[新しい読者へのお知らせ]
結城義晴のblog[毎日更新宣言]の日曜版は、ジジという名の猫が主人公となっています。よろしく。
ボクは、
ねていました。
ぐっすりと。
目が、あいてますが、
ねているのです。
急に、なにかを、
感じた。
たしかに、
なにか、ある。
でも、また、
ねむくなった。
そして、ねました。
手は、こんなぐあい。
ニンゲンは、
まえ足とも、いいます。
足も、こんなかんじ。
こちらは、
うしろ足とよばれます。
きもちよく、
ねていたのです。
なにもかんがえずに、
ゆったりと、
ねていたのです。
ニンゲンの「アシ」。
オヤユビがまがった「アシ」。
ボクの足と、
ニンゲンの「アシ」。
手のほうに、
ちかづいてきた。
そして、だいじな頭のところまで、
きた。
とうとうボクも、
おきてしまいました。
ユウキヨシハルのおとうさんでした。
今週は、いそがしかった。
よるのかえりも、おそかった。
だから、ボクは、
ジュータンのうえで、
さきにねていました。
おとうさんが、
ボクをおこしにきたのです。
いそがしそうだから、
ゆるしてあげます。
でもボクは、ねます。
ゆっくりやすんでください。
「おやすみなさい」
「……おやすみ」
<『ジジの気分』(未刊)より>