とうとう日本初の感染者がでた。
新型インフルエンザ。
厚生労働省が世界保健機関に報告する。
カナダのオークビルから、トロント、
アメリカのデトロイト経由で帰国した高校教師1人と生徒2人。
国立感染症研究所の遺伝子検査で確認された。
しかし、海外発生期の第一段階で食い止めて、
国内発生期の第二段階には移行してはいない。
私は、この世界的大流行には、
慎重に対処しなければならないと考えてきた。
騒ぎすぎるのも、心配し過ぎるのも、
いかがなものかとも思う。
季節性インフルエンザといわれる例年のものでも、
1万人近くの死亡者が出る。
この機に、「公衆衛生」の観点から、
日本全体の見直しをしておく必要がある。
日経新聞のコラム「大機小機」に4つの見直し視点が出ている。
第一。
対策は中央集権的ではなく、地方分権的であること。
発症後は、現場医療機関の対応がカギを握る。
現場の役割と責任の範囲をあらかじめ決めておくこと。
第二。
治安、水道・電力・食料・金融などライフラインの確保を優先すること。
その意味では、店舗や商業施設にも、
「公衆衛生」とライフラインの責任と実行が求められている。
第三。
ワクチン・抗インフルエンザ剤作成、確保の政策を取ること。
これは政府・厚生労働省の役目。
第四。
リスク・コミュニケーションを図ること。
「手洗い・うがい、マスク、咳エチケット」
基本的な行動を実行・徹底する。
第一、第二、第四は、小売業・サービス業でも、
確実に断行し、それを地域や顧客にお知らせしておくこと。
「人が多数集まる店舗と公衆衛生」を、
この機会に、全店・全社に徹底したい。
いつも言うが、
徹底とは、
①詳細に
②厳密に
③継続すること
しかし、日本からの感染者発生は大きなこと。
6月に予定していた商人舎USA視察研修は、
10月初旬に延期することにしたい。
9月30日または10月1日出発の1週間。
今回とまったく同じ趣旨、同じルート、同じ金額の予定。
お申込みいただいた方々には、来週月曜日の5月11日に、
正式にご連絡したい。
日本人の発症例が報告されたからには、
商人舎も「公衆衛生」を考慮しなければならないと考えるからだ。
それにしても、こんな時だからこそ、
安心される店でありたいものだ。
「安全」を細かく、厳しく、続けている店や会社は、
地域や顧客への「安心」を提供できる。
「安全」は条件、「安心」は結果。
「心の安らかさ」をお届けするのが、
商業・サービス業の役目である。
<結城義晴>