浪剛史さんが50歳で、同世代。
社長としてのキャリアでは、新浪さんが先輩だが、
互いに競ってほしいものだ。
新浪さんは昨年10月から毎月、自分でコラムを書いている。
タイトルは『新浪です』
井阪さんにも、元気な社長を期待したい。

コンビニは、世界中を見渡しても、日本という国で一番進化を見せている業態。
そのコンビニをリードする二人の経営者には、日本の産業界全体からの期待がかかる。

さて、商人舎ホームページ、面白い記事が増えている。
先日ご紹介した杉田幸夫さんのBizMaga : The Super ★ Market
浅野秀二さんの「アメリカ寄稿」。
(浅野さん、とうとうWBCの原監督采配の件で、土下座してしまいました)  
そして金曜日は、「林廣美の今週のお惣菜

さらに、「スタッフ日記」でも、アメリカ視察セミナーの模様が、コミカルに描かれます。

巻頭テロップの「流通ニュース」は流通業界第一級の速報性と情報量を誇ります。

是非、楽しんでください。勉強してください。

さて、昨日は、成田で日本セルフ・サービス協会主催のチャリティゴルフ大会。
タジキスタン共和国ヌレク第17小中学校支援基金に、私も寄付し、参加した。

その後、夕方、東京に戻って、
アークス社長の横山清さんと、懇談。  
前日の同協会通常総会からずっとご一緒。
全国スーパーマーケット協会理事長にして日本セルフ・サービス協会名誉会長。

まず、日航ホテルで、二人だけの対談。
それから場所を移して、お酒を飲みながら続き。
yokoyamasan

ところは、銀座の長崎料理店「吉宗」。
yossou

吉宗から、アークス執行役の古川公一さん(写真後ろ中央)、
さらに『食品商業』編集長・山本恭広さん(写真左端)、
『販売革新』編集長の宮崎文隆さん(右端)が加わって、にぎやかな懇談。
everybody

ここでのテーマは、
「スーパーマーケットは戸籍のない産業」ということ。
これ、私の持論。
「戸籍のない産業」という言葉は、横山さんの命名。

総務省統計局から「日本標準産業分類」が出されている。
この分類表によって、日本のすべての行政が行われる。
大分類は、20。
大分類のアルファべットI分類が卸売業・小売業、
すなわちわが商業。

小売業の中に、中分類がある。さらにその下に小分類、細分類がある。
少々長くなるが、小売業の中分類・小分類・細分類を全部、掲載する。
中分類が二桁の数字、小分類が三桁、細分類が四桁の数字で管理されている。

  56  各種商品小売業                         

    560  管理,補助的経済活動を行う事業所(56各種商品小売業)
      5600  主として管理事務を行う本社等
      5608  自家用倉庫
      5609  その他の管理,補助的経済活動を行う事業所
    561  百貨店,総合スーパー
      5611  百貨店,総合スーパー
    569  その他の各種商品小売業(従業者が常時50人未満のもの)
      5699  その他の各種商品小売業(従業者が常時50人未満のもの)

  57  織物・衣服・身の回り品小売業

    570  管理,補助的経済活動を行う事業所(57織物・衣服・身の回り品小売業)
      5700  主として管理事務を行う本社等
      5708  自家用倉庫
      5709  その他の管理,補助的経済活動を行う事業所
    571  呉服・服地・寝具小売業
      5711  呉服・服地小売業
      5712  寝具小売業
    572  男子服小売業
      5721  男子服小売業
    573  婦人・子供服小売業
      5731  婦人服小売業
      5732  子供服小売業
    574  靴・履物小売業
      5741  靴小売業
      5742  履物小売業(靴を除く)
    579  その他の織物・衣服・身の回り品小売業
      5791  かばん・袋物小売業
      5792  下着類小売業
      5793  洋品雑貨・小間物小売業
      5799  他に分類されない織物・衣服・身の回り品小売業

  58  飲食料品小売業

    580  管理,補助的経済活動を行う事業所(58飲食料品小売業)
      5800  主として管理事務を行う本社等
      5808  自家用倉庫
      5809  その他の管理,補助的経済活動を行う事業所
    581  各種食料品小売業
      5811  各種食料品小売業
    582  野菜・果実小売業
      5821  野菜小売業
      5822  果実小売業
    583  食肉小売業
      5831  食肉小売業(卵,鳥肉を除く)
      5832  卵・鳥肉小売業
    584  鮮魚小売業
      5841  鮮魚小売業
    585  酒小売業
      5851  酒小売業
    586  菓子・パン小売業
      5861  菓子小売業(製造小売)
      5862  菓子小売業(製造小売でないもの)
      5863  パン小売業(製造小売)
      5864  パン小売業(製造小売でないもの)
    589  その他の飲食料品小売業
      5891  コンビニエンスストア(飲食料品を中心とするものに限る)
      5892  牛乳小売業
      5893  飲料小売業(別掲を除く)
      5894  茶類小売業
      5895  料理品小売業
      5896  米穀類小売業
      5897  豆腐・かまぼこ等加工食品小売業
      5898  乾物小売業
      5899  他に分類されない飲食料品小売業

  59  機械器具小売業

    590  管理,補助的経済活動を行う事業所(59機械器具小売業)
      5900  主として管理事務を行う本社等
      5908  自家用倉庫
      5909  その他の管理,補助的経済活動を行う事業所
    591  自動車小売業
      5911  自動車(新車)小売業
      5912  中古自動車小売業
      5913  自動車部分品・附属品小売業
      5914  二輪自動車小売業(原動機付自転車を含む)
    592  自転車小売業
      5921  自転車小売業
    593  機械器具小売業(自動車,自転車を除く)
      5931  電気機械器具小売業(中古品を除く)
      5932  電気事務機械器具小売業(中古品を除く)
      5933  中古電気製品小売業
      5939  その他の機械器具小売業

  60  その他の小売業

    600  管理,補助的経済活動を行う事業所(60その他の小売業)
      6000  主として管理事務を行う本社等
      6008  自家用倉庫
      6009  その他の管理,補助的経済活動を行う事業所
    601  家具・建具・畳小売業
      6011  家具小売業
      6012  建具小売業
      6013  畳小売業
      6014  宗教用具小売業
    602  じゅう器小売業
      6021  金物小売業
      6022  荒物小売業
      6023  陶磁器・ガラス器小売業
      6029  他に分類されないじゅう器小売業
    603  医薬品・化粧品小売業
      6031  ドラッグストア
      6032  医薬品小売業(調剤薬局を除く)
      6033  調剤薬局
      6034  化粧品小売業
    604  農耕用品小売業
      6041  農業用機械器具小売業
      6042  苗・種子小売業
      6043  肥料・飼料小売業
    605  燃料小売業
      6051  ガソリンスタンド
      6052  燃料小売業(ガソリンスタンドを除く)
    606  書籍・文房具小売業
      6061  書籍・雑誌小売業(古本を除く)
      6062  古本小売業
      6063  新聞小売業
      6064  紙・文房具小売業
    607  スポーツ用品・がん具・娯楽用品・楽器小売業
      6071  スポーツ用品小売業
      6072  がん具・娯楽用品小売業
      6073  楽器小売業
    608  写真機・時計・眼鏡小売業
      6081  写真機・写真材料小売業
      6082  時計・眼鏡・光学機械小売業
    609  他に分類されない小売業
      6091  ホームセンター
      6092  たばこ・喫煙具専門小売業
      6093  花・植木小売業
      6094  建築材料小売業
      6095  ジュエリー製品小売業
      6096  ペット・ペット用品小売業
      6097  骨とう品小売業
      6098  中古品小売業(骨とう品を除く)
      6099  他に分類されないその他の小売業

  61  無店舗小売業

    610  管理,補助的経済活動を行う事業所(61無店舗小売業)
      6100  主として管理事務を行う本社等
      6108  自家用倉庫
      6109  その他の管理,補助的経済活動を行う事業所
    611  通信販売・訪問販売小売業
      6111  無店舗小売業(各種商品小売)
      6112  無店舗小売業(織物・衣服・身の回り品小売)
      6113  無店舗小売業(飲食料品小売)
      6114  無店舗小売業(機械器具小売)
      6119  無店舗小売業(その他の小売)
    612  自動販売機による小売業
      6121  自動販売機による小売業
    619  その他の無店舗小売業
      6199  その他の無店舗小売業

まず、どこにも「スーパーマーケット」の概念が存在しない。  
「561」の小分類は「百貨店,総合スーパー」で、
「5611」の細分類も「百貨店,総合スーパー」
すなわち百貨店と総合スーパーが一緒くたにされている。
私見だが、ここは、
「5611 百貨店」
「5612 総合スーパー」
こうでなくてはいけない。

「589 その他の飲食料品小売業」の細分類の一番初めに、
「5891 コンビニエンスストア(飲食料品を中心とするものに限る)」がある。

「603 医薬品・化粧品小売業」の筆頭に「6031 ドラッグストア」がある。
「6032 医薬品小売業(調剤薬局を除く)」
「6033 調剤薬局」「6034 化粧品小売業」と続く。

そして、「609 他に分類されない小売業」の頭に、
「6091 ホームセンター」が出てくる。

しかし「スーパーマーケット」の言葉はどこにもない。

日本の標準産業分類の中に位置づけられない小売業。
しかし17兆0535億円の最大の年商を占める業態。

それが「戸籍のないスーパーマーケット」である。

横山さんも私も、このスーパーマーケットに、
戸籍を得ようと努力する。
そのことで、心を一つにした。

この標準産業分類に、名称が入ることで、
政府の政令や地方自治体の条例の中に、
「スーパーマーケット」の言葉が使われるようになる。
これは大事なことだ。

一昨昨日、社団法人全国スーパーマーケット協会が正式に機関決定し、
一昨日、社団法人日本セルフ・サービス協会が通常総会で採決した。
両者の合併を。

これは、スーパーマーケットの戸籍獲得への推進力となる。

横山さんは、その歴史的な会合で、
「スーパーマーケットの新しい時代」を宣言した。
とても誇らしそうだったし、うれしそうだった。

私も、このことには、尽力したいと考えている。

「スーパーマーケットが戸籍を得る」

このブログを読んでくださっているスーパーマーケット関係者の皆さん、
一緒にやりましょう。

さらに百貨店の皆さん、総合スーパーの皆さん、
それぞれが立派に独立した業態であることを、
産業の戸籍簿上で示しましょう。

私は、これは「商業の現代化」に確実に貢献すると思っている。
食品卸売業界にも、食品製造業界にも、いい影響をもたらすし、
農林水産省をはじめとする行政府にも、理解が得られやすくなる。

そして輸出頼みから内需発掘に移行しなければならない日本経済に対しても、
さらに日本の自給率向上国民運動にも貢献する。

「食」を提供する小売業態の中の「スーパーマーケット」が、
戸籍を持つことは。

有意義な一夜だった。

<結城義晴>        

2009年03月26日(木曜日)

セル協総会と希望と絶望の入り混じった新時代の予感

2月の外食産業は前年同月比3.6%の減少。  
これは3カ月連続。
日本フードサービス協会の発表。
ディナーレストランが14.6%減、
好調なファストフードまで0.3%減。
これは昨年のうるう年の影響。

全体の客単価は1.4%上昇したが、客数は4.9%減。

2月から大変な時代に突入した模様。

昨3月25日は、成田エクセルホテル東急。
隣のヒルトンホテルでは、
ワールドベースボールクラシックから帰国した「サムライジャパン」が記者会見。
その上、宿泊。

こちらは、
日本セルフ・サービス協会の平成20年度通常総会。  
総会
午後1時から地下一階のウッド・ルームで、まず、
2010スーパーマーケット・トレードショー実行委員会。

先月開催され大成功だった2009トレードショーの結果報告。
さらに来年2月8日~10日開催の2010トレードショーの企画提案。
そしてディスカッション。

私は、この日本のスーパーマーケットトレードショー。
世界二大食品展示会になりつつあると思う。  
規模でいえば世界第一はドイツ・ケルンのアヌーガ。
第二は、フランス・パリのシアル。
しかしこの二つのヨーロッパの食品展示会は、
前者が毎奇数年、後者が毎偶数年に開催される。
だから毎年ということになると、
アヌーガ&シアルはセットで考えることができる。

実際、ヨーロッパを中心とする欧米・南米の、
バイヤーたちも、エキジビターたちも、
アヌーガとシアルの両展示会を訪問し、出展する。

そして、アメリカ大陸最大の食品展示会はFMI。
しかしこちらは残念ながら、今年はセミナーのみの開催となった。

だから、日本のスーパーマーケットトレードショーは、
世界二大食品フェアと見ることさえできるレベルになった。

スーパーマーケット企業の協会が開催するから、
単なる食品を展示するフェアではない。

食品を中心とした商品、
売り場づくり・店づくりのためのシステムや設備・什器。
そして売るためのソフトウェア。
スーパーマーケットを経営し、運営するために必要なすべての要素が揃う。

これがこのイベントの特徴であり、
だからトレードショー自体は、「増収増益」となる。

訪問者数7万8478人(前年7万5052人)、
平均商談成約率17.8%。  

スーパーマーケットにたとえるならば、「客数増・買上げ点数増」。

来年も、日本のスーパーマーケットや食品産業に、
元気を与える食品フェアになってもらいたいものだ。

成田で行われた第二の行事は、平成20年度通常総会。
この総会、日本のスーパーマーケット産業にとっても、
歴史的に影響を与える総会となった。

この日本セルフ・サービス協会と全国スーパーマーケット協会が、
ともに、正式に、それぞれの総会で「合併」を決定したからだ。

新協会の名称は、
「社団法人 日本セルフ・サービス協会」。  

正会員500社、賛助会員680社、合計1180社の団体。
日本のスーパーマーケットの約6割が参集することになる。  

事業は、両協会が必死で展開してきたものを、ほとんど共有し、
新たに毎月、スーパーマーケット会員企業売上統計を集計・発表する。

これは実に大きなことだ。

昨日のこのブログで、日本チェーンストア協会の総合スーパーを中心とした月報の数値と、
日本フランチャイズチェーンのコンビニの月報の数値を報告した。
しかし、商業統計にも示される日本最大の業態の月報がない。
それがこのたび可能となる。

新日本セルフ・サービス協会以外の協会も協力して、
できるだけ正確な日本のスーパーマーケット統計が発信されることを、
私は、切に願うものであるし、
私も、その実現に尽力したいと思う。

これは、確実な進化を意味する。

総会後は、特別講演会。
演題は「競合との差別化戦略」  
サブタイトルは「第一章 いくつかの具体的な店舗開発事例より」
講師は、高木實さん。  
前㈱スーパーバリュー副社長、元㈱カスミ専務、元㈱西友執行役。
そして商業経営研究会会員。
そう、一昨日の商業界会館での研究会にご参加くださっていた高木さん。

この高木さんの講演、素晴らしかった。
西友時代の無印良品の開発は、新業態による差別化戦略。
無印は、All value, No frillsのコンセプトがとてもいい。
それをあらためて確認させてもらった。
これ、「オクシモロン」の考え方。

そしてカスミ時代の経験をもとにしたのは競合エリアでの出店戦略。
①出店計画
②店舗基本計画
③営業基本計画
④開業計画
これらの体系が、実に綿密に語られた。
実務経験に基づいているから、説得力がある。

高木さんのまとめは6項目。
その中で、特に二つ。
トップの強い信念と全社横断プロジェクトの事務局力。  
この二つが印象に残った。
kouen
高木さんの実務者としての真骨頂が現れた講演だった。

講演会の後は、懇談会。

増井徳太郎協会会長のご挨拶。
通常総会後の理事会で、絶好調の会長職を続けていただくことが決まった。
masui

そして横山清名誉会長。
合併する全国スーパーマーケット協会理事長でもある。

新しい時代の到来を、横山さんは高らかに宣言した。

私も、新しい時代がやってきたと感じた。
それは、希望と絶望が入り混じった時代。  

ある者にとっては希望が実現する。
ある者にとっては絶望が訪れる。
すべての者の希望が叶えられることはない。

それが新しい時代の希望と絶望である。

しかし全国のお客様にとっては、確実に、
安全で安心で、便利で豊かな時代の到来となる。

<結城義晴>

2009年03月25日(水曜日)

「日本を元気にするWBCセール」と「新しい業態蛻変論」

ワールドべースボールクラシック優勝。
レッドソックス松坂大輔君の言葉は良かった。
「日本を元気にする」  

この言葉にのって、
「日本を元気にするセール」も積極的に展開してほしい。

昨年の8月は、北京オリンピック。
同時に甲子園夏の大会。

オリンピックは国民意識を高揚させ、
甲子園は郷土意識を刺激する。

いま、WBCは国民意識を高めさせ、
相撲も国技の意識を目覚めさせ、
春の甲子園は郷土意識を強くさせる。

商業はそんなマインドをどんどんとらえるべき。

それが「日本を元気にする」ことに役立つ。

どうぞ、どうぞ。
サムライジャパンが帰国し、
さらにテレビや新聞、週刊誌が大騒ぎする今週末まで、
商業も盛り上がろう。

日本マクドナルド㈱は、素早く動いた。  
オフィシャルパートナーとしてサポートしてきたこともあって、
この土曜日曜の28日、29日の2日間限定で、
ビーフハンバーガー全品を「V2 記念特別価格」にする。
100円のハンバーガーが80円。
290円~320円のビッグマックが200円。

マクドナルドは日米ともに、この不況の中で絶好調。
絶好調だから、大胆、迅速。

今月の商人舎標語。
「大胆に、賢明に、行動せよ」  
バラク・オバマ大統領の最初の議会演説の言葉。
Act boldly and wisely!

さて、昨日は、疲労困憊で、体調不良だった。
それでも午後、東京・麻布台の商業界会館に出向く。

私が座長を務めさせていただいている商業経営問題研究会。  
リテール・マネジメント・ラーニング・サークル[RMLC]。
その3月の勉強会。

発表者は二人。
座長の私と世話人の品川昭さん。

私は、今年初めてのRMLC研究会ということもあって、
「2009年から2010年への考え方」  
ここでは「蛻変」をお勧めした。

「蛻変」は㈱カスミ社長の小濵裕正さんからいただいた故大屋晋三さんの言葉。
蝉が脱皮するように、企業も変態しなければならないという考え方。

業態にはライフサイクルがある。  
例えばウォルマートは、1945年から、
バラエティストア
⇒ディスカウントストア
⇒メンバーシップホールセールクラブ
⇒スーパーセンター
⇒スーパーマーケット
そしてこのたび、マーケットサイドという小型店の開発実験を始めた。

これも業態にはライフサイクルがあるというテーゼに基づいたもの。

私は、アメリカの小型スーパーマーケット開発の、
意味についてご報告するとともに、
さまざまな食品関連業態のポジショニングを解説した。
このときには、コーネル大学の考え方を引用させていただいた。
ジーン・ジャーマン名誉教授の説。

業態のライフサイクルに対応するために、
小売企業は「蛻変」しなければならない。  
アメリカの小型店の分析も、
このライフサイクルと蛻変の中で行われねばならない。
本当の蛻変なのか、それとも単なる営業上の改良なのか。

100年に一度の危機といわれる今こそ、
「蛻変」のタイミングに違いない。

品川エコ・エコノミー研究所代表の品川さんのタイトルは、
「百年に一度の不況におけるSMの競争力をどう考えるか」  
スーパーマーケットの競争力の諸相を表し、
競争力局面の縦構造を明らかにし、
その上で世界同時不況の実態をデータをもとに検証。
元セゾン総合研究所事務局長らしい分析で、
最後にこれからの流通革新のキーワードを提示。
①内需成長型産業構造の転換
②安心・安全品質のサプライマネジメントシステムの構築
③グリーンニューディール政策への積極対応
④良品廉価への継続的挑戦  

これが品川さんの提案。

私も大賛成。

その後、ディスカッション。

ディスカッションで質問に答えつつ、
議論を展開しつつ、
感じたこと。

「業態論」をもっともっと議論しなければならない。
そして新しい「業態論・フォーマット論」を確立しなければならない。

コーネル大学の考え方は、その時に大いに役に立つ。

研究会が終わって、リテック商業技術研究所代表・杉田幸夫さんと写真。
sugitasan
杉田さんはこの研究会の第一級の論者。
杉田さんのホームページは、
この商人舎ホームページ下段にリンクしてもらった。
タイトルはBizMaga : The Super ★ Market  

実に考察の内容が濃くて、深い。
是非、ご覧いただきたい。

フェアで、激しい議論の中から、
私たちは共同作業として「新しい業態論」を生み出すことができる。
私は、それを信じている。

<結城義晴>  

[追伸]
かくて、今日も、アメリカ報告が、
先延ばしになった。

お詫びします。
ごめんなさい。

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