日経MJが2008年度小売業ランキングを発表。
第42回目の小売業調査となる。
第1位は、セブン&アイ・ホールディングス。
売上高5兆6499億円、経常利益2793億円。
第2位が、イオン。
売上高5兆2308億円、経常利益1260億円。
この二強、しかしどちらも持ち株会社で、
いわば多数の業態とフォーマットの集積。
私は、商業現代化の条件の一つとして、
国際的競争力のある会社が二桁登場することが必要だと考えている。
競争力のひとつは成長力、収益力。
その意味では、二強とても、まだ足りない。
第3位は、ヤマダ電機。
1兆8717億円の売上高、646億円の経常利益。
家電チェーンでは第3位にまでに入っている。
クリティカルマスを突破し、好調を維持。
第4位は、三越伊勢丹ホールディングス。
1兆4267億円の売上高、351億円の経常利益。
第5位にユニー。
1兆1902億円の売上げに、389億円の経常利益。
第6位、J.フロントリテイリング。
1兆0967億円、利益は283億円。
第7位に、ダイエー。
かろうじて1兆0408億円の売上高と1兆円を確保、経常利益は26億円。
第8位、高島屋。
9761億円、280億円の経常利益。
第9位、エディオン。
8030億円の売上げに118億円の経常利益。
第10位、ヨドバシカメラ。
7013億円の売上高、356億円の経常利益。
ベスト10には、家電チェーンが3社。
百貨店が3社。
総合スーパー系が4社。
ただし、ダイエーは実質、イオンの傘下にある。
第11位にビックカメラ、
6307億円の売上げ、35億円の利益。
第12位にファーストリテイリング。
5865億円の売上高に、
857億円の経常利益はすごい。
経常利益額ランキングでは第3位に入る。
こうみると、日本の小売大企業のランキングも、
大きく変動してきた。
それは、新陳代謝という面から考えると、
いいことなのだと思う。
もちろんランキングというと大手企業の順位になるが、
私がいつも強調している「ニッチ」企業の重要さは、
大手企業群の趨勢と同様に重いものだ。
小売業調査ランキング上位の特徴。
その1。
総合業態が低迷し、
専門業態が伸長している。
その2。
持ち株会社制度で、総売上高は大きくなったが、
収益性はそれほど高くはない。
国際競争力は、高くはないということ。
むしろ、グローバルな企業群と比較すれば、
ファーストリテイリングやヤマダ電機が、
国際競争力を持つことになる。
ホールディングカンパニーとなっても、
一つひとつの業態・フォーマットの完成度が重要ということ。
第一位のセブン&アイ・ホールディングスは、
収益の柱となっているセブン-イレブン・ジャパンに、
公正取引委員会からの排除措置命令が出ている。
22日にこの命令が出て、
23日に、新しい対応を発表した。
弁当類の廃棄損失分の15%を本部が負担するというもの。
しかしこれも、急場凌ぎの感は否めない。
根本的な問題解決。
それがイノベーションだが、
いま、セブン-イレブンには、
妥協のないイノベーションが求められている。
それは、日本のすべての小売業に、
突きつけられているテーマと同じである。
<結城義晴>