一昨日の13日、水曜日、銀座。
パチンコ・チェーンストア協会のコスト部会で講義。
急遽、3カ月連続で、レクチャーすることになった。
「ボランタリーチェーンとは何か?」
私自身も、興味あるテーマ。
世の中、どちらかといえば、
フランチャイズチェーンに関心が高い。
流通を専門にする学者でも、フランチャイズを研究する人が多い。
一方、ボランタリーチェーンの研究者・学者は少ない。
その理由は、
何といっても、セブン-イレブンの大成功にある。
セブン-イレブンがうまくいったのだから、
フランチャイズシステムこそ、
いい仕組みなのだろうという漠然とした認識がある。
しかし、ボランタリーチェーンは、ヨーロッパで盛んだ。
アメリカには、フランチャイズチェーンが多い。
日本でも、コンビニはフランチャイズチェーンが成功しやすく、
スーパーマーケットではボランタリーチェーンが多い。
全体を見れば、フランチャイズ方式とボランタリー方式は、
それぞれに良さがあり、それぞれに弱点がある。
ボランタリーチェーンとは、
①異なる経営主体同士が結合して、
販売機能を多数の店舗において展開すると同時に、
②情報等を本部に集中することによって
組織の統合を図り、
③強力な管理のもとで、
仕入れ・販売等に関する戦略が集中的にプログラム化される
④仕組みとその運営
これは日本ボランタリー・チェーン協会の定義。
一方、フランチャイズチェーンとは、
①事業者〈フランチャイザー〉が他の事業者〈フランチャイジー〉との間に契約を結び、
②自己の商標、サービスマーク、トレードネーム、
その他営業の対象となる商標および経営のノウハウを用いて、
③同一のイメージの下に商品の販売その他の事業を行う権利を与え、
④一方フランチャージーは一定の対価を支払い、
⑤事業に必要な賃金を投下して
⑥フランチャイザーの指導及び援助の下に事業を行う
⑦両者の継続的関係をいう
こちらは日本フランチャイズチェーン協会の定義。
どちらが優れているか、劣っているかではなく、
どんなフォーマットに、どちらが向いているかが、
それこそ問題となる。
チェーンストアの種類をいう時に、
レギュラーチェーン、
ボランタリーチェーン、
フランチャイズチェーンの分類を使う。
私もそうしてきた。
しかし、気がついた。
どれもチェーンストアであることに変わりない。
だからまずチェーンストアの原理・原則が大事。
そしてそのチェーンストアが、
多数の資本の結合をして規模を拡大するとき、
三つの考え方がある。
①資本統合やM&A
②ボランタリーチェーン
③フランチャイズチェーン
①はひとつの資本になる。
②は多数の資本が任意に連鎖する
③は多数の資本が契約によって連鎖する
そう考えると、わかりやすい。
さて私の関心。
パチンコホールのようなサービス業では、
ボランタリーチェーンがふさわしい方式なのか、
それともフランチャイズチェーンがいいのか。
これは固有のサービス業が、
「スーパーマーケット・タイプ」なのか、
「コンビニ・タイプ」なのか、
その見分け方にあると思う。
スーパーマーケットのマネジメントやオペレーションにあるもの、
コンビニのチェーンシステムに存在するもの。
その違いを明確にし、
それぞれのサービス業ごとに適用すると、
なぞは解けてくる。
ファストフードは、コンビニ型である。
そしてパチンコホールは、
スーパーマーケット型であると思う。
これは、もっともっと考えなければならないテーマである。
<結城義晴>