横浜や東京の桜が散り始め、葉桜となる。
新緑との対比が綺麗になってきた。
いい季節です。
例年よりも、ずいぶん暑くて、
それはちょっと心配だけれど。
そして私は、毎日、
書ききれないほどの原稿を抱えてはいるけれど。
さて、決算発表が続く。
イオンの連結決算は、30億円の最終赤字。
売上高は、1%プラスの5兆2300億円、
営業利益は20%マイナスの1250億円。
これらは、日本経済新聞の決算発表事前情報。
ダイエーの連結決算は、260億円の最終赤字。
売上高は、1兆0408億円で、13%のマイナス。
昨年は、イオンが439億円の黒字、
ダイエーも、402億円の黒字。
今期の目標は、いかに赤字から脱出するかになる。
高島屋は、売上高9761億円で、6%マイナス。
1兆円に届かなかった。
純利益は、117億円で37%マイナス。
厳しい時代である。
とりわけて、大きな会社には。
私は、すべての店に、
いい決算をしてもらいたいと願っている。
マーケットがシュリンクしているとき、
すべての店の売上高が伸びることはない。
しかし、そんなときにも、
すべての企業がいい決算をすることはできる。
いい決算とは、売上げも利益も、増大することではない。
身の丈に応じた利益を創出することだ。
社是に、「いい会社をつくりましょう」を掲げるのが、
「かんてんぱぱ」で有名な伊那食品工業㈱。
その代表取締役会長の塚越寛さんの言葉。
「単に経営上の数字が良いというだけでなく、
会社をとりまく総ての人々が、
日常会話の中で「いい会社だね」と
言ってくださるような会社の事です。
さらに、社員自身が、
会社に所属する幸せをかみしめられるような会社をいいます」
塚越さんは、会社の成長を木の年輪にたとえる。
「年輪のように必ず外側に輪を描く。
少しずつでいいから成長する。
気候のいい年は、おおきな年輪の幅、
厳しいときは、小さな年輪の幅」
決算は、この年輪のようなもの。
そう考えると、自然はすごい。
枯れて朽ちてしまう木には、年輪がない。
しかし生きている木は、すべて、年輪を記す。
私が、「すべての商業にいい決算をしてもらいたい」と願うのは、
この自然のような商業の世界であってほしいと思うからだ。
すべての商業・サービス業に、いい決算をしてもらいたい。
自然の中に身を委ねて、
生きていれば、
必ず年輪は刻まれるのだから。
桜が散って、
新緑の映える、
いい季節になってきた。
<結城義晴>