麻生太郎内閣支持率、急減。
朝日新聞19%。
読売新聞23%。
日経新聞25%。
三紙のスタンスが、見事に表れた。
しかし、公平にしているはずの世論調査で、
こんなに新聞の姿勢が明快に出てしまうとは、
いったい何だ、という気になる。
特に朝日は、少し、やり過ぎでは?
と思いきや、
毎日新聞19%、
共同通信は17%。
東京新聞をはじめとする地方紙やスポーツ新聞は、
通信社としての共同通信の記事を配信している場合が多いから、
地元の新聞やスポーツ紙しか読んでいない国民は、
17%の支持率を信じてしまうかもしれない。
いずれにしても、世論調査には、
意図が入りすぎ。
全体のサンプル数を足し算して、
それを平均する機関が登場すれば、
それが一番、冷静で公平かもしれない。
商人舎が、それをやってみようか。
さて、熊本に来ているから、
九州ネタを一つ。
福岡の老舗百貨店・岩田屋。
経営破たんに近い状況が続いているが、
株式の51%をもつ三越伊勢丹ホールディングスが、
完全子会社にすることに決めた。
私は、福岡の生まれで、
子供のころには、
両親から岩田屋のレストランに連れて行ってもらうのを、
楽しみにしていた。
地元には、特に地方百貨店に、
強い愛着がある。
私の母など、横浜の松坂屋を
最後まで、「野沢さん」と呼んで愛していた。
岩田屋にもそれはあるはず。
だから福岡伊勢丹とか三越福岡店などと、
店名を変えることはないだろうとは思うが、
ここは、お客さまの気持ちをくんでほしいものだ。
さて昨日は、午後から東京・神田。
日本セルフ・サービス協会。
三井物産㈱食料・リテール本部西日本食料部の面々と打ち合わせ。
左から西澤康樹さん、堀田安紀さん。
そして協会営業本部長・村尾芳久さん。
11月6日、7日と、私の講演とパネルディスカッションを、
関西地区で行います。
お楽しみに。
その後、羽田から、熊本へ。
全国的に梅雨前線が立ち込める上空は、
こんな雲海で満たされている。
そして熊本に来たら、どうしても、
馬肉料理店として有名な「菅乃屋」へ。
レバ刺しは絶品。
(商人ねっとの録音ディレクター・梅ちゃんと)
さて、先週のデイモン・ワールドワイド・ジャパン・インクでの話。
デイモンはプライベート・ブランド専門コンサルティング会社。
それも世界的ネットワークを持つ世界最大のコンサルタント集団。
アメリカでは、第1位のスーパーマーケット・クローガー、
第2位のセーフウェイ、
HEバット、ウェグマンズ、
そのほか、多くのローカルチェーンの指導をしている。
世界を見渡すと、ウォルマート以外のほとんどのチェーンストアに、
プライベート・ブランドのコンサルティングを展開しているのが同社。
「それでいて、小売企業からは、
一銭ももらっていない」
こう、サービス・マネジャーの和田浩二さんは言う。
和田さんは、コーネル大学RMPジャパン第一期生。
つまりは、私たちのお弟子さん。
その縁もあって、7月3日のセミナーに協力してくれている。
商人舎と流通ニュース共催。
タイトルは「日本のPBはこうなる!」
現在、デイモン・ワールドワイド・ジャパンには、
230人の社員がいる。
その一人が、フィリップ・コップさん。
ストラテジー・ディレクター。
戦略を立案し、マーケティングを展開する。
顧客の消費行動をしっかりリサーチして、
それを商品化や販売政策に活用する。
結局、いかにその徹底をするかが、
プライベート・ブランドにも求められている。
先の「小売企業からは一銭ももらっていない」という言葉。
その理由は、小売業ブランドをつくるサプライヤーから、
コンサル料が出るから。
だからデイモンは、メーカー・サプライヤーと、
共通のクライアントをもち、
そのクライアントのカスタマーの喜ぶ商品を開発する。
1970年に誕生したコンサル会社デイモンの、
このビジネスモデルこそが、
まったくもってブルーオーシャン戦略。
世の中にコンサルタントは山ほど存在するが、
直接のコンサルティング企業からフィーをもらわない者は、
本当に少ない。
例えば、親から料金をとって、
子供の教育をする塾のようなもの。
子供からは金を取らない。
小売業が子供というわけではない。
しかし、指導する先からフィーをもらっていると、
妥協やおもねりが出る。
それが、デイモンにはない。
みんなが、プライベートブランドが売れることを志向する。
そしてそのブランドが売れたとき初めて、
全員がハッピーになる。
その全体最適を、デイモンは目指す。
この考え方こそが、優秀なビジネスモデルなのである。
現在の日本では、イオンのコンサルティングをしている。
もちろん、イオンからは一銭ももらわず。
不思議な関係づくりが、デイモンの真骨頂。
会社の入口には、開発プランドが並べられている。
7月3日、東京・サンケイプラザ。
「日本のPBはこうなる!」
私も今から、楽しみだ。
<結城義晴>